ことばで遊んでます

yuri
に、改名しました。
詩や短歌をかいています。
内容は、フィクションだとおもってください^^

~青い地球の水の声~

2019-09-05 11:16:49 | ポエム(童話)
潮の香
太陽の触手
ひろびろとした海原
愛してる
半裸の

小さな手
動かして
水囲もうとしてる
(跳ねかえる砂(煌めく砂粒(円錐のサークル
は、けれど底無し
水囲めません
((水は繋がっていくものだからです((囲むことはできないのです
(誰の声でしょう
(水の声でしょうか




透明の堆積
濃紺の海
泳ぐ君
花のように水泡咲かせて
ぐいぐい愛しい一つの人型の水泡になってく
(おぉ~い
(お弁当たべようよぅ~




砂浜
お弁当
蟹の穴
ヤドガリの抜け殻
好きです
犬と転げまわる全半裸の君
まっさらな砂につぎつぎ印していく
繋がった愛愛愛型
((繋がる流星のよう
(かつてを想う(水の静かな独り言のようです




澄みきった祈
漣むトレモロ
輝く無数の青い音色

って、
ほとんど水でできているのですよね
だから
みんな
手繋げば
とうとうと流れる清らな水路
((一人でも除け者にしてしまうと命の輪は止切れやがてみんな腐敗してしまいます
(青い地球の水の声でしょうか
(美しい音色です
水平線が涙目みたいに赤く靄りだしました。

















~春の音~

2019-03-06 13:06:44 | ポエム(童話)
(はるかにきこえる
あの音は、遠くで雪が溶けている音
あの音は、雪溶けの水が流れてくる音
山や谷の間流れて
命パパパァンて
花火のよぅに爆発させてゆく音





(かそかにきこえる
あの音は、深くで雪が溶けている音
あの音は、地から湧きあがった水が泉になってゆく音
あの音は、生きものたちの喉を通って
たぷたぷたぷって繋がる
泉たちにしてゆく音





(ひそかにきこえる
この音は、近くで雪が溶けている音
この音は、清らに水が広がっている音
人と人との間に広がり
そっとそぅーっと肩組ませて
一つの人類に戻している音





(春の音




















~福寿草~

2018-02-23 12:59:14 | ポエム(童話)
雨を吸って艶めいてる黒土(クロツチ)押しのけて魚燐の指が突きでてた
地中に潜んでる怪物の指のよぅ
(太陽の優しい温み
指先から
赤子の舌のような黄色い花辺が
ほんの少し覗いた
福寿草が咲くんだ
と思ったのに
暫くしてみたら
黄色い花びら
消えてしまっ
てた





けれど
たくさんの幼いこたち
(あれは咲かない花だった
なんて決めないでください





もしかして
あの黄色い一枚の花片
は、大気に兆してる地球の熟し加減を見極めるためにやってきた、それとも大きな太陽の小さな変化をチェックするためにやってきた、あるいは無数の銀河の生死が吐きだす紫外線の濃淡をみるためにやってきた、のかもしれません。
そして、ミッションを終えて、いま、地中で、
根っこや茎や花や葉っぱやらでそのデータを分析し咲く日を決めているかもしれません。
あるいはあの小さな行動には何かもっともっと大きな意味があるのかもしれません。





分りません
けれど
たくさんの幼いこたち
(分らないんだ
なんてガッカリしないでください
(分らないんだに至った時にはもうすでに分ったとゆう道を歩きだしているのです。分らないは分ったの始まりなのです。






だから
たくさんの幼いこたち
《一つの現象にであったらその原因理由を可能な限り考えてください。ほとんど分らないに至ってしまうのですが、その分らないに至る試みこそが分ったへの翼造りなのです。翼ひろげ隠されている事実へと飛ぶそして隠されている事実をみつける。それがほんとうに分ったとゆうことなのです。》





嗚呼、もうすっかり太陽の温み広がってます
どこまでもどこまでも陽(ヒ)色です
きもちがいいです
あれ
みてください
赤子の舌のような花片が
複数枚やってきてます
綺麗な黄色
魚燐の指
綻んでます
福寿草が
咲くのです
なんだか
なんだか
嬉しい
です













