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うどんのこと香川のこと

開店後、ほぼ週1ペースの更新になってます。
しばらく、主なテーマに信号番号の設置を加えようと思います。

梅干と醤油

2007-08-30 22:09:21 | Weblog
栗林公園の前で、売るものの候補ができました。

梅干と醤油です。

うちで毎日どんどん使ってるから回転もいいし、それぞれ保存も利くので、1日に仮に、一人のお客さんが来なかったとしても、損はしません。

一人もお客さんが来なくても損しないといえる商売って普通ないと思う。

人もやとわず、設備投資もせず、自分で加工せずに、土曜のうどん店閉店後と、日曜日に本を読んだり、洗濯をしたり、テレビを見ながらできる。

その代わり、うちは、イオンやマルナカさんよりも同程度のものを安く売るつもりです。
個人で、そんなことを言い切れるお店ってまあそうないと思う。

なぜそれができるかって?

よそが3割粗利を乗せてるとこをうちは1割台でもいいと、梅と醤油に関しては思ってるからです。
この後、惣菜屋か何かが稼動しだしたら、そこは普通の価格設定をしようと思ってますが、今仕入れてるのと同じ梅と醤油に関しては、そっからの利益はほとんどなくてもかまいません。

讃岐うどんブーム

2007-08-30 22:03:15 | Weblog
讃岐うどんブームというのは、どういうものか?

「讃岐うどんブームだからお客さんが多いでしょ?」
という人がときどきいる。

讃岐うどんブームでお客は増えると思いますか?

このブログは、経営者側の立場にも立てる、一消費者でない人向けに書いているので書きますが

ごく自然に常識的に考えて、ほとんどのお店でお客が減り、かなりの店が壊滅的なまでに減るとしか数字的に思えないでしょう。

ブームで来る方は有名店に行くのがほとんど
その他の店にブームだからと来る人は駅構内とかはともかく、売り上げの1%ぐらいのものでしょう。
2、3日に一回のペースで観光客の方が、3人とか5人とか来られると目立つし、うれしいけど、ブーム関連のお客さんが2%を超えるようなお店は900店のうち、半分はないでしょう。

ところが、人口減、若者減や、公共事業減による土建屋さんの減少などで、うどんを食べる人の総量は、ブーム以前よりも減ってる。
お土産麺などいろいろあって、讃岐うどんの工場なんかは製造量は増えていると思うが、普通のお店には関係がない。

また、ブームは情報の流通の爆発的な増大です。
情報化社会が東京一極集中を生んだのと似てますが
情報が流通するということは、いいところとか競争力の強いところの情報が流通するので、そうでないお店も、それに合わせないと競争しにくくなるわけです。
昔なら、茹でてから2時間ぐらい経った麺を出してるお店でもつぶれなかったかもしれませんが、今なら辛いことになるでしょう。

100円台のセルフだと、大規模店か回転に自信がある人気店でなければ、30分とかで捨ててたら、原価率が危険水域にすぐに行くでしょう。
長く茹でおきができないのであれば、営業可能時間も短くなります。

茹でおきしないのが常識のお店にお客がどんどん流れれば、昼のを長く茹でおきして3時や4時まで営業するようなことをしてれば、もたないかもしれません。

讃岐うどんブームでうどんを食べる総量は香川県内では増えてないのに

お店の数は、ここ10年ぐらいで数百ぐらい増えてるし、大手の進出もある。
もちろん、大手の進出などはうどん店以外の飲食店のパイも取っていると思いますが。

讃岐うどんブームで売り上げが上がったお店って、うどんジムは超有名店の経営者に知り合いがいないので、直には聞いたことがなく、ほとんど、うどんブームで売上が下がったとかつぶれたとかつぶされたとか言ってます。

別に彼らが努力してないのでも標準より劣っているのでもなく、ほとんどのお店にとって、構造的にうどんブームはお客を減らす働きになるのでしょう。

マクロにみると、総需要が変わらずに、お店の数が倍になったのが讃岐うどんブームを簡素化した見方でしょう。
ただし、マスメディアに乗って大儲けできる強者が出やすい環境にはなったのかもしれません。

ハイリスク・ハイリターン化だけど平均期待収益率は大幅に下がったといえるでしょう。
とにかく、昔からやってたお店がつぶれやすくなったことは、多くの店主から聞いた感じでは間違いなさそう。

とはいえ、うどんジムにとっては、讃岐うどんブームってのはけっこうありがたいです。
うどん屋の地位の向上には多少つながってると思うし、自分の地域振興に対する考え方を聞いてもらいやすくなってる。
また、売上増につながってるかは不明だけど、とにかく最近、取材を受ける回数が多い。

単純にいうと、讃岐うどんブームで動かれる方は思い出づくりの意味が大きい。
だから安いお店に流れるが、実際は高速道路に乗って来たりしててお金はたくさん使っている。

ただ日々の食事をするだけのお店の立地は絶対的に利便性が高い人の多いところでないといけない。
並のセルフうどんはそれにあたる。

しかし、思い出づくりになるような付加価値を認められるお店なら、立地の利便性はそれほど求められない。

高級フレンチもそうだけど、それと同じ理屈が、100円程度の超有名うどん店にも通ってます。

原則、家賃を払うなら、客単価が低いお店ほど、立地が良くないといけないわけです。
高いお店ほど、腕とPRで、立地が悪くても勝負しようがあるわけです。
単価が低くて、立地が良くないのは、家賃を払ってないからできることで、S級店といわれるとこは、どこも家賃は払ってないでしょう。
今なら、払えるお店もあるかもしれませんが、もともと払って商売をしてたらああいいう形態の商売にはなっていかなかったでしょう。

讃岐うどんブームってのは、あんまりパイを増やしてない競争の熾烈化だから、参入する人ってのは、そうとう心してかからないといけないわけです。
ブームの影響って、プラスはゼロだと思ってた方がいいですよ。

うちで、1~2%が純にブームによるお客さんだと思いますが、ブームによる大手の進出がなければ、3、4割はお客さんが増えても不思議ではないと思いますもん。
ただ、うどん店主の仕事が楽しい仕事になってるのはひたすらブームのおかげだと思います。
うどんジムはつまらん仕事だったら、収入が1.5倍以上になってもやるつもりはないので、ブームは個人的にはありがたい。

ただ、産業政策というか地域政策としては、手放しで良いように言う人がいるのは、ちょっととがめたくなるときがある。