18日に大学・社会人ドラフト会議が行われた。今年は大量指名が目立ったような気がする。高校生と大学・社会人の指名を分けたことで、「今年は高校生主体」とか「今年は即戦力主体」ということを考える必要性が薄くなり、「欲しいと思った選手は躊躇なく指名していこう」という姿勢が出てきたからであろうか。ただ、その分競争率は当然上がるわけで、他球団との駆け引きのうまさが要求されるドラフトとなった。
今回もまた、素人ドラフトマニア・うえぽんの独断と偏見と受け売りと知ったかぶりによる解説(怪説?)付きで、4回にわたってご紹介。まずはセ・リーグの3球団から。
※年齢は、来年4月1日現在
★広島東洋カープ
3巡目…梵 英心(そよぎ・えいしん)内野手 右投右打 173cm70kg
25歳 広島・三次高-駒沢大-日産自動車
大学時代からドラフト候補に挙がり、社会人3年目の今年は都市対抗で首位打者に輝いた。スピードあふれるプレーと力強い打撃が光る即戦力候補。ちなみに、珍しい名前なのは実家がお寺だからだそうです。
4巡目…梅原 伸亮(うめはら・のぶあき)投手 右投右打 182cm75kg
22歳 大阪・金光大阪高-京都学園大
MAX149キロの速球に加え、シンカー、チェンジアップなど豊富な変化球を同じフォームで投げられるため、三振をバンバン取れる。ややアーム気味の腕の振りに柔らかさが加われば、さらにすごい投手に。
5巡目…飯田 宏行(いいだ・ひろゆき)投手 右投右打 186cm80kg
25歳 山口・下松工高-徳山大-元・ツインズ1Aフォートマイヤーズ
MAX153キロの速球と、落差の大きいフォークボールが売り物の本格派。今年3月に1Aを解雇された後は母校の徳山大で練習を続け、秋に行われた入団テストに合格した。アメリカで掴めなかった夢は日本で…!
解説
3巡指名の梵は、内野陣の整備が課題の広島としてはどうしても逃せない選手でした。ドラフト直前に楽天の1巡指名候補に挙がり、指名が危ぶまれましたが、確保できたのは非常に大きかった!地元の広島県三次市出身ということもあり、大いに期待したいところです。また、4・5巡目では梅原、飯田と本格派投手を指名。2人とも、広島好みの「やや粗削りながら腕の振りが速くて身体能力の高い」タイプで、1年目からいきなり二桁勝利を期待するのは少々酷かも知れませんが、黒田や大竹のようなスケールの大きい投手への成長が期待出来ます。ここまでは、補強ポイントとも合致していて特に問題はありません。ただ、欲を言わせてもらえば左投手と右の外野手のてこ入れがあっても良かったかなという感じはします。最後に、たまには凄い大物選手が「広島以外は行きません!」とか言ってくれないかな…。
★読売ジャイアンツ
希望枠…福田 聡志(ふくだ・さとし)投手 右投右打 180cm76kg
22歳 和歌山・伊都高-東北福祉大
独特の摩訶不思議なフォームからMAX153キロが飛び出し、縦・横・高速の3種のスライダー、フォーク、シュートも操る。ただ、好不調の波が激しく、1年目からバリバリ働くというのは少々厳しいかも…?
3巡目…栂野 雅史(とがの・まさふみ)投手 右投右打 186cm89kg
21歳 神奈川・桐蔭学園高-新日本石油
横浜と激しい争奪戦を繰り広げた本格派。常時140キロ台中盤をマークする重い速球が武器でフォームも悪くないのだが、制球、変化球に課題を残しており、少し時間をかけて面倒を見て欲しい選手である。
4巡目…越智 大祐(おち・だいすけ)投手 右投右打 184cm84kg
22歳 愛媛・新田高-早稲田大
少々粗さの残る豪快なフォームから投げ下ろす速球は常時140キロ以上で、MAXは151キロ。スライダーと大小2種類のフォークも良い。大学は留年決定らしいが、何年かかってもちゃんと卒業しなさいよ(笑)。
5巡目…脇谷 亮太(わきや・りょうた)内野手 右投左打 176cm74kg
24歳 大分・柳ヶ浦高-日本文理大-NTT西日本
無駄を省いた鋭いスイングで選球眼もいい、リードオフマンタイプ。俊足強肩を活かした守備・走塁にも定評があり、一発頼みの大味な野球からの脱却を目指す巨人にとっては、まさにこんな選手が欲しかった!
