Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

長寿「長野」とは言うけれど

2008-01-05 14:54:51 | つぶやき
 年末に長寿県長野を示す数字が発表されて、〝男性は平成2年から4回連続で全国1位(79.84歳)、女性も5位(86.48歳)という長寿県の長野。死亡確率でもがんは男性が全国で一番少なく、女性も39位と好成績。ただ、脳血管疾患は男女とも全国1位だ。同県健康づくり支援課は「特別なことは行っていない」としながらも、「16年調査だと、高齢者の就業率(約31%)が全国平均(約22%)より高い。近所や友人の交流も深いので、生きがいを持って生活するのが影響したのかも」と推測する。」〟などという記事も見えた。意味不明の推測である。確かに平均寿命は高いのかもしれない。宴会になると、「長寿長野」を口にする人も多く、誇らしげにしゃべる人もいる。しかし、その数字をみるかぎり、それほど飛びぬけたものではない。最下位の青森県とは3.57歳の違いで、やはり女性の最下位の青森県と1.68歳の違いである。男性の全国平均とは1.05歳の違いということで、そんなにびっくりするような数字ではない。平均寿命の差なんていうのはそれほどないということを示している。もう少し世代別の数字を読み取っていけば、その理由が少しは見えるのかもしれないが、これほど接近している以上無意味かもしれない。

 そんななか、前から言われている自殺者の数である。東北では自殺者数が多いとよく言われる。そういう数字が影響してか、東北地方は軒並み平均寿命が低い。男性のワースト3、女性のワースト3の5/6を占める。そんななか、男性の平均寿命をみると、都市圏は比較的高い。神奈川県の男性は3位(79.52歳)、東京の男性は5位(79.36歳)と高い。そして意外にもそうした上位県は、女性になるとどこも順位では下がる。長野もそうであるが、神奈川県の女性18位、東京の女性28位とあいなる。とはいえ、前述したように女性の数値にそれほどの差はない。1位と最下位の差は、2.08歳。その中にひしめいているから、傾向程度は見えても、1位だからといってそれほど浮かれるものでもない。男性と女性の平均寿命に約7歳ほどの差があるが、結局不慮の事故で亡くなる可能性として男性が多いということもいえるし、戦争世代が少なくなるとともにその差は縮んでゆく。そうはいっても男より女の方が精神的に強そうだから、これが逆転することはないだろう。もし逆転する時代、あるいは小差の時代がやってきたら、それこそが男女平等社会の到来といえるのかもしれない。

 男女という視点でこんな具合に見てみれば、いかに不慮の事故、あるいは自殺者が少ないかによって平均寿命は違ってくる。そう考えれば長野県の男たちは危険に遭遇していない、どちらかというと石橋を叩いて渡るタイプ、なんて言えるのかもしれない。ということで、男性のランキングは「環境危険度」、そして女性のランキングは「まさに長寿を示す」と見たほうがよいのではないだろうか。
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