11/13(金) 21:55配信
毎日新聞
熊本地方裁判所=遠山和宏撮影
1952年の殺人事件などでハンセン病とされた男性が無罪を訴えながら隔離施設内の「特別法廷」で裁かれ死刑になった「菊池事件」で、市民や元患者ら約1200人が13日、熊本地裁に「再審請求書」を提出した。市民らは、裁判をやり直して、違憲状態の審理で言い渡された死刑判決を是正するよう求めている。
菊池事件を巡っては、元患者らが起こした国家賠償請求訴訟で、熊本地裁が今年2月、特別法廷を「ハンセン病を理由とした差別」などと認定し、違憲と判断した。その判示を受けて、元患者らが7月、検察が自ら事件の再審を請求するよう求める要請書を検事総長へ提出したが、検察側からの回答は得られていない。
刑事訴訟法では、再審請求は当事者と遺族、検察官以外は認められていない。
このため、菊池事件の弁護団は憲法16条の請願権を根拠に「国民的再審請求」運動で裁判のやり直しを訴えることにし、請求人を募集していた。弁護団によると、現行憲法では「裁判の独立」を侵害する内容でない限り、司法に対する請願も認められるというのが一般的な解釈だという。
この日、再審を請求したのは、北海道から沖縄まで44都道府県の1205人。再審請求した一人で、元入所者の竪山勲さん(71)=鹿児島県鹿屋市=は「菊池事件の無実が晴らされない限り、ハンセン病問題の解決はない。ぜひ市民の皆さんは支援してほしい」と話していた。【江刺正嘉】
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