GITANESを線香代わりに。
それとは無関係に・・・。
陽気でファンキーな伯母がいた。
4人姉妹で、母のすぐ上の姉である。
私が幼いころからの記憶によると、ずっとタバコを吸っていた。
つい最近まで吸っていたようだ。
何度か結婚と離婚をしたようだが、最終的には長い間
独身だった。
陽気で頭の回転も速い。
当意即妙な返事が常だが、やや外れてはいた。
そこがファンキーたる所以である。
子供の頃はよく可愛がってもらっていたように思う。
自由奔放、気儘で生きていた人なので
周囲に迷惑をかけることも多かっただろう。
実の妹である私の母も、もう15年ほど前から接触を断っていた。
多数いる甥・姪の中で、なぜか私にはたまに連絡を寄こしていた。
別にとりたてて用件もなく、
「ご無沙汰だね」というやりとりと短い近況報告が主だったが、
時折相談という名の、うんざりするような内容の話もあった。
あまりにも住む世界というか、見ている世界が違い過ぎて
申し訳なかったがこちらからの連絡も絶ち、スマホのアプリで
着信も拒否していた。
伯母が死んだ と、伯母の周囲の人から連絡が入った。
アプリの着信拒否設定をかいくぐって。すごいパワーだ。
「これから通夜、明日は告別式」ということだった。
告別式に行った。
参列者は3人だけだった。
大きい葬儀場の、小さい小さい部屋で、小さい小さい葬式だった。
火葬場にも同行した。
雨が降っていて、立ち上る煙は確認できなかった。
いやそもそも、煙など上がるシステムじゃないのかも知れない。
帰宅してからオヤジの遺影にいつものハンドドリップコーヒーを供えながら
「あの叔母がなくなったよ」と報告した。
しかし、病院で寝たきりの母、つまり伯母から見て実の妹である私の母には
まだ報告できないままである。
そういえば伯母もコーヒーが好きだったような気がする。
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