雨過天晴

ジャズとホークスとファッションなどなど
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そして時々飽きます

鬼神の如く: 黒田叛臣伝

2017-09-02 | 

朝夕涼しくなりましたね。

どうしたんだろう?

台風の影響なんでしょうか。

いずれにしてもコレくらいが気持ちいい。

Tシャツに1枚軽く羽織れるくらい。

このまましばらく過ごせないかなぁ。

 

さて今日は先日読了した葉室麟『鬼神の如く: 黒田叛臣伝』をご紹介。

 

鬼神の如く: 黒田叛臣伝
葉室 麟
新潮社

 

学校で習う日本史の中ではほぼほぼ触れたことがない黒田騒動。

秀吉の懐刀であった軍師黒田官兵衛(如水)、そしてその息子で調略と武をもって鳴らした黒田長政、という偉大なる祖父・父をもって言わば大名家のボンボンとして生まれた福岡藩2代藩主忠之。

官兵衛は死に際して、一の老職と呼んだ栗山利安に長政の後見を命じ、また長政は利安の息子大膳に忠之の後見を命じました。

忠之は強情な性格で、長政も奥方もこの子を跡継ぎにすることに不安を感じ、忠之を廃嫡して、弟の長興(後に秋月藩黒田家をおこす)を跡継ぎにしようと試みましたが、家老であった栗山大膳に反対され、結局忠之が二代藩主に就任します。

しかし忠之は官兵衛、長政時代からの功臣を退けて、自分にゴマをする側近を登用するようになります。

事あるごとに忠之をかばってきた家老の栗山大膳は何度も忠之に対して忠言しますが、忠之は聞く耳を持ちません。

こうして、藩主の忠之と家老の栗山大膳の対立は深刻化していきます。


そんな中、幕府は豊臣家ゆかりの大名を何かにつけては改易し、力を取り除こうとしていきます。

もちろん黒田家もその対象となります。

藩内での問題を抱えるなかで、大膳は忠之に謀反の心ありと幕府に訴えました。

その本意はどこになるのか。

黒田家はどうなってしまうのか。

 

大いにフィクション性はあるんでしょうが、実話に上乗せした部分が非常にストーリーに彩りを与えています。

ただの黒田家の問題に限らず、当時の時勢を盛り込み、キリシタンの弾圧であったり、宮本武蔵や夢想権之助といった剣豪が交わってきたり。

妙に違和感なく入ってきているのが著者の腕の見事さなんでしょうね。

 

ちなみに著者の葉室麟は福岡の出身。

本作に対する力も入ったことでしょう。

 

歴史小説は大好きですが、本作も仲間入りです。

なお同じく最近読み終わったのは富樫倫太郎の『北条早雲 - 明鏡止水篇』。

 

北条早雲 - 明鏡止水篇
富樫倫太郎 著
中央公論新社

 

富樫作品は『早雲の軍配者』を読んで以来、戦国モノを中心に読んでいます。

 

早雲の軍配者(上) (中公文庫)
富樫 倫太郎
中央公論新社

 

北条早雲も現在4作目で、おそらく次作の5作目が最後になるでしょうね。

歴史小説は史実にどれだけ彩りを与えられるかが肝要。

あまりにも史実に即していないと嘘くさいし、脚色がないと味気ない。

そのバランスが大事。

司馬遼太郎はそういう意味で凄い作家だなあと思います。

 

さて、手持ちの本は全て読んだのでまた新しい本を買おう。

そういえば伊坂幸太郎の新作『AX』まだ読んでないや。

 

AX アックス (角川書店単行本)
伊坂 幸太郎
KADOKAWA / 角川書店

 

 

 

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