6巡目…深田 拓也(ふかだ・たくや)投手 左投左打 180cm73kg
22歳 静岡・静岡高-中京大
MAX143キロの速球は力があり、捕手のミットを叩く音が並の投手とは違う。変化球はカーブ、スライダー、スクリューがあり、甘いコースに集まらない制球力も文句なし。無名ながら、なかなか使えそうな左腕。
7巡目…会田 有志(あいだ・ゆうし)投手 右投右打 178cm74kg
22歳 栃木・佐野日大高-中央大
父・照夫氏はヤクルトで29勝をあげたアンダーハンド。息子も腕を下げて投げ、サイドから140キロ台の速球と多彩な変化球を投げ込む。最終学年で調子を崩し、球速が落ちてしまったのが少々心配ではある。
8巡目…梅田 浩(うめだ・ひろし)外野手 右投右打 185cm87kg
22歳 愛媛・松山商-創価大
恵まれた体格で大学球界屈指の打球の速さを誇るが、決して力任せに振り回さず広角に打てるのが良いところ。今春までは捕手を務めていただけに、肩の強さも合格点。あとはいかに早くプロの水に慣れるか。
解説
投手からチームを立て直そう、ということで今年の巨人は2回のドラフトで総勢8人(高校生4巡目の済美高・福井優也投手は入団辞退)の投手を指名しました。高校生の辻内、大学生の福田という目玉2人を獲得、「横浜以外は入団拒否」と言っていた栂野も果敢に指名し(たぶん入団するでしょう)、「狙っていた選手を取る」という観点では満点と言っていいでしょう。ただ、今回の大学・社会人ドラフトに関しては、即効性はあまり期待出来ないような感じがあります。特に福田、栂野、会田はプロ入り直前の伸び率が鈍り気味で、一軍で戦力になるまでには少し時間をかける必要があるでしょう。そこで、首脳陣が辛抱強く待てるかどうか。原監督は若手の抜擢が好きですが、早く使いすぎてパンクしてしまった選手もいます。そういった意味では今回の「素材型大量指名」は一歩間違うとちょっと怖い気もします。
★ヤクルトスワローズ
希望枠…武内 晋一(たけうち・しんいち)内野手 左投左打 175cm85kg
22歳 和歌山・智辯和歌山高-早稲田大
高校時代は「投げるところがない」とまで言われた天才スラッガー。大学で一時期フォームを崩したが、一発を捨てたことで持ち前のバットコントロールが蘇った。見かけによらず(?)、守備はかなり上手い。
3巡目…松井 光介(まつい・こうすけ)投手 右投右打 171cm80kg
27歳 神奈川・横浜高-亜細亜大-JR東日本
高校時代は後輩・松坂(西武)が目標にしていた存在。上背はないが体全体を無駄なく使ったフォームで、速球とフォークを武器に打者へと攻め込む。1球ごとに雄叫びをあげながら投げる、気迫満点の豪腕!
4巡目…高木 啓充(たかぎ・ひろみつ)投手 右投右打 181cm79kg
22歳 愛媛・宇和島東高-大阪体育大
フォームは大学の先輩・上原(巨人)と似ている。上原ほどの圧倒的な球威はないものの、キレのある速球と多彩な変化球を巧みに使って打ち取る好投手。制球力もまずまずだが、さらなる緻密さを追求したい。
5巡目…飯原 誉士(いいはら・やすし)外野手 右投右打 181cm80kg
22歳 栃木・小山高-白鴎大
高校時代は投手としてドラフト候補だったが故障に泣き、大学進学後に野手転向。多村(横浜)タイプの走攻守揃った大型外野手で、今年の大学選手権では東北福祉大・福田(巨人希望枠)から2打席連続本塁打。
解説
波乱のない安定したドラフトを展開出来たと思います。「超目玉は獲れなくても、獲れる選手は逃さない」というスタンスは、チームのプレースタイルにも似たところがありますね。今年の課題は主軸候補の獲得。希望枠で獲得した武内は本質的にはアベレージヒッターですが、狭い神宮球場が本拠地なら本塁打20本台も視野に入れられるのではないでしょうか。また、5巡目の飯原も、粗さはありますが恵まれた体のバネでスタンドに叩き込む能力は十分あります。また、投手では松井、高木の2人を指名。松井は、今のヤクルトには少ない骨太なパワーピッチャー。年齢的にも1年目からフル回転が期待されます。高木はヤクルト好みのバランス型。注文をつけるとすれば、今いる若手がちょいと伸び悩み気味である捕手と内野手の指名があっても良かったんじゃないか、と。しかし、全体的には十分合格点でしょう。
