Soar into the Sky!

トレントの日記

歌舞伎 Meets HD

2008-09-30 22:57:49 | *Audio/Video
先日、銀座ソニービルで 「ソニーで感じる 『シネマ歌舞伎』 展 ~ハイビジョンで巡るシネマ歌舞伎の舞台裏~」 を見て来た。

歌舞伎の世界をハイビジョンで捉えるという 「シネマ歌舞伎」 の舞台裏を紹介しているイベントである。

ロビーにはソニーが誇るデジタルシネマカメラ F23 が展示されていた。「シネマ歌舞伎」 の一端を担う、ある意味での主役である。

2/3 インチ撮像素子のカメラであるが、HDCAM-SR レコーダー SRW-1 を背負っているせいもあって、ENG カメラとは全く趣が異なり、迫力さえある。








このカメラで捉えられた映像の一部が会場で流されているが、再現される精緻な映像にはやはり目を見張るものがある。

歌舞伎の色彩美も余すところ無く収録されていた。

感動!

イヤフォンの使いこなし

2008-09-28 22:59:04 | *Audio/Video
ジルコニア筐体の珍しいイヤフォン、パナソニック RP-HJE900

オーディオ的な素性は悪くなさそうなのだが、装着には問題がありそうだ。使っていて徐々に判って来た。

インプレス AV Watch のこの記事を事前に読んで 「そんなに外れやすいのか?」 と思っていたのだが、実際やはり問題はあった。

僕の場合はイヤフォンが抜け落ちるような事には至っていないのだが、どうも装着した時にしっくり来る確率が低い。

耳穴に挿し込んで何度も深さや角度を調整してみてもなかなか安定してくれない。

イヤフォンの装着の不安定さは即ち音質低下に直結する。

聴き慣れたアルバムを流しながら、たまたま良いポジションにうまくはまる事もあれば、全く納得行かずにイラついて他のイヤフォンに換えて終わる事もある。

付属のイヤー・チップではいずれのサイズも納得行かないので、困った時の神頼み、ソニーのイヤー・チップに交換したところ、大正解。僕の場合は M サイズがベストで、装着感はかなり安定し、かなりラフに装着しても毎回同じような音質が得られるようになった。

もちろんメーカーが異なる訳だし、使用の可否についてメーカーが言及している訳でもないのでその辺は注意が必要だが、僕が試した限りではソニーのイヤー・チップは RP-HJE900 にぴったりフィットしているように見える。

ソニーのイヤー・チップを使用した際の音質傾向は、若干低音域が膨張してボンつく所謂 “パナ音質” が顔を出す。これによって全体的に篭った印象の音質になった。残念な事にジルコニアの輝きが失せたのだ。

これは、パナソニック純正のイヤー・チップよりも耳穴に良くフィットして密閉度が上がった故の事象ではないかと思う。

もちろん以前の RP-HJE70 と比較すればだいぶマシだが…。

これを改善するために、イヤー・チップのどこかに空気を抜く小さい穴を開けてみようかと思案中である。

掘り出し物

2008-09-25 20:12:13 | *Audio/Video
先日現状渡しの中古品を入手した、英ヴィンテンの放送業務用三脚 Vision 11

今回入手したヘッドとアルミ脚のシステムは、新品で買うと 60~70 万円もする高価な三脚である。メーカー点検済み中古品でも 50 万円はするだろう。

今回は新品の約半額で入手。

現状渡し品なので、きちんとスペック通りの性能が出ているか判らない状態での購入だったが、届いた物をチェックする限り、大きな問題は無さそう。外観も目立つような傷が無く、恐らく屋内のスタジオで利用されていたものではないか?

パン方向のドラッグが若干軽めな気がするのと、チルト方向のロックが緩く、かなりきつく締めなければならないが、まぁ、風景撮影なので基本フィックスだし、パーフェクト・バランス・システムもあるので、俯瞰や仰角で撮っていてもカメラが動いてしまう事は無いだろう。

後日メーカーにオーバーホールに出すとしても 7 万円程度と思われるので、合計で 40 万円。整備済みの中古品より 10 万円も安い。かなりの掘り出し物と言える。

なお、ヘッドと脚の組み合わせで購入したが、僕が欲しかったのはヘッドのみ。今回一緒に入手したアルミ脚は使わずに、手持ちのジッツォ GT3540LS を利用する。



GT3540LS に 100 ミリ・ボール・アダプタを介して載せてみた。GT3540LS の脚がどちらかというと細身なので、ヘッドが頭でっかちになってしまうかなと思ったが、意外にバランスは良さそう。



