すなば たかひろ

「元気で人に優しい鳥取」を取り戻すため、県議になった元新聞記者の挑戦記。みんなで鳥取の未来像を考えましょう!

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安易は議員定数削減論には賛成出来ません

2013年04月08日 | 日記

 選挙制度改革を巡っては、0増5減案が国会に提出され、議論がなされていますが、鳥取県議会でも、2年後を見据えて、定数削減の話題が議員の間でも出てきています。

 昨年末の衆議院で選挙を使って、鳥取県議会の各選挙区の有権者数を定数で割ってみると、定数あたりの有権者が一番多いのは、東伯郡の1万6223人、一番少ないのは岩美郡の10588人となります。1票の格差で見ると、1,53倍となります。

 今、言われているのは西伯郡の定数を3から2へと減らすことですが、そうなると、定数1あたりの有権者数は1万8505人となり、1票の格差は1.75へ拡大することになります。鳥取市を減らせば1.24から1.35へ、米子市を減らせば1.42から1.62へ拡大することになります。

 1票の格差を是正するという視点を優先して制度設計をすると、東伯郡と米子市を1ずつ増やせば、それぞれ、1.53から1.15、1.42から1.26へと1票の格差は減ることになります。定数が1の岩美郡は1万588人、日野郡は1万971人ですから、ここを基点とする限り、1票の格差の是正は不可能です。岩美郡と鳥取市の合区、日野郡と西伯郡あるいは、米子市の合区をしない限り、1票の格差を是正しつつ、定数削減をすることは難しいと思いますが、現行法制では無理な相談です。

 鳥取県議会は常任委員会制度を基本としており、4つの常任委員会を設置しています。東京都は9つです。審議案件はひとつひとつの予算額や対象件数が少なくなるだけで、審議対象や報告の対象は変わりません。丁寧に審査しているつもりでありますが、審査が粗くなっているのではないかという不安を持っています。加えて、1つの委員会の委員は9~8人です。中立を旨とする委員長を1人選出しますので、議論するのは、8人~7人。これは議論を質を担保するのは最低の数ではないかと思うのです。

 当初予算の審議ですが、これまで2回体験しましたが、約3300億円の予算書を見るわけですが、正直に言いますと、2月から議決する3月末までに、精査することはできませんでした。委員会分と、関心のある事項だけで、1000億円以下しか詳しくは見ていません。それでも、1ヶ月案はほぼ毎日、日中は県職員の皆さんにあれやこれやお聞きし、それが終わると資料を持ち帰って、一昨年度決算の主要事業報告書などと照らし合わせ、さらにはネットで類似案件などを調べ、何かいい方法はないかと考えるわけです。毎日、深夜までそうやっても、全部は見きれません。

 私が副委員長を務める福祉生活病院常任委員会は、福祉、医療、環境、エネルギー開発、消費生活、防災、危機管理、2つの県立病院を所管しており、対象は膨大です。仲の良い都議は「範囲が広すぎる。それでは審議は無理だよ」と言ってくれました。地域介護計画、地域医療計画、地域防災計画(原子力編)などは決議事項ではありませんが、県政の重要課題ですので、それぞれ100ページを超えますが、1ページ、1ページ見ていきます。 せめて、もうひとつ、常任委員会を設けることが出来れば、かなり変わってくると思いますが、そうなると現行の定数では無理があります。

 声高に議員定数の削減や、政務調査費の削減を主張される方も居られますが、きんちんとした審議をするには、一定数の議員は必要ですし、現場主義で調査するのは経費もかかります。新聞を片手の質問するようなお粗末なことではなく、その現場、現場を訪れ、直接お話を聞いていくことが大事だと思うのです。県民の皆様のご意見をお聞きしたいと思います。

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