スコットランドの独立を問う住民投票が実施され、独立反対派が多数を占め、スコットランドは英国、正式にはグレートブリテン及び北アイルランド連合王国に残留することが決まったと新聞やテレビで報道されました。
独立か、残留かを巡って激しい論戦が展開されたのですが、テレビや新聞の報道を見ただけですが、その結果を受けた後の人々の対応に僕は少なからぬ感動を覚えました。
独立を掲げた運動を展開してきたスコットランド民族党のサイモンド党首は「住民の過半数は残留を求めた。我々は英国に残り、共に前に進んでいこう」とはっきりと述べ、キャメロン首相も「胸が張り裂けそうだった。今から共に前に進んでいこう」と記者会見で話しているんですね。この住民投票の結果を謙虚に受け入れ、そして、「共に前に進んでいこう」と言える2人のリーダーに拍手を贈りたいですね。サッカーやラグビーで激しく闘っても、ホイッスルがなればノーサイド、つまり、敵味方はなくなり、健闘を讃え合うというスポーツマンシップの国であり、ピューリタン革命以来、民主主義を醸成してきた国だなと思いました。
そして、テレビの報道を見ただけですが、反対していた市民が「残念でがっかりした。しかし、民主主義は人々の意見を聞くことだ。その意味で、今日はた歴史的な1日となった。これからは共に前に進んでいきたい」と話しておられたんですね。また日本在住の1人は「結果はおかしい。しかし、住民投票という民主主義的なやり方で決めたことは誇らしい」と話されていました。住民投票を指導したリーダーだけでなく、市民1人1人にまで民主主義が何であるか、理解できるところが素晴らしいと思いました。
翻って鳥取市。住民投票の結果は「現在地で耐震改修と一部改修」が投票者の過半数を占めました。にもかかわらず、市議会の特別委員会は「移転新築」を決め、市長は位置条例を提案したいという。スコットランドの住民投票の態度と、どうして、こうも違ってしまうのでしょうか。今一度、鳥取市の主権者は誰なのか。住民投票の結果をこれほど無視して、民主主義と言えるのか、私たち市民は真剣に考えるべきだと思っています。