~クリスマスプレゼント~

2017-12-31 13:12:28 | ポエム(童話)
いっぱいの電飾つけてクリスマスソング歌ってる街
樅の木のいい香りいっぱいの僕の家
赤や緑や金色のクリスマスプレゼントいっぱいのママの部屋
「僕もクリスマスプレゼントをつくろう」
と太郎はベットの下から大きな箱ををとりだしました。
箱には、宮沢賢治が[星の子]といった小石たちがいっぱいはいっています。太郎が毎年行く海岸で拾って宝物にした小石たちです。
角の丸ぁるいさまざまな形
硬く浸みこんでるさまざまな色
握ると
つめたい
宇宙人のよぅ
宇宙に散らばってるいっぱいの星々のこと
教えてくれてるよぅ
と太郎は思うのです。


じっとみつめてる宇宙人の黒目
みたいな黒曜石は
パパやおじさんやおじいさんにあげよう


ママやおばあちゃまやおばさんには
いつもちょっかいだしてくる女の人の
キラキラした指のよぅな石英をあげる


星屑たちのつくる輝く綱(ツナ)や網(アミ)が流れきたよぅ
そんな模様のある砂岩は
友達と従兄達にあげる


きのう喧嘩しちゃった雄くんには、
そうだ、ずっと大事にしてきたブラックホール渦巻いてる
夜空のよぅなラピスラズリをあげよう


それから、いくら考えても嫌いな理由思いつかない
(から好きじゃないと思うのやめたんだ)智くんには
よくうごく眼みたいなメノウをあげる


「ふぅーおわった」


箱はほとんどからっぽになっていました。


(みんないなくなっちゃうんだね
みんなちりぢになっちゃうんだね
さびしい
けど
どこへいってしまっても
君たちは僕の宝物)


「ママぁ~!」
ママに袋つくってもらう。一年生になったからってなんでも自分で出来るわけじゃない。


夕食(僕の好きなビーフシチュースパゲティー)食べてから、カードにメリークリスマスと書いた。イエスキリストの誕生日おめでとうって意味なんだけど、僕はキリストに会ったことがない。よく知らない人の誕生日をこんなに祝うのってなんだか変とゆうか不思議、けど、まぁー、みんなのことこんなに考えられたから、やっぱりクリスマスはあったほうがいいと思う。僕もプレゼントもらえるし、、、なにもらえるのかなぁ、、、


太郎はぐっすりと眠っています。「誕生日祝ってくれてありがとう」とよく知らない人に言われたのでしょうか、にっこりとして「どういたしまして」と、とても丁寧な寝言を言いました。




















































~虫の時間~

2016-05-13 17:24:24 | ポエム(童話)
君にみえないものもあるんだよ


僕が幕を破ってはいだしたら
君は虫がうまれたって
いったけど
僕は一年前
地中ですでにうまれてたんだよ
温度の指令で
きょう
地上にでてきた


なかないね
って
ないてるよ
君に聞こえないだけ
そんなに触られると
いたいよ
僕小さいから


君にはきこえない音波がたくさんあるんだよ
音は喉以外でもだせるんだよ
僕はからだ全体で全てを感じ全てを表現してる


それもきこえずママとでかけてった(ふふ(人間のこってかわいい


「ばらさんはうつくしい」といいながら緑の木肌をやさしくなぜる、とポッと香りが弾きでて甘い樹液の玉が焼きあがる。これが、僕の、たった一度の食事。ありがとう、ばらさん。


まだいるよ
かえってきたんだ
おかえりなさい

君ってさ
朝とあんまり変わらないね
僕はもう青年
恋を探してる
そして
子孫を残して
夜には
この星の
材料になる
そして
この星がしんだら
新しい星の
材料になる
そうして
そこから
人間が生まれる
かもしれないよ
分からないけど


明日の朝
君は僕の抜け殻をみる
淋しくなんてないよ
僕は君の記憶のなかで
生きるから
だからね
一生懸命生きた僕の一日を君の一生懸命の材料にして
(虫だってあんなに一生懸命生きたんだから、みたいでもいいよ


ほら
ママが呼んでる
わぁ!転ばないで
人間の子供って
ほんと
かわいい











~クリオネ~

2013-11-22 15:19:50 | ポエム(童話)
水族館とゆうおおきな透明なチューブから吹き湧くあのブルーフィッシュのように巡る破線になって流れこんできたママと萌、姪、の破線わたしの腿に巻きついてわたしの瞳みあげて


