陸こう概念図(Das Otterhaus)
市内主婦 F . 和子さんから宮古市議会3月定例会に陳情します。日時未定
「鍬ヶ崎の防潮堤を考える会」が共同陳情者になります。
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平成 28年2月12日(提出日)
今まで不明であった陸こう整備について
関係機関に住民説明会の開催を求める陳情
(陳情趣旨)
今まで内容が不明のままであった難題の陸こう整備について、津波の時、逆に災害を引き起こす設備とならないかの不安があります。次来る津波のために、関係機関から陸こう、水門について十分な内容と進捗状況等の説明を受け、意見交換と問題解決ができる場を求めます。
(陳情理由)
平成23年3月11日に発生した東日本大震災において、水門、陸こうの閉鎖作業に従事した消防団員等が48名犠牲になったことを踏まえ、岩手県は復興基本計画に操作員の安全確保を図るための操作の遠隔化、通信、電源の多重化を図るとし、操作員が現地へ向かうことのないような体制のもと、安全かつ迅速に確実に水門、陸こうの閉鎖が行われるとおもわれる方針に沿った防潮堤工事が、宮古市においても進められております。
平成25年4月に、農林水産省と国土交通省が、津波・高潮対策における水門・陸こう等管理システムガイドライン(以下、ガイドライン)を改訂し、陸こうの閉鎖方法を、レベル1からレベ ル6で整理しました。レベル1から4は現場での操作、レベル5は遠隔手動操作(以下、遠隔手動操作)、レベル6は衛星を使っての遠隔自動操作(以下、遠隔自動操作)です。
◆ 遠隔手動でも遠隔自動でも操作上のヒューマンエラーが心配です
運用上はいろいろな問題が考えられますが、肝心なのは「遠隔自動操作の自動閉鎖が行われなかった場合」です。「遠隔自動操作の自動閉鎖が行われなかった場合」は、遠隔自動操作から、いきなり遠隔手動操作になるとのことです。地元責任の遠隔手動操作のリスク、プレッシャー、人選は甚大であると考えます。「トラブルや事故の陸こうや水門を、手動で閉鎖のスイッチを押す管理者が、閉鎖の判断、閉鎖の手動操作等を行う」ことは、非常に責任重大、難題であると想定できます。遠隔自動操作の事故の場合(管理者の状況確認なしに操作が行われる操作事故)の対策を、県土整備部は、水門、陸こうの現地に、挟み込み防止装置、接触式センサー等を設置し、サイレン、拡声器等の警報施設や逃げおくれ防止のための避難階段等を設置し操作事故の防止を図る。また、円滑な避難が行われるよう、周知看板、避難訓練、防災教育等のソフト対策を通じて、地域住民、観光客等へ遠隔自動閉鎖の周知、啓発を行うとしていますが、10メートルの避難階段を余震のなか上り、下りすることができないけが人と障害者、小さい子連れ、そして自転車等の障害物の対応が無視されており、これでは死亡者を出し、ひいては陸こうが閉鎖されず、宮古市が住宅を建てることを許可した地区が浸水してしまいます。地元住民は、陸こう、水門が、安全かつ迅速に確実に閉鎖が行われることは不可能であることを知っています。
◆ 維持管理費用の市民負担はどのくらい生じるのでしょうか?
また、宮古市民が負担する防潮堤のランニングコストについては、岩手県が管理する岩手県内の防潮堤のランニングコストに加え、宮古市が管理する宮古市の防潮堤のランニングコストの合計かと思われます。徴収開始年度や、一人当たりの平均納税額、今の子どもたちがメインで払っていく10年後、30年後、50年後は人口減少に伴い増額されていきます。それも知らされず、宮古の子ども達、岩手の子ども達に気がついたら押し付けていたとしたら、親として到底納得がいきません。
◆ 官庁同士の説明だけでなく、住民への十分な説明機会を求めます
このような住民の疑問を解決していく場や、住民の疑問を関係機関が知る場が、特に陸こうに関して今まで一度もありませんでした。県土整備部長は、方針決定の際の市町村への説明と連携は、平成26年9月から12月にかけてさせていただいたと説明していますが、私たちは説明を受けておりません。本来、岩手県が予算を通す前に住民説明会をするべきと考えます。次来る津波のために、関係機関から陸こう、水門について十分な内容と進捗状況等の説明を受け、子どもたちがいつかまた体験する津波のことを考える意見交換と問題解決ができる場を求めます。
以上