友人披露宴

　数年前に退社した、会社の同期が結婚し、今日披露宴があった。
　そこで隣に座った男をどこかで見かけたなあと思って、席次表を見ると、珍しい名前(姓は珍しくない)だったので間違いない。　高校1年の時の同級生だ。
　20年ぶりだ。

　最近とても曖昧になってきている記憶に、どうして彼の名前が鮮明に残っていたかと言うことには訳がある。

　高校の時に、読み方が分からないので、本人に尋ねたら「教えちゃらん（教えてあげない）」と言われたからだ(別に仲が悪かったわけではない)。
　他の同級生に聞いたら、どうも、その読みにくい名前を本人は嫌っていたようで、名前を呼ばれるのは嫌がっていたらしい。

　まあ、20年ぶりに会ったからといって共通の話題が山盛りあるわけではないので、当時の先生や同級生の話をちょこちょこと話をした程度だったんだけど。

　披露宴はそれなりに楽しく、悪かった天気も披露宴の間だけ晴れ間が出るという天然の演出も加わり、いいものだった。

　帰るときには再び強い風と雨になって、ばたばたと車に乗り込む結果となり、最後はあわただしかった。


　帰り道、高校の頃を思い起こしながら、大事なことを思い出した。



また名前の読み方聞けなかった…


　次に会うのは20年後かしら…