
世界中の<美>が集まるこの場所で パトリック・ブリングリー著 晶文社2024
読み終わって、良い本だなあと思う本がたまにある。学術書に近いものだったらしっかりした論証だったり、ノンフィクションだったら取材の緻密さだったり、小説は没入感等々。本書は著者の体験をベースにしていて、ノンフィクションというかエッセイというかだが、淡々としていて、そこに美術品や多彩だが濃密ではない人間関係が描かれていて、何とも言えないものを醸し出しているのだ。メトロポリタン美術館は何十回と訪れた。随分いろいろな人をガイドもした。思い出せる作品もあれば、意識したことのない作品も多かった。もう一度、脚を運びたいと思わせる良書。
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