こんな本を読んでいる

日々出版される本の洪水。翻弄されながらも気ままに楽しむ。あんな本。こんな本。
新しい出会いをありがとう。

続 『戦略の本質』

2005年11月08日 | 読書ノート

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 手ごわそうな本だったので,最初と最後のまとめだけを読んで図書館に本をかえそうと思っていたのに・・・。個々の戦いのアナリシスを読み始めたら,結構いけるので,はまってしまった。サダトの中東戦争以降,バトル・オブ・ブリテン→ベトナム戦争→朝鮮戦争→毛沢東の反「包囲討伐」戦までたどりついた。あと,毛沢東を少しとスターリングランドの戦いで読み終わる。

 それにしても,現代史を知らなさすぎるというか,自分自身の無知蒙昧ぶりに恥じ入るばかりである。例えば,朝鮮戦争。緒戦で北朝鮮側が釜山まで攻め入り陥落寸前だったとは知らなかった。当初の幕僚本部の指令に反し,マッカーサーが敢行した仁川上陸作戦がなかったらどうなっていたかはわからない。この夏,はだしのゲンを読んでいて,朝鮮戦争時に,福岡に防空管制が敷かれた場面がでてきたとき,おおげさだなあと思ったが,決して,過剰な反応ではなかったわけだ。

 トルーマンとマッカーサーの対立は,本店と支店,本部と支部の対立でもあり,組織論として読んでみると,これまた興味がつきない。例の踊る大捜査線ムービーⅡでは,現場の自主性を尊重し,レインボーブリッジを閉鎖を容認し,事件を早期解決に導いた管理官が警視総監賞に輝いたが,マッカーサーには解任という屈辱がプレゼントされた。

 それと,もうひとつ驚くべきことは,中国の参戦。毛沢東の英断である。義勇軍と擬制し多大の犠牲を払いながらも,あのときのあの決断があったればこそ,その後の中国の国際的な地位が確保されたわけである。その箇所どりがあるからこそ,小平後の経済的繁栄が生きてくるのである。文化大革命で晩節をけがした毛沢東だが,建国期に彼がみせた手腕には学ぶべきことが数多くありそうである。

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