「 このように貧富の差が拡大したのは,息子ブッシュ政権に入ってからではなく,その前のクリントン時代であったということです。
言い換えれば,ビル・クリントンという夫を操っていた,ファーストレディ,ヒラリー・クリントンの時代であったと言って間違いないで
しょう。(P106)」
「 400人の大富豪の一人が,ほかならぬ2008年の大統領選挙でバラク・オバマの全国資金集めの金庫番をつとめ,インターネットを
駆使して若者たちから小銭を集め,ついに巨大資金を作ってオバマの勝利を導いた女性実業家ペニー・プリッツでした。(P108)」
かの大富豪ウォーレン・バフェットもバラク・オバマの支持者で,就任演説の写真には,J.ロックフェラー4世も映っていた。オバマ政権
も,また,お金持ち集団で支えられているのである。
しかし,オバマの勝利を決定付けたインターネット募金も,お金持ちのバックアップで成り立ったというのは皮肉だ。貧困層を救うという,
オバマの志を貫くには相当の決意がいるし,並大抵なことでもあるまい。ましてや,アメリカの病巣は,複雑かつ相当厄介で,容易には快方に
向かいそうもない。オバマが2年くらいで政権を投げ出し,ヒラリーにバトンタッチするという,副島隆彦の見立ても,案外,良い線をついて
いるのかもしれない。