こんな本を読んでいる

日々出版される本の洪水。翻弄されながらも気ままに楽しむ。あんな本。こんな本。
新しい出会いをありがとう。

「ヒポクラテスの誓い」 The Oath of Hipocrates 

2006年02月03日 | 読書ノート
ザ・プロフェッショナル

ダイヤモンド社

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  専門分野の仕事をこなすスペシャリストやそれらの専門家集団を使って仕事を進めるゼネラリスト,それを束ねるスーパーゼネラリストはいる。だが,プロフェッショナルが不在である。(ないしは不足しているか,なかなか見当たらない。)

 不足している,プロフェッショナルの条件とは? 

 それを解き明かすキー概念として,冒頭で示されたのが,この「ヒポクラテスの誓い」である。

 「「ヒポクラテスの誓い」とは,医学の父,あるいは医聖という異名を持つ,ヒポクラテスの考えにのっとって作られた,医神アポロンやアスクレピオスなどの神々の前で先制する誓いの言葉です。これを具体的に示したのが「ヒポクラテスの誓詞」の9カ条(『ヒポクラテスの西洋医学序説』常石敬一訳,小学館)(『ザ・プロフェッショナル』(P6)なのだそうである。

 その9カ条は

一 医の実践を許された私は,全生涯を人道にささげる。
一 医師に尊厳と感謝をささげる。
一 良心と威厳を持って医を実践する。
一 患者の健康と生命を第一とする。
一 患者の秘密を厳守する。
一 医業の名誉と尊い伝統を保持する。
一 同僚は兄弟と見なし,人種,宗教,国籍,社会的地位の移管によって,患者を差別しない。
一 人間の生命を受胎のはじめより至上のものとして尊ぶ。
一 いかなる強圧にあうとも,人道に反した目的のために,わが知識を悪用しない。

 医を「仕事」,患者を「顧客」に置き換えて読めば,すべての仕事のプロフェッショナルに通じる教訓だ。瞬間に衝撃を受けた。医の世界のみならず,この9カ条が守られないハザードが社会全般に蔓延しているからだ。いまこそ,色々な社会階層のそれぞれの持ち場で頑張っておられる方々が,プロフェッショナルの原点に変えるべきタイミングなのではないだろうか?9カ条を眺めながらそんなことを考えた。

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