JR 全社切っての稼ぎ頭といえば、山手線。ご存知だろうか?
山手線の営業係数、つまり 100 円稼ぎ出す為に必要なコストはわずか 40 円前後と言われる。日本一の超優良路線だ。
東京の通勤・通学シーンの顔とも言うべきこの山手線が、ここ数ヶ月の間に 2 度も周辺の工事ミスで運行を一部、または完全に停止せざるを得ないような事態となっている。
のんびり出社の今日 (厳密には昨日)、西日暮里のホームにちょうど滑り込んできた山手線に乗り込んだところまでは良かったが、何故かなかなか出発しない。
じきに車掌からのアナウンスがあって、「ただいま高田馬場駅付近におきまして、湘南新宿ラインが線路から異常音を確認したため、緊急停止信号を発報致しました...」との事。
JR の運行ルールでは、緊急停止信号が発せられると隣接する線路上の列車も全て緊急停止し、安全確認が完了するまで出発出来ない事になっている。(以前 JR 西日本の路線で人身事故被害者救援作業中のレスキュー隊員が、隣接する線路を走って来た特急電車にはねられ死亡した事故があった。)
湘南新宿ラインは池袋─新宿間において山手線と併走する埼京線区間を利用している。つまり、山手線も緊急停止を余儀なくされる訳だ。
10 分ほど待ってみて状況に変化が無かったため、僕は地下鉄と JR 中央線を駆使して新宿までやって来た。新宿に到着した時点でも山手線は完全に止まっており、改札口には人が溢れていた。
「ん、これはただ事では無いな」と思っていたら、やはり線路周辺の工事におけるミスで、線路が約 50 メートルに渡って最大 6.6 センチ (当初の発表は約 5 センチだったが後に訂正された) 盛り上がっていたという。
約 6 時間もの間完全に停止するという重大障害は復旧後も尾を引き、会社帰りの山手線でも問題の発生した新大久保─高田馬場間の現場を通過する際には徐行運転 (時速 45 キロ以下と思われる) を行う処置を採っていた。明日も引き続き同様の処置が採られる模様だ。
僕は山手線が好きだ。これほどまでに緻密な計画の下に運行されている通勤電車というのは世界でも例を見ない。いつでも頼りになる存在であるはずの山手線なのだから、今後はこういうつまらない障害を起こさぬよう、万全を期してもらいたい。
今後も東京の顔として頑張れ。