サイケデリック・ペンタトニック!?

カリメロレコード(架空)の店主の何でもござれの日々の音楽コラム

Soft Machine / NDR JAZZ WORKSHOP

2010年06月10日 09時47分02秒 | 洋楽

久々に発売日が待ち遠しいCDが出た!
最近こればっかり聞いてます。

Soft Machine / NDR JAZZ WORK SHOP

CDとDVDの二枚組み。
1973年の5月17日、ドイツはハンブルグでの演奏を収録。
ブートレグでも出回ってなかった音源と、
まさかのプロショット映像のセットで収録!

いろいろと注目するところはありますが、
流れとしては「6」が発売されたのが1973年の2月(録音自体は72年の末)。
この時のメンツはこの四人。

Mike Ratledge - Electric Piano, Grand piano, Organ, Celeste
Hugh Hopper - Bass
John Marshall - Drums
Karl Jenkins - Oboe, Baritone Sax, Soprano Sax, Electric Piano, Grand Piano, Celeste 

そして、この後黄金期を支えたベーシスト、Hugh Hopper が73年5月に脱退。カール・ジェンキンスとジョン・マーシャルとのつながりから(そしてソフト・マシーンにもかつてゲストで参加したことがある)Roy Babinghtonが新ベーシストで加入。その直後の録音がこの日ということである。

John Marshall - Drums
Mike Ratledge - Electric Piano, Organ, Synthesiser
Roy Babinghton - Bass Guitar
Karl Jenkins - Oboe, Baritone Sax, Soprano Sax, Recorder, Electric Piano

その後この四人で73年7月に「7」が録音され10月にリリースされるわけである。 

加入直後ということも貴重だが、「6」発売直後ということもあり、「7」のメンツで「6」の楽曲が演奏される、その内容/映像は貴重極まりない。

youtubeに発売元のCuneiformが予告編として映像をアップしているのでそれを貼り付けてみます。
 


冒頭の「ファンファーレ~オール・ホワイト」の始まる瞬間。バンドのアイ・コンタクト具合から、思わず早速コチラもぐっときてしまう、最高の流れ。ロイ・バビントンもさすがその筋の名手だけあって、全く違和感なく溶け込んでいる(6弦ベース弾いている!)。

そして予告編の後半には、ゲストが二名参加している。
Gary Boyle - Guitar
Art Themen - Tenor Sax, Soprano Sax

国内盤の坂本理氏の解説を読むとこの日は四部構成で、一部ではソフト・マシーンの四人のみの演奏、二部にはなんとリンダ・ホイルが登場し、演奏をソフト・マシーンが担当(そういえばソロ作の演奏はカール・ジェンキンス全面参加であった)、三部では前任のベーシスト、ヒュー・ホッパーが参加し「1983」を演奏、そして第四部ではゲイリー・ボイルとアート・シーメンの二人がゲストで参加。

本当に残念ながらリンダ・ホイルとの演奏はPAの失敗で残ってないらしい。この録音が残っていたらとんでもない音源の発掘になっていただろうと思うと残念で仕方がない!

※三部の音源は、DVDに音源のみ収録されている。しかし脱退したはずのホッパーが舞い戻って演奏など聞いたこともなく、これも非常に驚きである。

ようするにこのCD+DVDは第一部と第四部を収録したもの。しかもここが心憎いところですが、音源で残っていた部分と映像で残っていた部分が異なっていたようで、CDとDVDそれぞれで微妙に収録内容が異なっており、それぞれ必見/必聴となっている。

映像のメンバーの視線からも明らかにカール・ジェンキンスが中心となっていることが分かる。逆に唯一のオリジナル・メンバーであるマイク・ラトリッジが分が悪そうである。中にはキーボードの弦をドライバーでひっかくなど、映像でみてこその、こんなことやっていたんだ!との驚きの場面も。サウンドはカールとマイクの微妙に異なる繰り返しのラインのポリリズムがひたすら格好良い!そこにボトムを堅実に支えるロイのベースに、縦横無尽に叩きまくるジョン・マーシャルのドラムが実にクール!ジョン・マーシャルのドラムは後期のソフツのサウンドの重要な要だと思うんですが、いかがでしょうか。

そして異例なゲストのアート・シーメンとゲイリー・ボイル。saxのゲストというのも珍しいですが、ここでギタリストのゲイリー・ボイルの参加は興味をひく。ひょっとするとここでのゲイリー参加の手応えが、後のアラン・ホールズワースの参加につながるのでは?と思ってしまう。

「6」収録の楽曲が演奏(一部「7」での楽曲も)されるも、当たり前ですがライブの場ゆえ全然違います。しかも「6」が若干こもったような感じの音像ですが、この「NDR~」はサウンドがオンで非常に迫力がある(もちろんサウンドボードです)!「6」よりも良いです!

さらに「Stumble」なんて「6」では一分三十秒ほどのテーマが演奏されるだけの短い内容ですが、この「NDR~」では7分近くにわたる演奏で収録されており、ゲイリー・ボイルを加えた「これぞジャズ・ロック!」な激烈な演奏が収録されており、私はこの演奏に涙が出る思いでした。それ位格好良い!

「6」が好きな人は何が何でも聞くべし!な内容でオススメです!

またこれから「バンドルズ」や「ソフツ」など、後期のカタログもいよいよ再CD化(20年ぶり?)になるようで、またまたソフト・マシーンが盛り上がること間違いなし!

CD
1. Fanfare     
2. All White     
3. Link 1/Link 2     
4. 371/2     
5. Link 3     
6. Riff     
7. Down the Road     
8. Link 3a     
9. Stanley Stamp's Gibbon Album     
10. Chloe and the Pirates     
11. Gesolreut     
12. E.P.V.     
13. Link 4     
14. Stumble     
15. One Across     
16. Riff II     

DVD
1. Fanfare     
2. All White     
3. Link 1     
4. Soft Weed Factor, The     
5. Link 2     
6. 371/2     
7. Link 3     
8. Riff     
9. Stanley Stamp's Gibbon Album     
10. Chloe and the Pirates     
11. Gesolreut     
12. E.P.V.     
13. Link 4     
14. Stumble     
15. One Across     
16. Riff II     
17. 1983 [Audio]     
18. Encore Improvisation/Stumble Reprise [Audio] 


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ワタナベ(北国))
2010-06-10 20:54:19
こんな音源あったんですね。びっくり。

実は「4」と「5」以降のソフツって、どうも自分の感情の深いところが感動せず、「バンドがこういう風に変化して言ってたんだ」程度の認識しかなかったんですが、

ぐわー。youtubeの映像見てぶっ飛びました。「Fanfare」、めちゃかっこいい。バリトン(ですよね?)のブロウが、ラトリッジせんせいのエレピの音色が、妙にリアルで、ネイキッド・ソフツを原価でドバーっと放出しているようなブツですな。

これを知ってから「5」以降を聴いていれば、もうちょっと自分の音楽人生が変っていたかも(笑)。いや、今まさに変っているのかもしれません!
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Unknown (Matsuoka)
2010-06-10 21:23:57
フフフ。反応してくれると思ってました!
そうそう!これすごく音が生々しくて、ヤバイです。

バリサクのインパクトすごいよね。自分もテナーかと思ってたんだけど、DVDみてビジュアルも含めて効果的に使ってるなぁと。

ものすごく好きなのが「Third」なんだけど、「6」「7」もこれを聞いて改めて聞きなおしてます。またはしばらくまってしまいそう。
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