Soar into the Sky!

トレントの日記

今年の音楽生活

2008-12-31 11:49:23 | *Music
2008 年もいよいよ残すところあと 1 日。

今年の音楽生活はそれなりに充実。精神面でかなり支えになった。やはり "No Music, No Life" である。

強く印象に残っているのは…

ドリーム・シアター 来日公演 (1月15日)

ロジャー・ノリントン & シュトゥットガルト放送交響楽団 来日公演 (1月30日、2月8日)

タワー・オブ・パワー 来日公演 (5月23、25日)

リッカルド・ムーティ & ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 来日公演 (9月16、171823日)

マリス・ヤンソンス & ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団 来日公演 (11月10日)
マリス・ヤンソンス & ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団 NHK 音楽祭 (11月12日)

サイモン・ラトル & ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 来日公演 (11月25、27日)

レナード・スラットキン & NHK 交響楽団 第九特別演奏会 (12月26日)


といったところだろう。


ドリーム・シアターの今回のツアーではたった 1 日だけの日本公演だったが、相変わらずの “超絶パフォーマンス” に気絶しそうなぐらい興奮した。

ロジャー・ノリントン & シュトゥットガルト放送交響楽団によるベートーヴェン 交響曲第三番「エロイカ」 は、自分史上最も “英雄” らしい “英雄” だった。メンデルスゾーン バイオリン協奏曲もまた名演であった。ジャニーヌ・ヤンセンの奏でるバイオリンの繊細さ、奥行の深さ、全てに魅了された。

実はサントリーホールでの公演の後、急遽ミューザ川崎の公演も手配して聴いたのだが、そこで演奏されたブラームス 交響曲第一番も忘れる事の出来ない熱の入った名演であった。そして、ベートーヴェン ピアノ協奏曲第四番も実に良い味を出していて、小菅優の真心こもったピアノに、優しいお祖父ちゃんが見守っているかのようなオーケストラのサポート。滋味の極みであった。

タワー・オブ・パワーは今年バンド結成 40 周年。ブルーノート東京での記念ライヴのあのホールの一体感は最高だった。

そして、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団については、もう何も言葉が必要無いかもしれない。

これら世界最高峰オーケストラ、そしてそれらを率いたそれぞれのマエストロ達はまさに職人芸を披露して存分に楽しませてくれた。

中でも、毎年来日し、欠かさず楽団長講演会や公開リハーサルなどを開催してくれるウィーン・フィルには感謝したい。

来年も元旦から恒例のニュー・イヤー・コンサートで絶品のワルツを聴かせてくれるのを楽しみにしている。特にダニエル・バレンボイムが初めて振るだけに、どんな世界が広がるのか興味津々である。


という訳で、今年も音楽に励まされた一年だった。まさに音楽は生活の礎。
来年も引き続き良い音楽生活を送れたら良いなと思う。




スラットキンの第九 <BS hi 放送分>

2008-12-29 22:40:01 | *Music
レナード・スラットキン指揮、NHK 交響楽団による 『ベートーヴェン「第9」演奏会』。

昨日、NHK BS hi にて 12 月 23 日の演奏会の模様がノーカットで放映された。

僕が実際に NHK ホールで聴いた 26 日の演奏会と比較して、全体的にわずかに速めのテンポで、抑揚も抑え気味だったように思う。細部の詰めが甘いと思える箇所も散見された。

この 『ベートーヴェン「第9」演奏会』 シリーズの初日だったからか、まだスラットキンと N 響が互いに馴染み切っていないという感じだった。

でも、だからといって 「×」 という訳ではなく、そのストレートな表現は十分感動的な演奏だったと思う。オーソドックスだが “商業的” な嫌らしい匂いがしないところが良い。

素直にこの名曲の良さが味わえる演奏だったと言えるだろう。

ただ、僕が聴いた 26 日の方が更に良かった。そちらを収録して欲しかったなぁ。

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なお、この演奏会の模様は NHK 教育テレビでも再放送される。

N響 “第9” 演奏会
  12月31日 20:00~21:20

スラットキンの第九

2008-12-27 07:30:22 | *Music
昨日は NHK ホールにて、レナード・スラットキン指揮、NHK 交響楽団の演奏会。

僕にとって今年最後の “第九” 演奏会。

前日・前々日と、ギュンター・ノイホルトという意味不明の指揮者が、この人類の至宝である珠玉の名曲を完全に冒涜した瞬間を目の当たりにしてしまった為、少し感傷的な気持ちで NHK ホールに入った。

