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2011.6.1~。大津波、宮古市、鍬ヶ崎復興計画。陸中宮古への硬派のオマージュ。 藤田幸右(ふじたこうすけ) 管理人

政府の南海トラフ津波対策とは?

2019年01月09日 | 南海トラフ/中央防災会議/地震調査委員会

昨年12/25に中央防災会議は防災大臣に「報告書」を提出。正月明けの1/8に山本防災相が記者会見した。報告書にせよ防災相の記者会見にせよマスコミ各社の取材・報道はほとんどなかった。マスコミの防災についての関心は急激に風化している。しかし東日本大震災の「防潮堤」がそうであったように中央政府での決定は間違いであろうと、いい加減であろうと、不十分であろうと…、現地の批判や要望を受け付けず最後まで一人歩きする。南海トラフの防災については、(早くはない!)今のうちに、少なくとも、基本的な部分に於いては政府の防災対策を集団で厳しく検証しておくことだ。「今のうちに」ということが被災沿岸住民の生死にかかわることだからである。



防災対策、20年度から運用

1/8(火) 12:38 共同通信配信 (ヤフージャパン ニュース)

 

 

 

山本順三防災担当相は8日の記者会見で、南海トラフ巨大地震につながる異常現象観測時の対応に関する中央防災会議の報告書に基づき、自治体や企業の対策を例示する指針案を3月末までにまとめ、2020年度の運用開始を目指す考えを表明した。指針を受け、南海トラフ沿いの各自治体は19年度から、地域ごとの防災計画づくりの検討に着手する見通しだ。



 報告書は、東西に長い南海トラフ震源域の半分でマグニチュード(M)8級の地震が起きる「半割れケース」の場合、被害が及んでいない残り半分の沿岸住民にも政府が一斉避難を呼び掛けるよう求めた。

 

記者会見要旨(スケジュール)
 

・政府は2019年3月末までに、国民、自治体、企業に指針案を例示する。 ──「例示」? 例示指針案は期待できない。

・各自治体は19年度(2019.4月)から地域ごとの防災計画づくりの検討に着手する。 ──当然にもすでに「着手」している自治体は多い。しかし中央政府の科学的な、安心の、裏付け予算等のある骨太の一般指針を待ち望んでいる。

・2020年度の運用開始を目指す。 ──しかし政府は、支離滅裂な「報告書」に基づきこのような拙速スケジュールを発表した。

※ 中央政府の納得性十分な一般指針案がないままにどうして国民(自治体、地域、地区、町内会、企業、学校など)は有効な防災計画をつくれるか?! 「おそらくつくれないであろう!」それは東日本大震災の反省から当然である。一部地方の高潮災害対策とは違うのだ!


国民、各自治体、企業は、
政府に(このスケジュールを破棄し)
新規「中央防災会議」の立ち上げを要求するべきだ。
…… 東日本大震災からの反省がないからだ。 



[関連記事]   防災会議の報告書とは?         2018.12.28

中央防災会議のメンバーは、あらゆる意味で総入れ替えをして再出発するべきだ。東日本大震災の防災対策のあらゆる面からの検証作業が第一と考える人、また検証のための東日本被災者等当事者からの聞き取り提言、意見がなにより大事だと考える人によってメンバー構成をしなければならない。経験主義の旗を掲げる中央防災会議であるべきだ。


 

☆ 


<参考記事> ☆☆マスコミの数少ない詳細記事☆☆☆


防災、脱「予知」手探り
政府、南海トラフ「前兆」への対応方針

 2019/1/8付 日本経済新聞(ネット記事)
──赤字は管理人加筆 


 南海トラフ地震の前兆と疑われる異常現象が起きたときに備え、国の中央防災会議が対応方針を2018年末にまとめた。予知を前提にした東海地震対策を転換し、住民や従業員の避難などは自治体や企業に判断を委ねる。だが前兆という不確かな情報に基づき対応を迫られるだけに、実効性は手探りだ。(というより実効性は無い)

 

 
(なぜM8級、M7級震源のことを「半割れ」「一部割れ」というのか?)
 

