The Alchemist HarperCollins このアイテムの詳細を見る |
湖面に映し出された,己が姿に狂おしいまでも魅せられ,自己陶酔に極みに
達する中で,身を投げ落とし,その姿をスイセンに変えたナルシス。
その死を嘆き悲しむLake("I weep for Narcissus" the lake replied.)
打ちひしがれた湖は,その悲しみの深さを象徴するかのように 塩のうみ に
姿を変えるのであったが・・・。
Lakeを思いやる森の精が,やさしく語りかけ慰める。
「 ナルシスは,いつもお前さんほとりに跪き,来る日も来る日も,あの透き通るよ
うに,美しく輝く姿を,お前さんに映し出していたものな・・・。
そりゃ辛いだろうよ。あのナルシスがいなくなっちまったんだから!」
しばらくの間,沈黙が続き,やっと口を開く Lake。
「 確かに おいら ナルシスがいなくなって 悲しくて 泣いてたぜ!
しかしよう,ナルシスって,何だ,お前さんたちがそんなに騒ぎ立てるほど,美し
かったのかい? おいら,全然,そんなことには気づいていねえ。 」
「 おいらは な
ナルシスの奴が おいらに跪いて おいらのことを見つめるたんび
に あいつの 眼(まなこ)の奥底に 映った おいらの超美しい姿が,
見られなくって,打ちひしがれてるのさ。
」
自己陶酔も,上には上がいる。
多少の自惚れを病むことはない。一度きりの人生,自分に惚れ込むくらい,の
ナルシスが真っ青な自己陶酔があっても良い。
blog Ranking へ