いつも思う事だが、NHK ホールなんてオーケストラの演奏会などには使って欲しくないような音響的にデッドな空間。

でもやっぱり N 響の、しかも第九演奏会の集客力は凄い。毎年来ているが、毎回あんなに一杯にしてしまうのだから、あのホールの収容力じゃないと無理なのだろう。

ちなみにデッドで良い面が無い訳ではなくて、例えば観客の出す咳やその他ノイズが響きにくいため、より音楽に集中出来たりする一面もある。

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閑話休題。スラットキンの第九だが、これが実に感動的だった。

いや、はっきり言ってコバケンの演奏ように味の濃いものではなかったのだが、テンポの取り方、抑揚の付け方などが僕の好みにピッタリ合致。

よくツボを押さえた名演だったと思う。

各楽章で何度も涙してしまった。こんな事は初めて。

ゆったりめのペースで、彫の深い、深みのある第一楽章。

天国的な、いつまでも浸っていたいと思わせる第三楽章。

そして、前半ゆったりと、がっしりとした大きな構えで進み、クライマックスでは天に昇るが如くまっしぐらに進んで行くさまを見事に表現した第四楽章!

いやぁ、素晴らしかった。

今年の締めくくりに相応しい演奏会であった。

アメリカ人の指揮者には深みを期待していなかったのだが、スラットキンは一味違うなと直感した。

良い年を迎えられそうである。


ノイホルトの第九 <2>

2008-12-25 23:59:59 | *Music
今夜はサントリーホールにて、ギュンター・ノイホルト指揮、読売日本交響楽団の演奏会。

昨晩、東京芸術劇場で聴いて失望したコンビ。

期待していなかったが、やはり予想通りの展開だった。

やはり最悪。

素早く単に通り過ぎただけという、何の深みも感じない第一楽章。

さらに素早く駆け足で過ぎ去った、美しさのかけらも無い一本調子な第三楽章。

こんな美しい音楽を、ここまで汚く出来る才能に閉口する。

思うに、この指揮者は第四楽章が勝負だと考えているのだろう。浅はかにも程がある。

昨日も書いたけれど、オーケストラ、ソリスト、合唱団は素晴らしいだけに、本当にもったいない。

嗚呼、せっかくのサントリーホール公演が…。

ちなみに今日は “ブラボーオヤジ” がいたが、どうせ叫びたかっただけだろう。直後に叫ぶ奴の神経なんて大抵そんなもんだ。


ノイホルトの第九

2008-12-24 21:37:42 | *Music
今夜は東京芸術劇場にてギュンター・ノイホルト指揮、読売日本交響楽団の演奏会。

まず、結論から言おう。

自分史上最悪。

嗚呼。

第一楽章からもう、全く深みもへったくれも無い展開。

とにかく急かすように素早く駆け抜けた。

これ、カラヤンよりも酷い。

カラヤンの最後のデジタル録音など、さしずめスポーツカーに乗る感覚で “流麗さ” だけを求めたような全くベートーヴェンには相応しくない演奏に聞こえていたが、今日の演奏会と比べると余程マシなくらいだ。

そんな展開が見えた段階で、もう聴く気が失せてしまった。

第三楽章も同様で、何故この指揮者はこうも行き急ぐのか?

あの、世にも美しい変奏曲がまるでコンピューターによる演奏のように淡々と素早く通り過ぎた。

コイツ、第九を全く理解しとらんな。

オーケストラにしろ、ソリストにしろ、合唱団にしろ、指揮者以外のポテンシャルは高かっただけに、非常に残念!


くぅ。

これ、なんだろう?

2008-12-24 14:35:51 | *PC Computing

個人的に UMPC の本丸と考えるソニーがいよいよ Atom 機投入か?

先ほどソニースタイルより、「【号外】VAIO New Mobile Coming Soon?!」 という subject のメールが配信された。

この Flash を見ると、どうやらかつての VAIO C1 シリーズのようなスタイルに見える。

富士通の新しい LOOX U やデルの Mini 12 を買おうと思っていたが、このソニーの新製品のためにお金を貯めておこう。

VAIOパーソナルコンピューター (ソニー)

広上の第九

2008-12-19 23:59:59 | *Music
今夜はサントリーホールにて広上淳一指揮、新日本フィルハーモニー交響楽団の演奏会を聴いた。

まず第一に再認識した事は、コンサート・ホールも重要な “楽器” であるという事実。

サントリーホールはそりゃもちろんウィーンのムジークフェラインザールにはだいぶ劣るだろうが、国内有数の響きの良さだと再確認した。

昨日の東京芸術劇場は正直 「楽しめないホール」 だ。僕が聴いた座席は普通に考えると “スウィートスポット” に近い位置だった筈なのだが、ホールのそもそもの響きの薄さもあり、直接音の比率が高すぎて長時間聴く気になれない。

今になって思えば、昨日の第三楽章が必要以上に安っぽく聞こえたのは音響的なものが大きいのかもしれない。

アコースティックばかりではない。

建築物としての美しさ、居心地の良さ・雰囲気、シートの座りやすさ、言うまでもなく全てにおいてサントリーホールが圧倒的に優れている。これらは音楽に対峙する気持ちにも大いに影響を与えるのである。

