ことばで遊んでます

yuri
に、改名しました。
詩や短歌をかいています。
内容は、フィクションだとおもってください^^

~カレンダーを裂くと~

2010-04-06 13:16:30 | ポエム(童話)
 Ⅰ


泊まりにきて
こびとは
幾つも
悪戯をして
びりりりりーー
最後に
カレンダーを
裂きました


あーあーあーあー
殆んど一年


を、そっと抱き起したら
裂けた向こうに
赤毛くるくるの少年が


〈焦げ臭い太陽の匂い 星が焼かれてます〉


 Ⅱ


〜〜変わる変わる変わる其れが命題〜〜


〈惑星に馬乗ってそう歌ってる風を熟(コナ)す獣〉


大気に浮かぶ天秤皿
減らされ増やされ増々斜めで
落されてる粒は何だか一角雫に見えて
操る少年は操りながら巨大化して
私の水晶体を突き抜いた


 Ⅲ


痛いぃぃぃ涙は引き千切られて引き摺られて


引き伸ばされて薄ーくもう少年は薄ーく希赤色の楕円の回転体になって一角雫になって
うまれた手足
散らばった少年を掻き集め少女へ
結晶させました


振り解(ホド)いた髪はやっぱりルビーレット


 Ⅳ


ルビーレット渦回し
渦回る一人遊びのカレンダー
チュールを引っ張らないで
ピピン


〜〜変わる変わる変わる其れが命題〜〜


〈と歌って獣希赤色に風研いで風チュール研いで〉


ルビーレットの髪乱して
渦巻きながら失われていく少女
が小さな声をあげました
チュールの薔薇から虫たち湧きあがりました
無数の翅の一角雫柱から冬孵化しました


 Ⅴ


〈あっ獣惑星蹴飛ばした〉


雫柱撓(タワ)んで少年現れました
ぴゅーー、冷気放って凍結しました
天秤皿はすっかり斜めで
沈みゆく息つかない氷虫の塊


希赤色の腕(カイナ)で少年が
少女を目覚めさせました


 Ⅵ


ルビーレットの砂丘に目覚めた柔らかな二つの破水で生まれようとする命たちが息を立ち昇らせ始めましたチュールの中で少女が胸を上下させ始めました


 Ⅶ


〈獣に熟された風たち少女を開きました〉


瞳から
なんて小さな命たち
産み落されました


〜〜悲しむ人が嬉しむサイクル〜〜


涙が、嬉しむ涙が、ゆぅらゆぅらと広がってゆく世界、悲しむ人がつぎつぎ嬉しみ巡る惑星


 Ⅷ


〜〜変わる変わる変わる其れが命題〜〜



遊んで
咲いたカレンダーを
巡る季節のように
赤毛くるくる
こびとは
回して


〈焦げ臭い太陽の匂いがして星また一つ焼かれて惑星に馬乗った獣ぴゅうと風巡らせて・・・います〉