ある日
森が
火事になりました
火は
フォークのような舌を
つきあげたり
すくいあげたりして
木々たちを
めらめらぼー
ぱちぱちしゅー
って
たいらげてゆきます
低木や下草たち
そして花たち
ただ、
ただ
みつめられただけで
もう
真っ青になって
そして
白っ灰になって
まいきえてしまいます
一瞬
で
(Haaaaa
お隣の
七歳の
女の子
あこちゃんの
溜め息です
きょうは
おおきな
風船を
かかえて
やってきました
風船には、
かなしい
くるしい
水が、
ゆうら
ゆら
ゆれてます
わたし
そー
と
みつめて
さわりかけたら
あこちゃん
なんでもないのフィルターで
かくしてしまいました
庭では
はつ冬の
陽が
葉っぱたちを
やいてます
その香
(こうばしくって
みちみちて
濡縁は
もう
森の
サウナです
(きもち いいー (ねっ !
(うん (森は ?
森は ?
森はね、
森は
もう
ひとつの
食べすぎの
太っちょの
炎に
なって
しまっていて
それでも
にげおくれた動物たちや
高い木たち
の
命
まもろうと
してる
ひっしの
姿
みえてました
にげきれた
動物たちと鳥たち
遠く
その姿
みて
(どうしようもない
(ことなんだ
と
なきました
あこちゃんの瞼
にも
ゆうた
ゆた
涙
ゆらぎました
今年の
七夕様の日にうえた
笹が
ブーン
て
はねました
蜂ではありません
蜂ににている
小さな
鳥です
小さな嘴で
沼の水を
森へ
はこんで
ます
ブーン
嘴から
どうしても
こぼれてしまう
水が、
虹になって
森へと
かかって
ゆきます
(もし
(もし !
(この虹を
(わたれたら
(そう
(おもってしまうような
(そんな
(虹
でも
火は
またたく
虹を
その
長い
舌
で
からめ
たべて
しまい
ます
森と沼の動物と鳥たち
(もう
(どうしようもない
(ことなんだ
と、
あきらめて
しまいました
けれども
小さな
鳥
だけは
あきらめません
つぎ
つぎ
おそってくる
火の
舌
を
かわし
くぐり
せいいっぱい
嘴でとがらせた水を
火に
ふきつけ
(ほんとはほんのわずかな水でしかないのですが
そして、
もえつきる
寸前の
火の玉
みたいに
なって
沼へ
と
もどると
また
すぐ
森へと
とぶのです
いくども
いくども
こらえていたのに、
あこちやんの
涙
こぼれてしまいました
ツー
ツー
と
マシュマロピンクの
頬をながれる
涙の筋、
まるで
あの
虹の
よう
です
(もし
(もし !
(この虹を
(わたれたら
と
おもっていた
動物たちと鳥たち
(幾度かけても
(虹は
(たべられてしまうんだ
よ
と
小さな鳥に
せっきようしたり
ばかにしたり
わらったり
して
最後には
みんな
ぐっすり
ねむってしまいました
小さな鳥も
つかれはてていました
が、
(こんなに小さなことしかできなくても
(わたし
(する
(の
と
いって
また
森へ
とびたちました
小さな冬の陽が、
あこちゃんの
頬の
虹
くわえて
ブーン
て
風船の
なかへ
とんで
ゆき
ます
かなしく
くるしく
(その理由、おしえてくれなかったけど
ゆらいでいた水が
ゆうら
ゆら
虹色に
さいてゆきます
(小さな鳥のとびかう虹
(の風船
(それはあこちゃんの心
かかえて
あこちゃん、
すっかり
こんがり
やきあがった
落ち葉たち
の
頭
さあく
さく
って
なぜるように
およいでるみたいかな ?