 

 南海トラフ地震は最悪の場合、日向灘~東海沖を震源域にマグニチュード(M)9級の巨大地震になる恐れがある。トラフの東西どちらかで起きるM8級の「半割れ」地震や、ひとまわり小さい「一部割れ」地震も想定され、これらが巨大地震の前兆として起きる可能性が指摘されている。

どのケースで起きるか予測が難しく中央防災会議の専門家会議は「確度の高い予測は困難」と結論づけた。これを受けて政府は17年11月、東海地震を予知して首相が警戒宣言を発令し、住民に避難を求める対応をとりやめた。代わって導入したのが、気象庁が出す「臨時情報」だ。半割れなどの異常が起きたら「南海トラフ地震の恐れが高まった」として発表する。

(ちょっと待って、M8級なら「前兆」や「恐れが高まった」ではなくそれはもう南海トラフ地震だろう?!) 政府や中央防災会議は、おそらく、地震の予知や予測が困難という認識ではなく、根本的に「地震と津波」の関係が分からないのだろうと推測される。南海トラフにおいては「地震」と「津波」は一体のものであるが、その関係性は(モデル、シミュレーションとしても)未解明である。既報のものは前期的一つのモデルに過ぎない。


 

実効性どこまで

 

中央防災会議の報告書によれば、半割れ地震が起きた場合、津波の恐れがある沿岸部で1週間の避難を求め、それ以外の地域でも高齢者らに自主避難を呼び掛ける。一部割れについては、注意喚起にとどめるとした。(「それ以外の地域」の範囲が分からない)

分かりにくい内容になったのは住民の安全と日常生活を継続するバランスを考慮したため。四国や紀伊半島の沿岸部では地震から最短数分で津波が襲い、事前の避難が欠かせない。一方で避難の対象を広げると社会経済が閉塞しかねない。(なんとのんきな!分かりにくいのが最悪!)


 
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 対策方針は腐心の産物といえるが、実効性は不透明な点が多い。不確かな臨時情報に基づいた対応を求められる自治体や企業は人命を守ることには理解を示すものの、戸惑いの声も聞こえる。

とりわけ懸念されるのが、臨時情報の発表で経済が萎縮しないかだ。「地震の恐れが高まっている」と知れば企業は不要不急の業務をやめ、市民も外出を控える。報告書は「被害が起きていない地域では事業を継続する」と求めた。

仮にトラフ東側で半割れ地震が起きれば、自動車や電機産業などが集積する中京地域で大きな被害が出る。サプライチェーン(供給網)が寸断され、工場の操業停止が相次ぐ恐れが大きい。

(対策になっていない! 対策が無い!) 南海トラフ地震=M9級発生が前提になければ対策にならないのだ


 

企業も対策後手

 

個々の企業が業務を続けられるかは交通機関が運行し、働く親が子どもを預ける学校や託児所が開いていることも前提だ。関西学院大の照本清峰准教授は過去の災害で間接的に生じた被害を参考に「南海トラフで半割れ地震が起きれば、経済の萎縮により1日当たり最大1280億円の損失が生じる」と試算した。これが半年続けば、東日本大震災の被害額17兆円を大きく上回る。

企業の対策もこれからだ。地震の影響が大きい中京圏で中部経済連合会などが実施したアンケート調査(回答1950社)によれば半割れ地震が起きることを知っている企業は52%、大規模地震の対応計画を策定済みも15%にとどまった。

臨時情報が発表されたときに、食料・日用品などの買いだめや流言などで社会が混乱しないか。前兆情報が「空振り」になったときの対応も答えが見えない。

作業部会の主査を務めた福和伸夫名古屋大教授は「東海地震対策は国がすべて決めていた。これからは自治体や企業が責任を負い、地域の特性に応じた対策を考える必要がある」と訴える。脱「予知」の防災は、自治体や産業界が地域ごとに連携し、共助の防災を真剣に考える仕組みづくりが出発点になる。

(ばらばらの対策。経済の予測より人命をどうするかの問題なのに!!) いずれにしてもやり直し必至。


 

(編集委員 久保田啓介)

 

 

 

 

 

  

 

 

 

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