こんな本を読んでいる

日々出版される本の洪水。翻弄されながらも気ままに楽しむ。あんな本。こんな本。
新しい出会いをありがとう。

ヒトラーと戦う民主主義国家

2006年02月25日 | 読書ノート
世界の歴史 (18) 第二次世界大戦 : ヒトラーと戦う民主主義国家 集英社版・学習漫画

集英社

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 お風呂での息子との会話。最近,やたらと,ヒトラーやらチャーチルやらスターリンの名前が登場するので,どうしたのだろうと思っていたら,やっと謎が解けた。ナルニアシリーズも3作目にして力尽き,歴史漫画に浮気していたからなのだ。

 息子に許しを得て,1日貸してもらい,気まぐれに,通勤途上で読んでみた。ぺらぺらとめくってみる。結構,中味が濃いではないか。子供向けの漫画と侮ってはならない。
 フーバーが何故フランクリン・ルーズベルトに負けたのか,その背景,世界大恐慌における二人の政策の違いがうまく説明されている。ニューディール政策がニューヨーク州知事時代に実証された弱者救済の延長で展開されたこと,や,政策そのもの成功よりも,国民に自信と誇りを取り戻させたことに価値があることなど,大人でも,思わず,うなってしまうような記述もある。

 ヒトラーが政権奪取時に国民の絶大の人気を博した背景に,経済的弱者への社会主義政策の成功があったことなども,案外,見逃しがちなポイントではないだろうか。スターリングラードを深追いするヒトラーの失策と,戦争屋と揶揄されつづけながらも,イギリス国民を鼓舞し続け,反独徹底抗戦で成功したチャーチルの頑張りがなければ,連合国の勝利も案外危ないものであったことも良くわかる。

 さらに,解説のページには,マンハッタン計画。ロスアラモス研究所はもとより,コンピュータの元祖「エニアック」を誕生させたフォン・ノイマンのことまでのっているって親切でもある。
 フランクリン・ルーズベルトが亡くなったとき,チャーチルは「人目をはばからず,男泣きになきました。」という下りもいい。

 子供向け漫画とはいうもののなかなか読み応えがあった。だから,今回の浮気のことは大目に見てやろうと思っている。

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