今再びフラッシュ・ライトが熱い。
早い話が懐中電灯なんだが、ただの懐中電灯ではないのですよ奥さん。
ここで熱いのは、手のひらに収まるほど小型ながら非常に明るいタクティカル (戦術) ライトと呼ばれるライト。
元々 SWAT などが常時携帯する事を想定して設計されており、暗闇を照らし出すというごく普通の使い方だけでなく、敵とばったり出くわしてしまった時など至近で相手の目に向けて照射して確実に敵の目を眩ませる事も出来る。相手の目には光源が焼きつき、短時間視界を奪い行動を制限させる事が出来るだろう。その間に相手を確保したり、現場から離脱して自身の安全を確保したりという事が可能になるという道具だ。
このようにホールドする
要は「小粒でピリリ」というライト。
数年前までこの分野では
SUREFIRE (シュアファイアー) というアメリカのメーカーさえ知っておけば何の不自由も無かった。今でもその作りの良さから非常に高い人気があり、デファクト・スタンダードなのは確かなのだが、徐々に裾野が広がって来た。
その一大要因がご存知
LED テクノロジーの急激な進歩だ。
「LED ってぇとあれかい?電源スイッチの横にチョコッと付いていたりするようなあのランプのことかい?」
えぇ、そうですとも。LED は今までのようなインジケータ用途だけでなく、ライトや屋内照明に利用できる程高い輝度が達成出来るようになったのだ。
前述の
SUREFIRE 製品の光源は数年前までクセノン球だけだった。もちろん明るさは必要十分だった (というかその小ささでそれ以上明るい光源は他に無かった) のだが、何せ電球なので大きな衝撃を与えるとフィラメントが切れて点灯しなくなるというトラブルもまれに発生するような意外にデリケートな製品だった。
そして数年前から
白色 LED が広く低コストで利用出来るようになり、同時に高輝度化されて行く。フラッシュ・ライトの光源として注目されるようになったのは必然と言える。
白色 LED の色温度は 5000~6000K であり、太陽光に近い。クセノン球を始め、電球の色温度は 3000K 前後である。白色 LED はライトの光源としてより相応しいのだ。
また、LED は長寿命で高効率という画期的な特徴を持つため、一般の懐中電灯をはじめ本格的なタクティカル・ライトに至るまで瞬く間に LED 化されて行った。市場も広がって、現在でも参入メーカーがどんどん増加しているような状態だ。
このフラッシュ・ライトの新たなトレンドの先鞭をつけたのは実はある一つの新興 LED メーカーだった。アメリカの
Lumileds (現在はオランダの
フィリップス 傘下になって
Philips Lumileds) だ。
彼らの
LUXEON 製品群は他社製品と比較して一際高出力。一気に「照明としての LED」の可能性が広がったのである。
そしてかの
SUREFIRE もついに
Lumileds の白色 LED を光源に採用、今では製品ラインアップの約半数が LED 光源化されるに至る。
まさに快進撃だ。
僕はこのまま
Lumileds が新しい時代のフラッシュ・ライト光源を一手に担い、ずっと市場を牽引して行くものと思っていたのだが、最近新たな‘刺客’がやって来た。
それが同じくアメリカの
CREE だ。
Lumileds はそれまでの LED のイメージとは次元の違う明るさで我々を驚かせたものだが、
CREE の LED はさらに明るい。そして効率が良い。
CREE の
XLamp は現在最も熱い LED の一つ。
僕は今回、この
XLamp を使用したライトの中でも最も明るいと思われる 2 つの製品を入手した。
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HuntLight FT-01 XR-E P4 WD (12,800円)
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Wolf-Eyes Defender Cree High Output (14,980円)
使ってみた結論から言って、もうびっくりですよ奥さん。値段じゃなくて。
今まで‘すごく’明るいと思っていた
SUREFIRE のクセノン球使用ライト
6P が暗く感じられた..。
XLamp 恐るべし。
上から Wolf-Eyes Defender (クセノン球)、Defender (CREE)、Huntlight FT-01 XR-E
ちなみにこの 2 つの製品、それぞれ必要十分に明るくて満足なのだが、比較すると
Defender の方が明るい。(計測した訳ではないが、見た目 1 EV ぐらいか?)
今後さらに明るい LED を載せたライトが続々登場するものと思われ、僕の進路を照らしてくれるだろう。