サイケデリック・ペンタトニック!?

カリメロレコード(架空)の店主の何でもござれの日々の音楽コラム

幸福な時代とどうしようもない閉塞感

2010年02月23日 14時44分34秒 | 邦楽
ミュージック・マガジンから1990年から1999年の
日本のロック/ポップスの名盤ガイド本「THE GROOVY 90'S」が
発売されたので購入してみた。

オール・カラーで353枚の掲載。

数えてみれば、1990年から2010年の間には早くも20年という時間が経過している。
自分も1999年に20歳を迎えた世代で、まさしく90年代は青春時代だった。

ぱらぱらめくってみるだけで、色んなことを思い出し面白い。
もちろん聞いていないのも沢山あるわけだけど、
それも含めてその時代というのがその選盤によって否が応でも浮き彫りになる。

そこで感じたのは、「2000年代とはやはり明らかに違う」ということ。
バブル時代からの享楽的な雰囲気から、世界的な同時代性を獲得し
多用なジャンルが咲き開いた90年代の後半。

バンド、テクノ、ヒップホップ、打ち込み、エレクトロニカ、ポストロック、ノイズなど。

2000年代は音楽自体に新しい展開がなく、局地的には面白い音楽が生まれているけど、
それが大きく広がることは結局なかった。みんながそれぞれに好きな音楽を聴くという、
「個」がさらに突き進んだように思う。

これからどこへいくんだろうか、とどうしようもない閉塞感を感じると共に、
まだまだネットもI-PODもなくクラスのみんなでその時代の音楽を共有することが出来た
最後の幸福な時代が90年代だったのでは」ないかと、この本を読んでみて思った。