こんな本を読んでいる

日々出版される本の洪水。翻弄されながらも気ままに楽しむ。あんな本。こんな本。
新しい出会いをありがとう。

『県庁の星』

2005年10月26日 | 読書ノート
県庁の星

小学館

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 学校時代に,トップ集団でもなく,かといってビリの方でもなく,というような中途半端な人がいっぱいいそうな感じがする県庁さん。エリートでもないのに何故か地元では「ケンチョー」さんとちょっとばかりモテハヤサレ,なかには勘違いする奴もいる小役人集団。そんなケンチョーの若手職員が,民間派遣研修で,トアル県のスーパーで繰り広げるドタバタ劇は,世慣れしていないケンチョウさんの世間との微妙なズレがパロディがかっていてケッコーおもしろい。聞くところによると織田祐二主演で映画もできるらしい。

 まだ,半分も読んでいないけど,なんと言っても,吾輩は二宮さんのファンなのである。離婚暦がある子持ちの中年おばさん。パートだけど店をしきっている。正職員たちはだらしなくて役にたたない。人生の機微を知り尽くし,薄給をものともせずに現場の動かすのは二宮さんである。ニートの出現で不足し脆弱になった我が国の労働市場を支えてきたのは誰か。いわずもがな,彼女ら中年おばさんなのである。ケンチョーさんは,いわば,このおばさんの引き立て役。

 作者の桂望実さんは1965年生まれの40歳。きっとスーパー勤めやケンチョーのバイトの経験があるに違いない。とりわけ,二宮さんのキレが良い。二宮さんって彼女の分身なんだろうなと思う。先に読んだ人が,意外な展開が後半ありますよ,などと意味深なことをいう。おばさん礼賛の構図が崩れなければいいのだけれど・・・。それにしても,東京近郊のケンチョーという設定。一体,どこがモデルになっているのだろうか? blog Ranking へ


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