こんな本を読んでいる

日々出版される本の洪水。翻弄されながらも気ままに楽しむ。あんな本。こんな本。
新しい出会いをありがとう。

丸山真男『現代政治の思想と行動』

2005年05月26日 | 読書ノート
現代政治の思想と行動 増補版

未来社

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 『カリスマ』記事へのごきちゃんのコメント(「マスコミってのは本当に無責任なときがありますね」)を読んでいて,唐突に,床屋談義の記憶が甦った。

 自分の記憶にある,床屋談義とは,「日本のファシズムの台頭は,決して軍部の独走だけで構成されるのではない。軍部の独走にのみその原因を求めるのは誤り。だって,『床屋における談義』で,「パールハーバーがどうの,またアメさんをやっつけただの」と市井の民は,しっかり支援していたのだから・・・。もちろん,大新聞群もこぞって応援に回っていたから・・・。」という内容。つまり,自分の記憶の中では,『床屋談義』は,「権力におもねるマスコミとそれに盲従する大衆」の象徴的キーワードということだったのだが・・・。

 確か,それって,丸山真男の『現代政治の思想と行動』の第1論文「超国家主義の論理と心理」に載ってたのではと思い,早速,深夜にもかかわらず,押入れの奥の方にしまってあった同書を引っ張り出す。4半世紀前に読んだこの本。なつかしさもひとしおであったが,読めども読めども,『床屋談義』なんてでてきやしない。gooで検索しても見当たらず。記憶のええかげんさにへこんだ。

 政治学の大家,丸山真男。この人の作品。けっこーいたしい。岩波新書の『文明論の概略を読む』も上を攻略後,後は読みさしたまま。でも,25年ぶりに手にした『現代政治の思想と行動』。パラパラめくると青臭いコメントもあったりして,短い時間ではあるが,結構,青春した。また,暇になったら読んでみようかな。

 ちなみに,「丸山真男」さんは,いわずも知れた政治学の大家であるが,市民のための丸山真男のホームページというようなHPができるくらい,自称・他称のお弟子さんたちが大勢いるみたい。でも,その一方,『今月の話題』さんにもあるように,辛口批判も多数あると聞く。丸山真男の今日的意義を考えてみるのもおもしろいかも・・・。学生のときとは違い,権威ということで盲従したりはしない程度の良識は身につけたつもりになっているので・・・。

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