(かわいいかっこう
で
かえってゆきました
さよならって
にこって
門のところで
ふりかえって
決意のような
瞳
して
あこちゃん、
七才の世界で
なにかを
しようと
してるのでしょうか
たとえば、
それは、
もえつきる寸前の火の玉
みたいにならなければ
できない
やさしいこと
の
ような
きが
します
はつ冬の陽が
雲を
ひとはけ
ひからせて
真っ青な空へはなちました
ほんの
一瞬
その
雲
ブーン
て
小さな
鳥
みたいに
はばたきました
光
羽毛みたいに
どこまでも
どこまでも
ちって
ゆきました
(小さな鳥の話は、子供のころ、メキシコ人のお姉さんからききました。完全に覚えていないのですが。(笑))
森が
火事になりました
火は
フォークのような舌を
つきあげたり
すくいあげたりして
木々たちを
めらめらぼー
ぱちぱちしゅー
って
たいらげてゆきます
低木や下草たち
そして花たち
ただ、
ただ
みつめられただけで
もう
真っ青になって
そして
白っ灰になって
まいきえてしまいます
一瞬
で
(Haaaaa
お隣の
七歳の
女の子
あこちゃんの
溜め息です
きょうは
おおきな
風船を
かかえて
やってきました
風船には、
かなしい
くるしい
水が、
ゆうら
ゆら
ゆれてます
わたし
そー
と
みつめて
さわりかけたら
あこちゃん
なんでもないのフィルターで
かくしてしまいました
庭では
はつ冬の
陽が
葉っぱたちを
やいてます
その香
(こうばしくって
みちみちて
濡縁は
もう
森の
サウナです
(きもち いいー (ねっ !
(うん (森は ?
森は ?
森はね、
森は
もう
ひとつの
食べすぎの
太っちょの
炎に
なって
しまっていて
それでも
にげおくれた動物たちや
高い木たち
の
命
まもろうと
してる
ひっしの
姿
みえてました
にげきれた
動物たちと鳥たち
遠く
その姿
みて
(どうしようもない
(ことなんだ
と
なきました
あこちゃんの瞼
にも
ゆうた
ゆた
涙
ゆらぎました
今年の
七夕様の日にうえた
笹が
ブーン
て
はねました
蜂ではありません
蜂ににている
小さな
鳥です
小さな嘴で
沼の水を
森へ
はこんで
ます
ブーン
嘴から
どうしても
こぼれてしまう
水が、
虹になって
森へと
かかって
ゆきます
(もし
(もし !
(この虹を
(わたれたら
(そう
(おもってしまうような
(そんな
(虹
でも
火は
またたく
虹を
その
長い
舌
で
からめ
たべて
しまい
ます
森と沼の動物と鳥たち
(もう
(どうしようもない
(ことなんだ
と、
あきらめて
しまいました
けれども
小さな
鳥
だけは
あきらめません
つぎ
つぎ
おそってくる
火の
舌
を
かわし
くぐり
せいいっぱい
嘴でとがらせた水を
火に
ふきつけ
(ほんとはほんのわずかな水でしかないのですが
そして、
もえつきる
寸前の
火の玉
みたいに
なって
沼へ
と
もどると
また
すぐ
森へと
とぶのです
いくども
いくども
こらえていたのに、
あこちやんの
涙
こぼれてしまいました
ツー
ツー
と
マシュマロピンクの
頬をながれる
涙の筋、
まるで
あの
虹の
よう
です
(もし
(もし !
(この虹を
(わたれたら
と
おもっていた
動物たちと鳥たち
(幾度かけても
(虹は
(たべられてしまうんだ
よ
と
小さな鳥に
せっきようしたり
ばかにしたり
わらったり
して
最後には
みんな
ぐっすり
ねむってしまいました
小さな鳥も
つかれはてていました
が、
(こんなに小さなことしかできなくても
(わたし
(する
(の
と
いって
また
森へ
とびたちました
小さな冬の陽が、
あこちゃんの
頬の
虹
くわえて
ブーン
て
風船の
なかへ
とんで
ゆき
ます
かなしく
くるしく
(その理由、おしえてくれなかったけど
ゆらいでいた水が
ゆうら
ゆら
虹色に
さいてゆきます
(小さな鳥のとびかう虹
(の風船
(それはあこちゃんの心
かかえて
あこちゃん、
すっかり
こんがり
やきあがった
落ち葉たち
の
頭
さあく
さく
って
なぜるように
およいでるみたいかな ?
(かわいいかっこう
で
かえってゆきました
さよならって
にこって
門のところで
ふりかえって
決意のような
瞳
して
あこちゃん、
七才の世界で
なにかを
しようと
してるのでしょうか
たとえば、
それは、
もえつきる寸前の火の玉
みたいにならなければ
できない
やさしいこと
の
ような
きが
します
はつ冬の陽が
雲を
ひとはけ
ひからせて
真っ青な空へはなちました
ほんの
一瞬
その
雲
ブーン
て
小さな
鳥
みたいに
はばたきました
光
羽毛みたいに
どこまでも
どこまでも
ちって
ゆきました
(小さな鳥の話は、子供のころ、メキシコ人のお姉さんからききました。完全に覚えていないのですが。(笑))