(クリオネ(クリスマスのキャンドルみたいだった
(真っ赤な炎(胸に(点ってたよ


みあげてる瞳に白ろうそく色したかわいい翅したクリオネが


(じゃないでしょ
(クリオネは貝の仲間でしょ
(説明きいてないんだから


ママの声に真っ赤な炎消して白ろうそく色のアンテナ立てたクリオネなにかつたえたいの

ポットの紅茶盛んに対流してもしかしてなにかつたえてるの

クリオネの泳ぎ方の縦書きでミルフィーユのパイ片萌の頬謎って散ったなにかつたえたんだ

つたえあってるピンクのテーブルセンター


(帰るよ


いわれてホーセンカの種になって弾き跳ぶ萌もう玄関(褒められたいスピードだね、のに、また、わたしに戻ってきて頭に巻きついてきてファウファウばかりのつたわりにくい萌の内緒


(点ってた炎(クリオネの微笑んでる心だよ(あったかいんだよ


そうつたえて萌また巡る破線になってクリオネと一緒にママへと流れていった、微笑みかけてくれるクリオネの心のあたたかさわたしに残して












~晴れわたった漆黒~

2013-11-01 13:36:55 | ポエム(童話)
キャーキャーと
光の瀑布の中で放つ喜びが
また光になってしまう
ディズニー・ランド


あふれてるものは
好きなものだけ


嫌いなものって
いらないのだろうか


重いドライアイスの煙に
目を傷め
目を瞑る


わたしとわたしの好きなものが
消えた
イルミネーションの残影も消え
撒き散らかされてた光の映像の全て
が消えた


晴れわたった漆黒


星たちの成長


ボワッって膨らんで
揃って伸びて
そして
かそかな震動で告げてくる


(好きなものも
(嫌いなものも
みんな
繋がって
るって
(光も
(闇も
みんな
繋がって
るって


あゝ
また
身を
揺すって
星たち
成長
した


そして
いらないものなんて
ないって
ひとつでも欠けさせてしまったら
繋がりは
解け
ぼくたちは
どうしようもなく
どうしようもなく
孤独に
なって
しまう






星たちが震えた


ランドが
光の瀑布を
折りたたんで
膨大な電球たちに
身支度させて
ほんものの夜
晴れわたった漆黒
へと
繋がって






















~アロスコンレチェの香~

2013-07-12 15:28:00 | ポエム(童話)
巡る風に連れられてきた蝶が、わたしの掌でパタパタと、今日の分だけ鱗粉をさしだす


それは星のボウロ


遠い国


お箸を上手に使えた兄が
わたしを摘まんでた頃


わたしの朝の庭は、
カスミソウを
一面
薄く
張ってて
そのしたに
紺色の空を
幾つも
重ねて
閉じこめてて
そのうえ
に、
星たちが
落っこちて
いるのでした


わたしは早起きをして
その星たちに
蝶の黄色い鱗粉
ボウロを
あげます


それは薄いスウェニョ


星たちは
おっぱいをのむように吸いこんで
丸あるく
黄色く
膨らんで
ほんのりと
欠伸をして
ひゃくって
鳴いて
(それは星たちのおやすみなさいで
夜が点火にくるまで
眠るのです


するとあなたがあらわれます


空からやってきたパン屋さん
わたしの掌のなかの鱗粉をみつけると
高い塀からヒラリ
髪を金色の網にして
わたしを捕まえようとする
けれどほんのすこし
わたしが話したそうにしただけで
ぴぃーって口笛鳴らして
(アロスコンレチェの香
かけつけた空に飛び乗って
空の脇腹蹴って
いってしまう


光みたいに


影みたいなパン
ころんて
落として


飛んでいけない高すぎる天


あの遠い


わたし

兄が
お箸で摘まんで
きゃーきゃーと
わたしを
鏡に映したように
真似てもう
戻れない


わたし

坂に引っ張られて
おおきく
カーブ


したら、
ねころんだ地球のひろーい弧
のうえで
ぶるぶるしてる離陸寸前の学校
ぶるぶる
ふるふる
空のパン屋さんの急ぎ足


わたし、

いっぱいに
広げて
鱗粉
全部
みせた
のに、


山盛りのパンに
鞭打って
素知らぬ顔で
いって
しま




そのしばらく後


高い塀の上に尖った鎖が張られて
しまったその日から、
空のパン屋さんは
こなくなってしまいました


(もこもこと広がってた金髪の働いてた少女
こんなに年を経てもまだ忘れられない少女
(ぞろっておとなの洋服着て働いてた少女


その日から


蝶も鱗粉をさしださなくなりました
星たちももうやってこなくなりました


飛んでいけない高すぎる天


あの遠い


アロスコンレチェの香のする
わたしの子どもの頃の
お話です
























~星座~

2013-07-05 12:25:50 | ポエム(童話)


