Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

股引かステテコか

2008-01-28 12:22:38 | つぶやき
 ここのところの寒さは、最低気温が毎日氷点下10℃を下回るほどで、久しぶりに「耳が痛い」と感じるところまできていて、降った雪がなかなか溶けずに、仕事にも影響している日々である。それでも犬の散歩にでかけると、ウンチ処理に困るほど地面の堅さは万遍ではなく、道端の一部には軟らかいとろもまだ残っていて、それほど地面の中までは行き届いていないということを知る。

 こんな寒い日の外での仕事となると、ズボンだけではなかなか冷えるものである。そこでズボンの下にもう一枚アンダーウェアをはくのだが、このことをわたしの身のまわりでは「モモヒキ」と言ってきた。しかし、いわゆる股引は股の割れたひも付きのズボン下のことを言い、現在では祭りの際に芸能を演じる人たちがよく利用したりしていて記憶があるだろう。室町時代の職人がはいていた股はば巾(ももはばき)が変化して股引というらしい。したがってわたしが言っているモモヒキは股引ではないのである。「すててこねっと」に写真つきの説明があるが、これによればステテコが正しいのだろう。ステテコにしても股引にしてもズボン下に変わりはなく、すべてモモヒキなどと言っていた自分は、なぜそういう呼び方をしていたのか定かではないが、いずれにしても生家でズボン下のことをそう呼んでいたことから、ステテコもモモヒキだと思い込んでいたわけである。「すててこ」「股引」「猿股」「ぱっち」とさまざまなズボン下について、それぞれの違いは次のようだと言う。

○「すててこ」ズボン下の一種。さるまたより長く、膝の下まであるもの。最近は半ズボン下・長ズボン下・ロングパンツ・フレンチカルソン等の名称で呼ばれている。
○「股引」前述の通り。
○「猿股」腰から股だけを覆う丈の短い男性用の下着。猿回しの猿にはかせていた丈の短い股引が「猿股引」と呼ばれ猿股になったという。
○「ぱっち」朝鮮語のズボンを意味する「パチ」からきた言葉。商品的にはすててこと同じ。

とまあ、「すててこねっと」に依存するとそういうことらしいが、「ステテコは、キャラコ、綿クレープあるいは人絹まどでつくられ、ふくらはぎの長さまでのもをいう。これは、腰を紐やゴムでしめるようになっている。白無地が普通だが、人絹などのものは紺だとか黒、嶋その他の模様のものが使われている。ステテコが流行した理由は、男子は冬でも夏でもズボンをはく、そこで衛生上、じかにはいては汚れやすいところから普及した。また、ステテコは、ゆったりとしていて、しかも足のふくらはぎの長さ程度であったので、夏には好都合であった。また、肌にぴったりつかないのでたいへん着心地が良いということで、多くのひとたちによろこばれた。しかし、一面スマートさがないということで、嫌われるむきがある。」という説明もある。いわゆる現在言われているステテコとはこの表現は異なる。肌にぴたっとこないものを言うから、よく昔の年寄りがアンダーでつけていたものである。現在でも夏になるとステテコ姿の年配の人を見るが、それが本当のステテコということになるのだろう。

 外で1日仕事をする日には、寒さを和らげるためにアンダーに現代のステテコを身に着けるのだが、これは肌にぴたっとくる。寒さ対策には有効と言われるものの、この肌にぴたっとくる肌着、実はあまり暖かさを感じない。下半身はともかく、上半身にぴたっとくる肌着を着けるととくにその印象が強くなる。半袖のアンダーで少し余裕があるもの(Tシャツなど)と、長袖のぴたっとくるアンダーと比較すると前者の方が冷たさを感じない(「暖かい」というわけでもないかもしれないが)。単純に何枚も身にまとい、空間を無くすよりも、肌との間には少し空間を残していた方が暖かいということである。感じ方と体に与える現実は異なるかもしれないが、冷たさを感じることで、気分的に体に影響を与えるということは十分にあり得るのではないだろうか。
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