大槌町で震災対応再検証始まる 視察や聞き取り
WEB 岩手日報 (2016/08/26)
大槌町は、東日本大震災の町の対応の再検証を始めた。25日は小山雄士震災検証室長が、当時の町長ら職員27人が犠牲となった同町新町の旧町役場庁舎を視察。今後、当時の職員から聞き取りを行う。検証結果は町民に公表し、対応の問題点を明らかにするとともに、今後の防災対策の教訓とする。
小山室長は犠牲者に手を合わせた後、三浦大介総務部長が作った震災当時の見取り図を片手に旧庁舎を視察。三浦部長の説明を受けながら建物の構造を確認し、旧庁舎と災害対策本部の位置関係などをつぶさに見て回った。
小山室長は「職員へのヒアリングをする前に視察した方が、当時の行動などが具体的にイメージしやすいと思った」とした上で、「(旧庁舎が)複雑な構造だというのも分かった」と理解を深めた。
小山室長は9月下旬から、当時の職員で現在も勤務する67人と退職者合わせて約100人に聞き取りを実施。質問票を作って1対1で当日の行動や組織体制などを尋ね、多くの職員が亡くなった原因を調査して結果を来年6月に報告する。
【写真=旧庁舎前で震災当時の状況を確認する小山雄士室長(右)=25日、大槌町新町】
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