のっしのっしと歩いてくるのは
いくらなんでもたいへんだとおもう


飛んでくるのかなー


星たちに曳かれた
大帆船団みたいに


先頭を指揮してるの
優君のパパだったら
もっといいね





優君は
宇都宮からこの病院へやってきたばかりの
5才の男の子


消灯になると
宇都宮へ帰りたいって
泣く


から
4才から
1年以上
入院してる僕
が、
宇都宮を
病院へ連れてくる方法を
考えてる





きらきらきらきら
大観覧車で
くるくるくるくる
水車の真似してやってくる
のも
いいよね
そうして
やってきてしまったら
宇都宮と東京がメッシュ
僕の家と優君の家がメッシュ





お母さんに会える、


ね、


うん、





昨日さぁ~


朗君のお母さん
朗君を抱きしめて
泣いてたよね


朗君
死んじゃうの


死なないとおもうよ



僕は言ったけど
自信はなかった
紀彦君も
死んじゃったし
自信はなかった
んだけど


死なないよ
って
僕は
また
いっ






ら、
優君
嬉しそうに
よかった
って
にこ
って
した
そして
カーテンの向こうへ
頭だけだして
宇都宮がやってくるのを
じっと
まってる





真っ暗な空
深くて
広い
河のよう
病院の
外灯を
めざして
流れて
くる
河を
星たちが
尖った光を
腕みたいに伸ばして
ずん
ずん
漕いで
くる
みるみる
大群になって
大帆船団に
なって
大観覧車になって
僕と優君の家を曳いてくるんだ


(はいりきれるかなぁ~~





(星座には
きっと
お母さんが
座って









~ノックされたノックした~

2013-06-15 19:08:38 | ポエム(童話)
友達が
バックに入れて
子猫
つれてきた


片手で握ったら
みゃーみゃーなき
手足をくうに泳がせる


こんなに
やわく
生きてるんだ


()こわさないよう


両手のくぼみで
すくいあげ
頬寄せてみたら


太陽の温みと
香ばしさ


()こぼさないよう


かかげて
姿
みてみた


(わぁー
(つたんかーめんのあかちゃんみたい
(かわいい~~~


たかくて
こわくて
みゃ~~ん

ないた


いとおしくて
いとおしくて
だきしめた


ノックしてるよ


必死の鼓動

わたしを
ノックしてる


ノック
かえす


()ふさわしいよう


命の限りの鼓動で
わたし
ノック
かえした


ふワあ~
レースのカーテン
膨らんで
割れそう


太陽、
きみを
抱きたくて
パパイヤ
色の


深呼吸みたいな
ノック
して
るん



だから
友達

子猫
ぬめっとした
黒い
2つの
種になって
ずるずずずって
太陽の
掌の
果肉に
もぐって
った


太陽、
友達

子猫
優しく
握って
送って
った









~ぼくの隣人~

2013-03-10 15:51:04 | ポエム(童話)
海が
なにげに
そう
バタフライ
みたいに
けれども
それほど
激しくない
しぐさで


大地ねこそぎ
草花
おそらく
動物
つまり
人間も
(人間だよね?

ゆったりと
さらっていった
(こうゆうのっていつも悲しい



おもいだしてた
地球の地震津波そして収縮
ぼくたちの地球の収縮
は、
とても
すごい
速度
で、
地球の
手足は
みるみる
鉄化
して
いって
一直線に

へと
落下
して
いって
いまも、
し続けているのだろう
じぶんの
一部
みたいな
生物
みんな
引き連れて
(いまに(この星だって



もう
すっかり
泥の海
だ、
から
(おや?
這いだしてきた
蟹股だ
猫背だ
人間だ
(人間だよね
勝手にだけど
ぼくの
隣人
(よかった生きてたんだ、けど
一人きり?
家族は?