今回もまた、素人ドラフトマニア・うえぽんの独断と偏見と受け売りと知ったかぶりによる解説(怪説?)付きで、4回にわたってご紹介。まずはセ・リーグの3球団から。
※年齢は、来年4月1日現在
★広島東洋カープ
3巡目…梵 英心(そよぎ・えいしん)内野手 右投右打 173cm70kg
25歳 広島・三次高-駒沢大-日産自動車
大学時代からドラフト候補に挙がり、社会人3年目の今年は都市対抗で首位打者に輝いた。スピードあふれるプレーと力強い打撃が光る即戦力候補。ちなみに、珍しい名前なのは実家がお寺だからだそうです。
4巡目…梅原 伸亮(うめはら・のぶあき)投手 右投右打 182cm75kg
22歳 大阪・金光大阪高-京都学園大
MAX149キロの速球に加え、シンカー、チェンジアップなど豊富な変化球を同じフォームで投げられるため、三振をバンバン取れる。ややアーム気味の腕の振りに柔らかさが加われば、さらにすごい投手に。
5巡目…飯田 宏行(いいだ・ひろゆき)投手 右投右打 186cm80kg
25歳 山口・下松工高-徳山大-元・ツインズ1Aフォートマイヤーズ
MAX153キロの速球と、落差の大きいフォークボールが売り物の本格派。今年3月に1Aを解雇された後は母校の徳山大で練習を続け、秋に行われた入団テストに合格した。アメリカで掴めなかった夢は日本で…!
解説
3巡指名の梵は、内野陣の整備が課題の広島としてはどうしても逃せない選手でした。ドラフト直前に楽天の1巡指名候補に挙がり、指名が危ぶまれましたが、確保できたのは非常に大きかった!地元の広島県三次市出身ということもあり、大いに期待したいところです。また、4・5巡目では梅原、飯田と本格派投手を指名。2人とも、広島好みの「やや粗削りながら腕の振りが速くて身体能力の高い」タイプで、1年目からいきなり二桁勝利を期待するのは少々酷かも知れませんが、黒田や大竹のようなスケールの大きい投手への成長が期待出来ます。ここまでは、補強ポイントとも合致していて特に問題はありません。ただ、欲を言わせてもらえば左投手と右の外野手のてこ入れがあっても良かったかなという感じはします。最後に、たまには凄い大物選手が「広島以外は行きません!」とか言ってくれないかな…。
★読売ジャイアンツ
希望枠…福田 聡志(ふくだ・さとし)投手 右投右打 180cm76kg
22歳 和歌山・伊都高-東北福祉大
独特の摩訶不思議なフォームからMAX153キロが飛び出し、縦・横・高速の3種のスライダー、フォーク、シュートも操る。ただ、好不調の波が激しく、1年目からバリバリ働くというのは少々厳しいかも…?
3巡目…栂野 雅史(とがの・まさふみ)投手 右投右打 186cm89kg
21歳 神奈川・桐蔭学園高-新日本石油
横浜と激しい争奪戦を繰り広げた本格派。常時140キロ台中盤をマークする重い速球が武器でフォームも悪くないのだが、制球、変化球に課題を残しており、少し時間をかけて面倒を見て欲しい選手である。
4巡目…越智 大祐(おち・だいすけ)投手 右投右打 184cm84kg
22歳 愛媛・新田高-早稲田大
少々粗さの残る豪快なフォームから投げ下ろす速球は常時140キロ以上で、MAXは151キロ。スライダーと大小2種類のフォークも良い。大学は留年決定らしいが、何年かかってもちゃんと卒業しなさいよ(笑)。
5巡目…脇谷 亮太(わきや・りょうた)内野手 右投左打 176cm74kg
24歳 大分・柳ヶ浦高-日本文理大-NTT西日本
無駄を省いた鋭いスイングで選球眼もいい、リードオフマンタイプ。俊足強肩を活かした守備・走塁にも定評があり、一発頼みの大味な野球からの脱却を目指す巨人にとっては、まさにこんな選手が欲しかった!
