「赦された者として」 ヨハネによる福音書 5章1~8節
5つの回廊に横たわっている人々がいました。そこは、ベトザタと呼ばれている間欠泉のある二つの池と、病気を癒やすための湯治場であったようです。ここにいるのは、病気の人、目の見えない人、足の不自由な人、体の麻痺した人たちでした。彼らは、5つの回廊と、物語の後半部分で病気だった人が「もう、罪を犯してはならない」と言われていることから、ユダヤ教(モーセ五書)に属し、罪人と呼ばれていた人々ではないかと思われます。
イエスさんは、38年も病気に苦しみ、罪人と呼ばれて来た人に向かって「良くなりたいか」と尋ねました。すると、彼はこれまで病気のために貧しくされ、底辺に置かれた者たちが繰り広げて来た生存競争について生々しく語りました。それは、ユダヤ教に属して生きている人々、とりわけ貧しく弱い立場にされていた人たちの痛々しいほどの現実でもありました。
イエスさんは、彼に向かって「起き上がりなさい。床を担いで歩きなさい。」と言いました。すると、その人はすぐに良くなって、床を担いで歩き出しました。彼には、ユダヤ教に属して生きのか、イエスさんを信じて生きるのかという、二つの選択肢があるように思います。私たちもまた、罪を赦された者としてどのように生きるのか、その選択が迫られているのではないかと思います。