◆パン工房 ぽこ・あ・ぽこ◆

パン屋での出会いや発見。新作パンの紹介。
日常のあれこれなど。(ぜひ一番下よりPC版で)

たかがパン、されどパン!!

2014年02月20日 | エッセイ
月曜日に臨時営業を始めてから、今週は特に食パンを求めるお客様が多数お越しになってありがたい限りですm(__)m
でもそれ以上にありがたいのは、「食パンががある~」「パンが買えてうれしい」と喜んで下さるお客様が多いことです。中には「人助けだよお」とか「パンがあるなんて夢みたい」とまでおっしゃる方がいて、手伝いをしていた子供達もびっくりしていました。私たちはパンを作って売るのが仕事で、好きな仕事でお金をもらえるだけでも幸せなのに、そんな風に思って下さる方がいるなんて、本当に幸せです改めて地元にパン屋を開いてよかったなあと思いました。

そうは言ってもたかがパン。普段ならそんなにパンに執着することもないと思いますが、やはり多くの人が追いつめられていたんだと思います。中央道が通れるようになってだんだん物資も入るようになりましたが、未だに品薄状態。日曜日、月曜日などは、スーパーもコンビニも陳列棚ガラガラで、大震災の後を思い出すかのようでした。その上大人の腰以上もある重たい雪の雪かき。道の除雪も進まず、買い物も徒歩で行くしかない状態。
駐車場の雪かきをしてくれた福嶋さんが、「人に大切なことを思い出させるために神様が雪を降らしたんだ」とぼそっと言ったのがとても印象に残っています。確かに大震災の後、普通に暮らせる幸せとか、物を大切にすることとか、電気のありがたさとか、いろんなことを感じ学んだはずなのに、いつしか忘れてしまったかのように生活していたと思います。
今回の途方にくれるような大雪の中、福嶋さんはじめ自分の事より人のために進んで除雪作業を行っている人もいました。本当に頭が下がります。うちの店でも残り少なくなったパンを後から来たお客さんと譲り合って下さった方もいらっしゃいました。自分も大変な時に人を思いやれる心って素敵だと思うし、自分も持っていれたらと思いました。避難こそしないまでも普通の生活ができなくなるくらいの大雪に、いろんなことを考えさせられる毎日でした。

「世界のパン ヤマザキ」の車も走り始め、きっとスーパーにパンも並ぶようになってきたと思いますが、今回初めて店を訪れて下さったお客様の中に、少しでも「ぽこ・あ・ぽこ」のパンを気に入ってくれる方がいたらいいなあと思う私です。値段では勝てませんが、機械では作れない心のこもったパンをこれからも作っていきたいと思います。

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