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新温泉町浜坂にある日本キリスト教団浜坂教会の
牧師日記

正・反・揚・合

2024年05月07日 | 日記

 べーゲルの弁証法は、問題が起こった際に、みんなでより良い方向へと向かうための思考として優れていると思っています。私自身も、多くの問題に直面した際、この弁証法の思考によってどれだけ助けられたか数知れません。

 一般的には、正・反・合として知られているところですが、反と合の間に「揚」というのがあることを学んでいくうちに知りました。下の画像は、「思考と表現の実験室」というサイトさんの「ヘーゲルの弁証法とは?」という頁からお借りしたものです。言葉で説明されるより、画像を見ながらの方が分かりやすかったです、ありがとうございました。画像をクリックすると、サイトへ移動します。

 「揚」とは、「止揚」の略です。この言葉で思い出すのが、滋賀県にある「止揚学園」です。弁証法に当てはめると、世の中は健常者の目線で動いている。これが「A」。しかし、それでは障がいのある人は生きづらい。これが「B」。従って、互いに平等に生きることのできる社会を目指す。これが「Z」。そこに至るまでの過程として、「障がいのある者とない者がぶつかり合って新しい世界を生み出していきたい」との理念に(止揚学園のホームページより)よって歩む。これが、「止揚」。止揚学園の「止揚」とは、ヘーゲルの弁証法を体現する言葉であることが理解できます。

 

 

 このように、ヘーゲルの弁証法が広く知れわたれば知れわたるほど、正・反・揚・合という思考によって、問題解決へのより良い考えが共有できることへとつながります。より良い考が共有されればされるほど、実行に移るのが早くなり、世の中の変革も早くなるというものです。反対に、世の中の変革を妨害するには、問題解決への良い考えが共有されることを妨害すれば良いということになります。従って、妨害への対抗策は、質の高い情報をたくさんの人たちと共有するということに尽きると思います。

 弁証法によって考えると、平和が尊い「A」。しかし戦争が絶えない「B」。より良いものは、停戦と和平である「Z」。そのためには、紛争当事者双方による交渉が必要です「止揚」。しかし、ウクライナでは、ロシアと一切の交渉をしてはならないという法律があり、ロシアと交渉すること自体が犯罪とされています。イスラエルも誰とも交渉しようとする気がなく、アメリカや西洋も同様であり、武器を供与して紛争を煽るばかりであり、日本や韓国もその中に組み入れられつつあります。休戦・和平への道が閉ざされている現状があります。この現状が行き着く先は、先取りの形で現在見聞きしている通りではないかと思います。

 ヘーゲルの弁証法から学ぶことは多いと思う今日この頃です。

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