ちなみにこの Vision 11 にはデジタル・カウンターがあって、パーフェクト・バランス機構の設定状態が直読出来るようになっている。こうした機構が付いているのはヴィンテンでも上位機のみ。ちょっとした優越感。

写真でも判るように、このカウンターの右横に小さな白いドットがある。何かというと、明るさを測る光量センサー。これで周囲の明るさを見て、カウンターの LED の明るさを何段階かで変化させる。英国メーカーとは思えない芸の細かさである。

写真では判りにくいが、このカウンターを動作させると同時にチルトとパンのドラッグ調整ノブや、水平器の照明も点灯する。暗闇での操作を考慮した設計となっている。

- - - - -

ところで、僕がヴィンテンに拘る理由は、放送業務用の定番で高性能だからという理由だけでなく、ヘッドが軽い事にある。

日本のダイワ DAIWA 15 などは安くて高性能で魅力だが、ヘッドの重量が Vision 11 より 1 キロ以上重いのだ。ちょっと残念なポイントである。

わざわざジッツォのカーボン三脚と組み合わせているのも、とにかく軽くして持ち運びを楽にしたいというのが主眼にあるから。

たまっていたもの

2008-09-24 23:59:59 | *Diary
今日、夏休みが明けて久々に会社に行ったら、色んなものが届いていてメール・ルームに溜まっていた。

Eee PC 用 US 英語キーボード (交換用パーツ)
└→ 手持ちの Eee PC 901-X を英語キーボード化するために購入。

ThinkPad W500 用 US 英語キーボード (交換用パーツ)
└→ 近い将来、多分購入するであろう or 購入したい ThinkPad W500 のために、とりあえずパーツだけ確保(笑)。

デル Inspiron mini 9 (ノート型 PC)
└→ デルが放つネットブックとは如何なるものかを確認したくて購入。

ヴィンテン Vision 11 (放送業務用ビデオ三脚システム)
└→ 現状渡しの中古品を見つけて購入。本当はワン・ランク下の Vision 8 を探していたが、中古市場にめったに登場しない Vision 11 にたまたま遭遇して即買い。



Vinten Vision 11

ウィーン・フィルハーモニー イン 東京 ─ チャイコフスキーにハマる

2008-09-23 22:58:58 | *Music
ウィーン・フィルハーモニー ウィーク イン ジャパン 2008 東京公演が今日でいよいよ最終日となった。

今日の演目は以下の通り。

◇ ロッシーニ: オペラ 『セミラーミデ』 序曲
◇ ストラヴィンスキー: ディヴェルティメント - バレエ 『妖精の口づけ』 による交響組曲
◇ チャイコフスキー: 交響曲第 5 番 ホ短調 op. 64

<アンコール>
◇ ヨーゼフ・シュトラウス: ワルツ 「マリアの調べ」 op.214


まず、ロッシーニは雰囲気いっぱいで素晴らしかったし、初めて聴くストラヴィンスキーの組曲も、この作曲家らしい色彩美が存分に感じられて非常に良かった。そこにはやはりウィーン・フィルの奏でる音色がベースにあって、その上で音楽が生命感をもって再現されたという印象だった。

そして本日のメイン、チャイコフスキーである。

結論から言うと、まさに最高といえるものだった。

前半と同じオケなのか?という程ダイナミック・レンジが広がって、繊細でしなやかでまろやかで且つ豪快で、陰影に富んだ素晴らしい演奏であった。

今日のムーティの指揮は、奇麗ごとで終わらせない、楽曲の真の表情を浮き立たせた非常に明快なものだったと思う。

これは予想していた事だが、今日のために聴き込んでいたムラヴィンスキーとレニングラード・フィルハーモニー管弦楽団来日時のライヴとはまた違ってナイフのような切れ込みこそ無かったが、ウィーン・フィルの持ち味であるまろやかさやしなやかさが自然に楽曲の性格にマッチし、違った角度から生命を与えたように感じた。

東京公演最後で甘美なだけではなく熱い情熱的な時間を過ごす事が出来、大変有意義であった。

なお、アンコールは待ってましたのシュトラウスのワルツである。

これこそ本物!という雰囲気たっぷりの演奏を堪能してウィーン・フィルハーモニー ウィーク イン ジャパン 2008 東京公演は名残惜しくも幕を閉じた。

なお今日の演奏会は NHK が収録していたので後日テレビと FM ラジオで放送される予定との事。今日の演奏がまた味わえるのかと思うと嬉しくてしょうがない。要チェック。

Eee PC 901-X 英語キーボード!

