── 防潮堤で現に行われている杭打ち不正 ──
杭打ち不正
燎原の火のように全国に広まっているこの問
題にきわめて反応が鈍いのは岩手県である。
数年前に全県に広がった大談合事件をどう
にか乗り切ったものの火種が消えた訳ではな
く他に類例を見ない官民癒着体質はより進ん
で強固である。不正問題は問いたくないと。
防潮堤の基礎不正は地域住民の命に関わる問
題でそのような訳にはいかない。
改ざん事件を問う。
☆
杭打ち改ざんは際限なく広がる勢い!
◯「(杭施工大手)ジャパンパイルでもオフィスビルなど18件」の改ざん
◯「旭化成建材は266件、50人以上関与」、10年で請け負った3040件のうち(11/13現在)2376件調べて266件の改ざんがあった(11%)。
各見出し 日本経済新聞(2015.11.14)より
266件元請けには三井住友建設のほか大成建設、鹿島、大林組、清水建設、竹中工務店など大手5社も含まれていた。
web朝日(2015.11.14)
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(参考図1)
日本経済新聞(2015.11.11)
(参考図2)
データ偽装物件の安全確認の流れ
自治体が改修指示
web 朝日新聞(2015.11.14)
(参考1)
──宮古市議会への「鍬ヶ崎の防潮堤を考える会」陳情書より
(4)効果不明、自然破壊のめくら打ち 鋼管杭を支える鍬ヶ崎当該支持地盤は現実には宮古漁協の切り通しを起点として鍬ヶ崎市街地を貫き蛸の浜(さらに日出島から田野畑村に至る35キロメートル)に及ぶ宮古層群である。海上、地上の断崖絶壁に見る通り当該支持地層は主に陸側から海側に向かって急峻複雑な地下地形を形成しておりペア鋼管杭の海側/陸側の高低差は15mから20mもざらであると思われる。
県・土木センターはボーリング調査ではペア鋼管杭の真ん中の縦断支持地盤線だけを抽出して海側/陸側の高低差(=横断高低差)は把握していない。「横断図は作成しない」(「鍬ヶ崎の防潮堤を考える会」の公文書開示請求に対する岩手県の回答)という事であれば陸側の鋼管杭、海側の鋼管杭は(1064本全部ということ)打設深度の分からないめくら打ちということになる。ペア鋼管杭の間隔が5.4m(中心ー中心)~ 6.2m(外側-外側)もあり横断的に急峻複雑な地形では縦断図自体が意味のないものとなる。
鍬ヶ崎「その1工区」の鋼管杭打設計画の打設→想定外→引き抜き→鋼管追加溶接→再打設の繰り返しがその良い(悪い)例である。このように縦断図だけのアリバイ調査では基礎の足がない幽霊防潮堤が出来るだけだ。(2015.9.24。一部修正して引用)
【関連記事】陳情書「不透明な工事」 2015.9.14
(参考2)
──知事回答書への「鍬ヶ崎の防潮堤を考える会」返信より
註 5)土木工学的結論 逆T字型直立式プレキャスト工法は横からの津波の襲撃力に弱く、鍬ヶ崎海岸はその急峻、複雑な深層岩盤地形のために鋼管杭工法には向いていない。(正しくは「鋼管杭工法は鍬ヶ崎海岸には向いていない」というべきであるが…)──岩手県がボーリングによる鋼管杭支持地層調査を放棄したがる理由ははっきりしている。地層そのものがボーリング調査を受けつけないからである。考えて見れば鋼管杭の打ち込みとボーリング調査は似ている。完璧な杭(くい)打ち込みと完璧なボーリングは同じものなのである。それが出来ない理由は専ら鍬ヶ崎の地層にある。原理的には出来ない事ではないがあまりにも杭の本数が多くボーリングの本数が多すぎる。時間、経費、労力の生産効率が悪すぎる。ほとんどどこかでごまかすか、意識して不正をするか、アリバイ作りでよしとする姑息さをするか、そのような予感にまみれて人間的には無理な作業工程となるのである。現在追加しているという50m間隔のボーリンング調査も納得できるデータは量の面からも質の面からも期待は出来ない。そもそもの大甘の初動が間違っていたからである。大きくふりだしに戻るしかない。
【関連記事】 要望書(知事)回答書(返信)(1)(2) 2015.3.25