悲しく
長い
吠え声が
きこえる



ぼくの
家族の
泣き声が
きこえ




ごめんね
ぼくは
新しい地球を、
プレゼント
できなかった




遠くに
見える
地球は
もう
うんと
錆色



それでも
かれは
狩りにでかけた
蟹股で
猫背で
残された
じぶんとゆう
一人ぽっちの
命の
ため




ぼく

小さなロケットに閉じこめられて、
かれの住んでる小さな星の周りを回って(勝手にだけど
生きてる



よかった
獲物に
ありつけたんだ
ぼくも
宇宙食を
食べよう
(もう少し
しか
ない



で、
(ゆわゆる
宇宙の渚を抜けて1020秒後、ぼくのロケットは壊れた
そして
水も
もう
少し



いま、
電子が
ぼくの足首の辺りから
飛び立った
たえず
ショートしあってる
火花燃やしあってる
電子の沼へと
跳びこんでいった
ぽつり

ぼくが
浮かんでる



(右足はもう抜け殻
(もうすぐ全てが抜け殻になる
(そのあとは分からない



ただ
ぼくの大好きな人たちに、
ありがとうがいいたい
幸せだった

いいたい
いまも
不思議なんだけど
不幸せなんかじゃないんだ



ぼく

隣人
ほしてた肉を
腰につるして
旅に出るみたい
歩きだした
蟹股で
猫背で
多分
新しい
かれの
隣人を
探しにゆく



さようなら
たくさん
ありがとう
もう
きみを
みつけられないと
思うよ
いま、

終わっちゃったから



仲間たち

誰か
Takesiかなー
新しい地球
みつけたかなー



大丈夫

思うことが
いまの
ぼくの
救いなの
尾根の上



動いてるものがみえる
猫背だ
蟹股だよ
ぼくの
隣人
だよ
必死で
歩いてるよ
なんか
(なんか
(自然現象みたいに
(美しい
(命

きみは
ひたすら
歩いてる

飲んで
無い
のに
こんなに
涙が
零れ














~小さな鳥~

2012-11-30 22:47:59 | ポエム(童話)
ある日
森が
火事になりました
火は
フォークのような舌を
つきあげたり
すくいあげたりして
木々たちを
めらめらぼー
ぱちぱちしゅー
って
たいらげてゆきます


低木や下草たち
そして花たち
ただ、
ただ
みつめられただけで
もう
真っ青になって
そして
白っ灰になって
まいきえてしまいます
一瞬




(Haaaaa
お隣の
七歳の
女の子
あこちゃんの
溜め息です


きょうは
おおきな
風船を
かかえて
やってきました


風船には、
かなしい
くるしい
水が、
ゆうら
ゆら
ゆれてます


わたし
そー

みつめて
さわりかけたら
あこちゃん
なんでもないのフィルターで
かくしてしまいました


庭では
はつ冬の
陽が
葉っぱたちを
やいてます
その香
(こうばしくって
みちみちて
濡縁は
もう
森の
サウナです



(きもち いいー (ねっ !

(うん (森は ?