2008-09-22 20:54:12 | *PC Computing
ASUSTek の Eee PC 901-X は現時点で最もバランスの良い “ネットブック” だと思う。

唯一、問題があるとすればキーボード。

一部小さくて打ち辛いキーがあるというネットブックの宿命的な問題を除けば、キー配列に “嫌な” 癖が無く、悪くはないのだが、これが US 英語配列だったならどれだけ良かった事か。

実際、僕は北米のコンピューター・ショップから英語版の Eee PC 901 を直輸入する一歩手前だった。

ところが先週、US 英語配列のキーボードがバルク・パーツとして入手可能である事を知った。もちろんメーカーの保証は無いが、簡単に自分で換装作業が行えるとの事。

もちろん即購入。明後日には手元に届く。

いやぁ、こうなるともう最強ですよ、Eee PC 901-X。

ちなみに明後日にはデルのネットブック Inspiron mini 9 (US 英語キーボード仕様) も手元に届くのだが…(笑)。


伝説のライヴ ─ チャイコフスキー交響曲第 5 番

2008-09-22 16:37:17 | *Music
チャイコフスキー: 交響曲第5番
エフゲニー・ムラヴィンスキー指揮 レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団

ALTUS

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明日 23 日は ウィーン・フィルハーモニー ウィーク イン ジャパン 2008 の東京公演最終日。

最後の演目としてチャイコフスキー交響曲第 5 番が予定されている。

普段チャイコフスキーは殆ど聴かないのだが、明日の演奏会に備えて聴き込んでいる。

当然この曲の音源は数多出回っているが、このムラヴィンスキー来日時のライヴほど凄まじい演奏も無いのではないか? 細部に亘って楽曲の表情をえぐり出す。

悔やまれるのが録音品質だが、それを補って余りある演奏の切れ込み具合だ。

ムーティが指揮するウィーン・フィルの演奏は恐らくこの対極に位置するものとなるのではないかと予想しているが、まろやかな中にも強いドライヴ能力を秘めているウィーン・フィルのこと。今からどんな演奏になるのか楽しみで仕方ない。

今夜はよく寝て明日に備えよう。

ウィーン・フィルハーモニー イン 東京 ─ イタリアの甘美の世界

2008-09-18 23:59:59 | *Music
ウィーン・フィルハーモニー ウィーク イン ジャパン 2008 東京公演 2 日目の今日は、アンコールまでイタリアの作曲家で固められた一日だった。

…と、今日の演奏会の感想を色々書いていたのだが、誤ってブラウザの "BACK" ボタンを押してしまい、まっさらに…。もうフテ寝である。

とりあえず曲目だけ。

◇ ヴェルディ: オペラ 『ジョヴァンナ・ダルコ (ジャンヌ・ダルク)』 序曲
◇ ヴェルディ: オペラ 『シチリア島の夕べの祈り』 からバレエ音楽 「四季」
◇ ニーノ・ロータ: トロンボーン協奏曲
  (トロンボーン: イアン・バウスフィールド ウィーン・フィル首席奏者)
◇ ニーノ・ロータ: 映画 『山猫』 の音楽から

<アンコール>
◇ プッチーニ: 歌劇 『マノン・レスコー』 から間奏曲


予想していた事だが、同じイタリア人であるリッカルド・ムーティと楽曲の相性は良く、やはり今日も甘美なひと時を過ごす事が出来た。

次はいよいよ東京ラスト、23 日である。

ちょっといい話 ─ ホンダと白血病の少年

2008-09-18 12:36:06 | *Diary
久々に泣けた。

静岡県立こども病院に急性リンパ性白血病で入院中の小学 6 年生の少年の希望に、ホンダ・レーシング F1 チームが応えた─


実はこのニュースの見出しを初めて見た時は 「どうせホンダの広報・宣伝活動なんだろ?」 と思っていたのだが、事の顛末を聞いて驚き、ここに書き留めずにはいられなくなった。

