tyokutaka

タイトルは、私の名前の音読みで、小さい頃、ある方が見事に間違って発音したところからいただきました。

最後の砦が堕ちる時(4)ー拒否された世界ー

2009年06月07日 23時09分52秒 | DTP/Web
「再受験を希望される場合は5月末日までに届けを協会へ提出してください」

と不合格通知には書いてあった。
結局、提出しなかった。6月3日に協会から封書が届いた。

「届いていませんので、意志があるなら、提出してください」

と言った内容である。
悲しいかな、大学院まで行った人間である。眼の前にテストがおかれれば受けてしまうものだ。あらためて受験料を払って、不合格になる事を承知で・・・である。しかし、提出する気になれない。
私は、この世界から拒否された人間である。権利は持てば行使したくなる。転職活動で、何の考えも無いまま、私は自らの資格欄にこの資格の名称を書き続けた。そして不採用の通知をもらい続けた。印刷会社にも何度も足を運んだものである。しかし、向こうは勿論、こちらもこの世界に居る人間ではないように思えた。
私の履歴には、資格とか以前に、10年近く、20代の大半が大学や大学院や聴講生などと、学校に深く沈みこんだ経歴をもつ。そしてまた現在は大学の事務を行っている。生活の糧のために入りたくて近づいた世界(DTP)からは遠ざかる一方で、もう相当前に足を洗った大学関係の仕事をしている。そしてまた、月曜日が休日なのを良い事に、古巣の大学のゼミにもぐっている。

結局私は、印刷やデザインの関係から、その経歴を根拠に拒否されたのだ。この事が生活や収入に結びつかず、精神的に追い込まれ、相当苦しい時期が続いたこともある。ようやく抜け出た先は、就職以前に居た場所に近いところだった。

DTPである必要はない。今の私は、今の大学事務の職場で、イラストレーターやフォトショップを使っている。勉強した事は無駄になっていない。完全に金になっている訳ではない。完全な専門職としてDTPの世界に入っていたとしても、長時間勤務、安い賃金に根をあげていたと思う。

いまの仕事は万全ではないが、それなりに合っている。そしてもう、DTPの専門家などという資格もいらないのだ。

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