工費増や工法の見直しで完成延期
防潮堤、水門工事見学会 宮古土木センターが主催 4/10
(岩手日報 2016.4.18)
<フェイスブック @KUWAGASAKI より>
止水剤も気になります。
Kohsuke Fujita 岩があるため刺さらないのですか?変ですね?地下に何があるのか?砂なのか泥なのか礫石なのか岩なのか?事前にそれを見きわめるのが調査のはずですね。それなのにこうして「やってみたら固い岩があって刺さらなかった」と事後の言い訳をのうのうと説明している。これでは刺すたびに何かにぶつかってやり直しを繰り返す事になります。それで工事が遅れるだけでなく締まりのない工事となってとても危険なものです。これは閉伊川水門に限らず鍬ヶ崎防潮堤などほか工事でもやっている岩手県の「標準断面方式」のためです。閉伊川では矢板が岩にぶつかって挫折ですが鍬ヶ崎上町の防潮堤(第1工区)では基礎になる鋼管杭(くい)が何にもぶつからなかったです。そのため52本/80本を抜いて溶接で鋼管杭を継ぎ足して再度打設しました(それでも固い支持地盤に到達しているかどうか分かっていません)。この「標準断面方式」のため鍬ヶ崎第1工区では予算が増え、工期が10ヶ月延びました。
Kohsuke Fujita 「標準断面方式」とは数カ所を地質調査をして、おそらくこの周辺はここと同じ均一な地層だろう、として広範囲に工事を始める事です。もし均一でない岩などにつきあたったらその時再調査をして別な方法を考える事にしています。その後「トンネル工事の砕石を海に入れる」などの修正(応急)処置をしていくのです。こうして閉伊川水門も鍬ヶ崎防潮堤も予算の膨大な増額を続けて(いつまでも)工期延長を行っています。一番よくないのはいずれも、危険な防潮堤、危険な水門建設が予想される事です。建造物だけでなく今から地域に暗い影を落としています。明確な説明もなくメドも見えないこれらの工事は、もう修正ではなく止めるべきではないでしょうか。宮古沿岸の地層や地形が想定外に複雑な事が分かりましたが、ではどのように複雑なのかは何も分かっておりません。少なくとも工事のための工事は止めるべきです。
Kohsuke Fujita 標準断面方式とは?:「通常の工事であれば詳細な現地調査を行った上で入札を行う。だが、被災地では着工を早める概略設計で入札する標準断面方式を採用し、契約後の変更が多い。資材や労賃の高騰も重なり、大幅増額になるケースもある」(2016.3.22 web岩手日報「復興工事費増額相次ぐ」より)これは建設業者に付け入るスキを与えます。というより、どこをとっても急峻、どこまでも複雑な沿岸地殻が、このアバウト工法を受け付けないのです。
<岩手日報記事>
復興工事費増額相次ぐ 19件は当初の57%増
県が被災地で進める防潮堤や水門の復興工事で、事業費が増額されるケースが相次いでいる。県議会2月定例会に提案された変更請負契約19件は当初契約額に比べ57・7%、340億円増の930億円に膨れ上がった。簡易な設計で発注を急ぐ「標準断面方式」を採用するのが理由で、完成が通常より2年程度早まる一方、議会内では「当初の設計が甘い」との指摘も出ている。県は事業費見積もりの精度を上げる一層の努力が必要となりそうだ。
復旧工事の中で増額が大きい宮古市藤原地区の閉伊川河口部に整備する水門工事は2014年の当初契約額が70億円だが、179億円と2・5倍に膨らんだ。県砂防災害課によると、現地の地質を調べたところ水門の柱の耐震強度を高める必要性が生じた。現場の海底にがれきが埋まっていたこともあり、追加工事や工法変更、地盤改良などを迫られた。
通常の工事であれば詳細な現地調査を行った上で入札を行う。だが、被災地では着工を早める概略設計で入札する標準断面方式を採用し、契約後の変更が多い。資材や労賃の高騰も重なり、大幅増額になるケースもある。
標準断面方式は宮城県が一部事業で採用する一方、福島県は使っていない。本県は通常時には採用しない異例の手法ながら、膨大な復旧工事の早期着工を必要とした被災直後の状況から「有効な手段」との見解に立つ。
(2016/03/22)
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(岩手県の技術 まかせられないの声)
暴風雪被害70億円超 県まとめ、沿岸部の打撃大きく
県は17日、1月に県内を襲った暴風雪の被害状況(2月15日現在)をまとめた。低気圧の発達に伴う暴風雪や高波により沿岸12市町村で防波堤や養殖施設の損傷が相次ぎ、被害額は70億9918万円に上る見通し。東日本大震災から復旧した施設が再び破損するなど沿岸部の打撃が大きく、県は「復興に支障を来さないよう早期復旧に取り組みたい」としている。
被害額は2013年の豪雨災害(被害額約400億円)以降で最大。
1月18~22日の暴風雪による被害は、防波堤や水門などの漁港施設が大きく約55億円。大震災で被災し復旧した白浜漁港(釜石市鵜住居(うのすまい)地区)の防波堤が高波によって倒壊したほか、小袖漁港(久慈市)の消波ブロックが流失するなど61漁港が被災した。
水産関係の被害額は約7億円で、宮古市重茂(おもえ)地区や陸前高田市の広田湾で育てていた養殖のワカメ、コンブ、ホタテなど約4千トンが被害を受けたほか、漁船84隻、養殖施設216カ所が損傷した。
(2016/02/18)