その少年は 9 月 15 日、危篤状態から回復したばかりだった。彼の夢は、将来 F1 に関わる事。

その日たまたま静岡県立こども病院を訪れていた病気の子供の夢をかなえるあるボランティア団体がそれを知り、本物の F1 マシンを少年に見せてあげようとその日のうちに早速対応を開始した。

まず打診したのがモーター・スポーツを取り扱う雑誌の編集長だった。

その編集長はすぐに自身の情報網から関係先を当たるも、厳しい状況だった。そこで編集長は 「ホンダに連絡してみてはどうか?」 とボランティア団体に紹介した。

翌日、ホンダに連絡を取るも、F1 担当者は不在で全く連絡が取れなかった。(連絡が取れなかった理由は後に明らかになる。)

夜になっても連絡が取れず、やはりホンダのような大企業が一人の少年のためなんかに動いてはくれないのだろうと諦めかけていたところだった。

夜 7 時になってようやく連絡が取れた。すると、予想に反してホンダの対応は前向きなものだった。

そのわずか 20 分後、ホンダから 「ぜひやりましょう。明日やりましょう。」 との驚くべき連絡が入る事になるのだが、そこで夜まで連絡が取れなかった理由が明らかになる。

先週末開催されていたイタリア・グランプリが終わり、その帰路に就いて機上の人となっていたのだ。

夜 7 時、成田に到着した F1 チームは本社からの連絡を受け、その場ですぐ検討を開始し、対応を決定したという。

普段ならそのまま解散となるところ、チームはその足ですぐに本社に向かい、詳細を詰めた。

翌 17 日、チームは朝から東京・東雲で準備を開始。午後 1 時に東雲を出発して予定通り 3 時に静岡県立こども病院に到着した。

ホンダ F1 担当者が実際に動き始めてから実に 24 時間以内の出来事である。

体調が思わしくなく (危篤状態から回復したばかりなのだから当然だ) 実際にコックピットに座る事は叶わなかったが、実物の F1 マシンを目にし、少年は涙を流して喜んだという。


F1 マシン (HONDA RA107) と対面する少年 (写真: 毎日新聞)


ウィーン・フィルハーモニー イン 東京 ─ 楽団長とムーティと弦楽四重奏

2008-09-17 23:59:59 | *Music
ウィーン・フィルハーモニー ウィーク イン ジャパン 2008、今日は クレメンス・ヘルスベルク楽団長講演会 だ。

講演のテーマは第一部 『カラヤンとウィーン・フィル』、第二部 『ウィーン・フィルハーモニー協会創立 100 周年を迎えて』。

合間にウィーン・フィルの精鋭による弦楽四重奏曲が織り込まれ、知的欲求ばかりでなく、芸術的欲求も満たされ、非常に有意義な時間であった。

講演で興味深かったのはやはり第一部。

カラヤンはウィーン・フィルと最も長く仕事を共にした指揮者だが、何もずっと良好な関係だった訳ではなく、関係が悪化した時もあったという。

その辺りの事情を楽団長から直接話を聞くにつけ、カラヤンとウィーン・フィルの距離感をとてもリアルに感じ取る事が出来た。

そして楽団長が繰り返し言っていたのは、カラヤンはとかく傲慢で独裁的だったと言われるが、そんな事は決してなかったという事。

音楽的に長けていただけでなく、楽団員とのコミュニケーションにも気を遣い、円滑に仕事を進められるような配慮も欠かさない人柄の良い人物だったという。

途中、ゲスト・スピーカーとして今回のツアーを率いる リッカルド・ムーティ もそこを強調していた。

ムーティからは、「パブリックの前で喋るのは初めてです」 という貴重なカラヤンとのエピソードも聞く事が出来、大変興味深かった。カラヤンの存在がすぐそこに感じられるような気がした。

僕自身、実はカラヤンの音楽や人間性や哲学に疑問を感じている一人であるが、ウィーン・フィルがカラヤンと良好な関係を築いていた事にこれだけ誇りを持っている事を知り、もう少し違う角度からカラヤンの存在を再考する必要があるのかな、と思った次第である。

しかし、こんな面白いプログラムを毎回用意してくれるウィーン・フィルに、改めて心から感謝したい。