Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

積雪30センチの世界へ

2008-01-24 20:23:40 | 農村環境


 飯田で13cm、松本で16cmといわゆる上雪であった1/23、前々日に降った雪も残っていたこともあり、地域によってはずいぶんと積雪となっている。そんななかだから「寒い」という体感があるが、今朝駅に向かう道は、路面に残った雪がシャーベット状になっていて、意外に気温が低くないことを知る。ずいぶんと長持ちをする靴を履いて通勤していることもあり、長持ちはしているものの、雨の中を歩くと靴の中が湿ってくる。長距離を歩くと、まるで水の中に入ってしまったのではないか、と思うほどの状態で、それを避けるために歩く場所を選びながら歩く。水溜りはもちろんのこと、なるべくアスファルト上に水気がないところを選ぶわけである。ドライなら関係ないことなのだが、ウェット状態の道ではそんな具合に気を使う。靴を替えればよいことなのだが、履きなれたものだから、なかなかそれができないのと、同じ靴を買おうと思ったが、すでに品物は流通していない。

 この冬、石油の高騰で、暮らしのうえで大きな痛手を負っている人も少なくないだろう。わが家でも据え置き型のファンヒーターの燃料タンクを、一冬に最低2回は補給するところが、今年はまだ一度もしていない。なるべく使わないことにしている。使わなければ使わないで済むのも事実で、会社の暖房温度に比較すれば使わなくても家の中はまだ暖かい方だ。こたつひとつあれば十分という感じで暮らしている。考えてみれば生家ですごした子どものころは、かつての住居だったから隙間風も多かった。その時代に今のようなヒーターはなかったわけで、もちろんその時代の冬は、田んぼでスケートができた時代であった。それで済んだわけだから、家が新しくなったこの時代の建物の中で、それほど暖房を必要と思う方に問題があるのかもしれない。不思議な話は、地球温暖化というのに、より暖かい居住空間を望んでいることである。

 さて、昨日は雪の降るなか、旧高遠町の奥へ足を運んだ。積雪は30センチを越える。そんななかで何かをしようとしても、雨具を着込んでいるわけでもなく、上着は半日もすると水が滴るほどになる。そんな状況だから少し方針転換。後日の仕事の準備に力を入れることにした。ふだんは解らないが、住んでいない家はすぐに解る。30センチも降って雪かきをしていない家は、どう見ても住んでいるとは思えない。合併とともに、集落内の道路の雪かきはどう対応しているのだうなどと考えたりする。住んでいない家が目立つということは、それだけ雪をかく人でも少なくなる。山室川の流れる谷も、奥は深い。山室の中心はまだ口元の方かもしれないが、中心を走る県道から見える範囲だけが集落圏ではない。支流をさかのぼればそれこそ廃屋の目立つ集落があったりする。また、山室川沿いに下ると、やはり集落がある。川辺集落などはそんな集落である。降りしきる雪の中、県道を下った集落で撮したものが写真である。十年ほど前も盛んにこの地に足を踏み入れていたが、ひさしぶりに川沿いまで降りる。十年前と同じように茅葺の屋根の家がいくつか見られる。この風景もあと何年なんだろう、などと思いながら仕事を終える。
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