森は ?
森はね、
森は
もう
ひとつの
食べすぎの
太っちょの
炎に
なって
しまっていて
それでも
にげおくれた動物たちや
高い木たち


まもろうと
してる
ひっしの
姿
みえてました


にげきれた
動物たちと鳥たち
遠く
その姿
みて
(どうしようもない
(ことなんだ

なきました



あこちゃんの瞼
にも
ゆうた
ゆた

ゆらぎました


今年の
七夕様の日にうえた
笹が
ブーン

はねました



蜂ではありません



蜂ににている
小さな
鳥です
小さな嘴で
沼の水を
森へ
はこんで
ます


ブーン


嘴から
どうしても
こぼれてしまう
水が、
虹になって
森へと
かかって
ゆきます


(もし
(もし !
(この虹を
(わたれたら
(そう
(おもってしまうような
(そんな
(虹


でも
火は
またたく
虹を
その
長い


からめ
たべて
しまい
ます


森と沼の動物と鳥たち


(もう
(どうしようもない
(ことなんだ
と、
あきらめて
しまいました


けれども
小さな

だけは
あきらめません


つぎ
つぎ
おそってくる
火の


かわし
くぐり
せいいっぱい
嘴でとがらせた水を
火に
ふきつけ
(ほんとはほんのわずかな水でしかないのですが


そして、
もえつきる
寸前の
火の玉
みたいに
なって
沼へ

もどると
また
すぐ
森へと
とぶのです
いくども
いくども



こらえていたのに、
あこちやんの

こぼれてしまいました
ツー
ツー

マシュマロピンクの
頬をながれる
涙の筋、
まるで
あの
虹の
よう
です



(もし
(もし !
(この虹を
(わたれたら

おもっていた
動物たちと鳥たち
(幾度かけても
(虹は
(たべられてしまうんだ


小さな鳥に
せっきようしたり
ばかにしたり
わらったり
して
最後には
みんな
ぐっすり
ねむってしまいました


小さな鳥も
つかれはてていました
が、
(こんなに小さなことしかできなくても
(わたし
(する
(の

いって
また
森へ
とびたちました



小さな冬の陽が、
あこちゃんの
頬の

くわえて
ブーン

風船の
なかへ
とんで
ゆき
ます


かなしく
くるしく
(その理由、おしえてくれなかったけど
ゆらいでいた水が
ゆうら
ゆら
虹色に
さいてゆきます


(小さな鳥のとびかう虹
(の風船
(それはあこちゃんの心


かかえて
あこちゃん、
すっかり
こんがり
やきあがった
落ち葉たち


さあく
さく
って
なぜるように
およいでるみたいかな ?
(かわいいかっこう

かえってゆきました


さよならって
にこって
門のところで
ふりかえって


決意のような

して


あこちゃん、
七才の世界で
なにかを
しようと
してるのでしょうか


たとえば、
それは、
もえつきる寸前の火の玉
みたいにならなければ
できない
やさしいこと

ような
きが
します


はつ冬の陽が
雲を
ひとはけ
ひからせて
真っ青な空へはなちました
ほんの
一瞬
その

ブーン

小さな

みたいに
はばたきました

羽毛みたいに
どこまでも
どこまでも
ちって
ゆきました















(小さな鳥の話は、子供のころ、メキシコ人のお姉さんからききました。完全に覚えていないのですが。(笑))


~カレンダーを裂くと~

2010-04-06 13:16:30 | ポエム(童話)
 Ⅰ


泊まりにきて
こびとは
幾つも
悪戯をして
びりりりりーー
最後に
カレンダーを
裂きました


あーあーあーあー
殆んど一年


を、そっと抱き起したら
裂けた向こうに
赤毛くるくるの少年が


〈焦げ臭い太陽の匂い 星が焼かれてます〉


 Ⅱ


〜〜変わる変わる変わる其れが命題〜〜


〈惑星に馬乗ってそう歌ってる風を熟(コナ)す獣〉


大気に浮かぶ天秤皿
減らされ増やされ増々斜めで
落されてる粒は何だか一角雫に見えて
操る少年は操りながら巨大化して
私の水晶体を突き抜いた


 Ⅲ


痛いぃぃぃ涙は引き千切られて引き摺られて


引き伸ばされて薄ーくもう少年は薄ーく希赤色の楕円の回転体になって一角雫になって
うまれた手足
散らばった少年を掻き集め少女へ
結晶させました


振り解(ホド)いた髪はやっぱりルビーレット


 Ⅳ


ルビーレット渦回し
渦回る一人遊びのカレンダー
チュールを引っ張らないで
ピピン


〜〜変わる変わる変わる其れが命題〜〜


〈と歌って獣希赤色に風研いで風チュール研いで〉


ルビーレットの髪乱して
渦巻きながら失われていく少女
が小さな声をあげました
チュールの薔薇から虫たち湧きあがりました
無数の翅の一角雫柱から冬孵化しました


 Ⅴ


〈あっ獣惑星蹴飛ばした〉


雫柱撓(タワ)んで少年現れました
ぴゅーー、冷気放って凍結しました
天秤皿はすっかり斜めで
沈みゆく息つかない氷虫の塊


希赤色の腕(カイナ)で少年が
少女を目覚めさせました


 Ⅵ


ルビーレットの砂丘に目覚めた柔らかな二つの破水で生まれようとする命たちが息を立ち昇らせ始めましたチュールの中で少女が胸を上下させ始めました


 Ⅶ


〈獣に熟された風たち少女を開きました〉


瞳から
なんて小さな命たち
産み落されました


〜〜悲しむ人が嬉しむサイクル〜〜


涙が、嬉しむ涙が、ゆぅらゆぅらと広がってゆく世界、悲しむ人がつぎつぎ嬉しみ巡る惑星


 Ⅷ


〜〜変わる変わる変わる其れが命題〜〜



遊んで
咲いたカレンダーを
巡る季節のように
赤毛くるくる
こびとは
回して


〈焦げ臭い太陽の匂いがして星また一つ焼かれて惑星に馬乗った獣ぴゅうと風巡らせて・・・います〉