6巡目…深田 拓也(ふかだ・たくや)投手 左投左打 180cm73kg
22歳 静岡・静岡高-中京大
MAX143キロの速球は力があり、捕手のミットを叩く音が並の投手とは違う。変化球はカーブ、スライダー、スクリューがあり、甘いコースに集まらない制球力も文句なし。無名ながら、なかなか使えそうな左腕。
7巡目…会田 有志(あいだ・ゆうし)投手 右投右打 178cm74kg
22歳 栃木・佐野日大高-中央大
父・照夫氏はヤクルトで29勝をあげたアンダーハンド。息子も腕を下げて投げ、サイドから140キロ台の速球と多彩な変化球を投げ込む。最終学年で調子を崩し、球速が落ちてしまったのが少々心配ではある。
8巡目…梅田 浩(うめだ・ひろし)外野手 右投右打 185cm87kg
22歳 愛媛・松山商-創価大
恵まれた体格で大学球界屈指の打球の速さを誇るが、決して力任せに振り回さず広角に打てるのが良いところ。今春までは捕手を務めていただけに、肩の強さも合格点。あとはいかに早くプロの水に慣れるか。
解説
投手からチームを立て直そう、ということで今年の巨人は2回のドラフトで総勢8人(高校生4巡目の済美高・福井優也投手は入団辞退)の投手を指名しました。高校生の辻内、大学生の福田という目玉2人を獲得、「横浜以外は入団拒否」と言っていた栂野も果敢に指名し(たぶん入団するでしょう)、「狙っていた選手を取る」という観点では満点と言っていいでしょう。ただ、今回の大学・社会人ドラフトに関しては、即効性はあまり期待出来ないような感じがあります。特に福田、栂野、会田はプロ入り直前の伸び率が鈍り気味で、一軍で戦力になるまでには少し時間をかける必要があるでしょう。そこで、首脳陣が辛抱強く待てるかどうか。原監督は若手の抜擢が好きですが、早く使いすぎてパンクしてしまった選手もいます。そういった意味では今回の「素材型大量指名」は一歩間違うとちょっと怖い気もします。
★ヤクルトスワローズ
希望枠…武内 晋一(たけうち・しんいち)内野手 左投左打 175cm85kg
22歳 和歌山・智辯和歌山高-早稲田大
高校時代は「投げるところがない」とまで言われた天才スラッガー。大学で一時期フォームを崩したが、一発を捨てたことで持ち前のバットコントロールが蘇った。見かけによらず(?)、守備はかなり上手い。
3巡目…松井 光介(まつい・こうすけ)投手 右投右打 171cm80kg
27歳 神奈川・横浜高-亜細亜大-JR東日本
高校時代は後輩・松坂(西武)が目標にしていた存在。上背はないが体全体を無駄なく使ったフォームで、速球とフォークを武器に打者へと攻め込む。1球ごとに雄叫びをあげながら投げる、気迫満点の豪腕!
4巡目…高木 啓充(たかぎ・ひろみつ)投手 右投右打 181cm79kg
22歳 愛媛・宇和島東高-大阪体育大
フォームは大学の先輩・上原(巨人)と似ている。上原ほどの圧倒的な球威はないものの、キレのある速球と多彩な変化球を巧みに使って打ち取る好投手。制球力もまずまずだが、さらなる緻密さを追求したい。
5巡目…飯原 誉士(いいはら・やすし)外野手 右投右打 181cm80kg
22歳 栃木・小山高-白鴎大
高校時代は投手としてドラフト候補だったが故障に泣き、大学進学後に野手転向。多村(横浜)タイプの走攻守揃った大型外野手で、今年の大学選手権では東北福祉大・福田(巨人希望枠)から2打席連続本塁打。
解説
波乱のない安定したドラフトを展開出来たと思います。「超目玉は獲れなくても、獲れる選手は逃さない」というスタンスは、チームのプレースタイルにも似たところがありますね。今年の課題は主軸候補の獲得。希望枠で獲得した武内は本質的にはアベレージヒッターですが、狭い神宮球場が本拠地なら本塁打20本台も視野に入れられるのではないでしょうか。また、5巡目の飯原も、粗さはありますが恵まれた体のバネでスタンドに叩き込む能力は十分あります。また、投手では松井、高木の2人を指名。松井は、今のヤクルトには少ない骨太なパワーピッチャー。年齢的にも1年目からフル回転が期待されます。高木はヤクルト好みのバランス型。注文をつけるとすれば、今いる若手がちょいと伸び悩み気味である捕手と内野手の指名があっても良かったんじゃないか、と。しかし、全体的には十分合格点でしょう。