この時期になると昨年の入院のことが思い出されます。
小腸損傷の手術の後、順調に回復し、集中治療室から一般病棟に移り点滴も外れて、病院内を階段で移動できるようになりました。 執刀医の先生からは「来週出張だけど、出張中に退院できるだろうから。 そうしたらもう会うこともないね。」と言われた直後のことでした。
早く退院したいと少し無理して食事を完食していたのですが、腹部の膨満感から、突然、ベッドで緑色の液体を嘔吐しました。 吐くと少し楽になるのですが、それから週末の2日間昼夜もなく数時間ごとに嘔吐しつづけました。
そのときの手の写真。 脱水症状がひどく血管が浮き出ています。
後でわかったことですが、吐いていたのは、肝臓から分泌される胆汁でした。 胆汁は肝臓から1日に約500〜800ml十二指腸に分泌され、消化吸収の助けをしています。 十二指腸が狭窄していたので、食事も水も通りませんし、分泌された胆汁がお腹の中に貯まって、苦しくなると口から吐いていたのでした。
週明けの造影検査で十二指腸の狭窄と分かり、鼻から管を入れると胃腸に貯まっていた胆汁が出るわ、出るわ.. 器に一杯1ℓ くらい出たでしょう。 主治医の先生からは、「長引きます」の一言。 間もなく退院と期待していた状況から一転。 いつ退院できるか全く分からないまま、それから23日間、一切食事なしの生活が始まりました。
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