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さて、広上淳一の指揮、そして新日本フィルの演奏は初めて聴いたのだが、なかなか良かった。

昨日のコバケンとは異なり、第一楽章は基本的に抑え目のテンポで丁寧に綿密に、ときに激しい葛藤を繰り広げる、といった、緩急自在の表現。理想的、とまでは言わないが、それなりに雰囲気は出ていたように思う。

第三楽章も、僕が期待したい雰囲気はある程度醸成されていたように感じた。コバケンの場合はともすると一本調子になりそうな演奏になってしまっていたが、弦セクションの力量の差もあるのだろうか、今日は比較的繊細な音が聴けた。もちろん、もっともっと繊細でしなやかで、かつまろやかな音を期待したいところだが、それはウィーン・フィルかロイヤル・コンセルトヘボウに任せるしかなさそうだ。日本のオーケストラとしては悪くないレベルだったと思う。

第四楽章はコバケンの表現の方がこの楽章に合っていると思った。緩急自在のコバケンに対し、スムーズな流れを重視する広上、といったところか。しかし、相手がコバケンだからスムーズに感じただけであって、今日は今日でこの楽章の特色をよく浮き彫りにした名演奏だったと思う。

あえて勝敗を付けるとすれば、ホールの良し悪しも含めて、広上淳一 & 新日本フィルの勝利ということになろう。

ソニーの行く末 ─ 大切な資産の切捨て

2008-12-19 17:52:24 | *Audio/Video
昨日発売の週刊文春

「ソニー神話」 かく破れたり』 と、またもやセンセーショナルなタイトルが踊る。

10月末にもやはり同誌で取り上げられていたが、今回の記事はその延長線上にある。

先日、ソニーが国内外で 1 万 6,000 人ものリストラ策を発表したが、単にそれが例の “未曾有の経済危機” に端を発したものとは片付けられない事がわかる。

前 CEO、出井伸之の残した置き土産はとんでもない地雷だった。


ドレスデン国立歌劇場

2008-12-19 13:43:38 | *Music
来年 4 月末に来日する、シュターツカペレ・ドレスデン

今回のプログラムはリヒャルト・シュトラウスの楽曲がメインで、あまり気が進まなかったが、このオーケストラを聴き逃す訳にはいかない。

先週から座席の事前予約が始まり、昨日当選連絡があった。

取ったのは 5 月 1 日のサントリーホールでの公演で、リヒャルト・シュトラウスの作品の中でもまだ許せる、かつ結構好きなアルプス交響曲が組まれている。

まだ大分先だが、楽しみにしておこう。

コバケンの第九

2008-12-18 23:59:59 | *Music
小林研一郎指揮、日本フィルハーモニー交響楽団の演奏会が池袋の東京芸術劇場で開かれた。

メインディッシュはもちろん、ベートーヴェン 交響曲第九番 『合唱』

コバケンの指揮は噂通りというべきか、“熱い” ものだった。あれだけ声を出し、体を揺すってタクトを振る指揮者を初めて見た。

音楽の内容はというと、やはりその熱さが先行してか、一言で言うと線の太い表現だったように思う。

この楽曲で最も大切な第一楽章は、もう少しテンポを緩めて掘り深く、心臓をえぐり取るような表現が欲しかったし、第三楽章はもっと神がかり的な、神々しい雰囲気があって良かった。

まぁ、この辺はオケの実力との兼ね合いだが、もう少し丁寧な、繊細かつなめらかな描写があっても良かったように思う。いかにも荒削りな場面が多くあった。

しかし、第四楽章になるとそれまでの楽章における未完成感は不思議と鳴りを潜め、まるで水を得た魚のように、抑えるべきは抑え、歌わせるところは歌わせ、飛ばすべきは思い切り飛ばす、というメリハリの効いた明快なものだった。ゴーダのスピードがぐんぐん上昇して行くさまもなかなか良かった。

とりわけ感激したのは、ゴーダ最終部で小林が客席上方を指差し、「このまま神の世界に突入するんだぞ!」 とオケに指示していた一幕。

そうそうその通り!この曲の最後、そしてその続きはもう、神のみぞ知る世界なのだ。

オケもそれに応えるようにぐんぐんスピードを増し、最後は圧倒的な音響で幕を閉じた。

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最後にやはり浮き彫りになるのは、 『第九』 はどんな演奏を聴いても結局は感激・感動してしまう、希代の名曲であるという事実。

ベートーヴェンの精神世界にまた一歩、近付けたような感慨に浸る。

さぁ、明日のは新日本フィルハーモニー交響楽団の 『第九』 @サントリーホールだ!