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2011.6.1~。大津波、宮古市、鍬ヶ崎復興計画。陸中宮古への硬派のオマージュ。 藤田幸右(ふじたこうすけ) 管理人

あるべき巨大津波対策(9)「第四章」 国 第2節 法律

2025年02月20日 | 社会

第四章 

 

第 2 節 巨大津波は「ガイドライン」では防げない

 

1、命の救済に「法律は無力」だ

国の方針は、国らしく法律に基づいて巨大地震、巨大津波を「防災」しようとして官僚が右往左往している。しかし、子供でも知っているように津波は法律と関係がない自然現象だ。どんな立派な法律でもそこまで手が届かない。特に災害が人の命に関わるとき「法律は無力」だと覚えておいた方が良い。人の命から見れば、法律は災害の事前準備・事後処理にわずかに関わるに過ぎない。

 

2、説明だけの「言葉は無意味」だ

国は、大反省を回避して一部有識者などの提唱する「多重防御」「減災」などの二元言葉、また「公助」「共助」「自助」などの便利言葉にすがろうとしている。実態のない、また実態の不明瞭なこれらの言葉に国家官僚は振り回されている。身についた官僚主義が、意味不明、目的不明、文脈バラバラの各種ガイドライン、防災マニアルを作り出している実情がある──

https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/point/content/001732949.pdf

 

上記リンクは国土交通省の ⚫︎津波防災地域づくり 推進計画作成ガイドライン(2024.3)の内容である。最新の地域防災計画作成のためのガイドラインとして「津波防災地域づくりに関する法律」に沿い地方自治体の防災担当者を主なターゲットとして発表した。

経過)国土交通大臣が平成23年5月18日「津波防災地域づくりについての一定の方向性を提示するよう」要請。外郭「計画部会」が同年7月6日緊急提言「津波防災まちづくりの考え方」を提出。平成23年12月「津波防災地域づくりに関する法律」が成立。以降、国が定める法律、ガイドライン、マニアル等の下敷きになっている。即ち、国の基本姿勢としては─ ○今回のような想定を超える大規模な災害を想定し「なんとしても人命を守る」という考え方により、ハード・ソフト 施策を総動員して「減災」を目指す。

※「減災」とは、人命を守りつつ、被害をできる限り軽減すること。──としている。
※ 実態がなく言葉だけだ、法律自体がすでに相当古くなっているものだ。 

 

他に国には下記のような各省庁発信の津波防災ガイドラインがある。

⚫︎ 「地区防災計画ガイドライン」(2014年 内閣府)

⚫︎「津波防災地域づくり推進計画作成ガイドライン(第2版)」(2018年 国土交通省=この年のものはネット上から消えている

地方の、地区・地域の防災計画を支援するためのガイドラインであるがその実態は冒頭のガイドラインと同様に意味不明、目的が紛れてしまうような複雑さに過ぎ、冗漫さに過ぎている。「津波防災地域づくりに関する法律」などとの整合性のために汲々と物差しを当てて作られているからだ。

 

3、一体、「ガイドライン」とは?

住民を巨大津波から避難させる目的のガイドラインにもなっていない。そうでなければガイドラインなど作るな、と言いたい。何のガイドだ、紛らわしい!

ガイドラインの「主体」が自治体役人であり地域のメンターであるのか?ガイドラインの「対象」が自治体役人であり地域のメンターであるのか? 不明瞭であり曖昧である。ガイドラインは紙屑(かみくず)と言っていい。

地区防災計画は君たち、ガイドラインは僕たち、とは?
地方自治体役人が防災計画作りをする主体なのか?国家官僚がガイドラインづくりの主体なのか? いずれも地元住民が主体のはずなのだが(そのようには明記されていない)、そうではなく一貫して官僚の上から目線で書かれていて(何も知らないくせに)官僚の机上の空論の押し付けになっている。一部地方自治体役人側もそれを受けて国を忖度しようとする素振りを送っている。ナンセンスが蔓延している

──そうではなくこの「あるべき巨大地震・津波対策」論考では、もう一段下がって、地元住民自らが主体であり、地方自治体役人、地域メンター、(もちろん国家官僚レベルも含まれるのだがここにはあえて入れない。関わり方が一緒=同一使命、同一方法、ではないからだ)と共に避難場所の構築、存在感機能に力を合わせる事であると明記している(第二章)。違いは一目瞭然だ。まるで薄皮で遮られているようにこのわたし共の論考と、この国のガイドラインはどこまで行っても似て非なるものであることをわかってほしい。

 

 

第四章 国 第3節 大反省 につづく

まとめと「目次」のページ

 

 

 

 

 

 

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