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ビブリア古書堂の事件手帖

2018年11月01日 | 映画
ビブリア古書堂の事件手帖
を観ました。


鎌倉の片隅にひそやかに佇む古書店「ビブリア古書堂」。
店主の篠川栞子は極度の人見知りだが、ひとたび本を手にすると、その可憐な唇からとめどなく知識が溢れだす。
さらに彼女は優れた洞察力と推理力で、五浦大輔が持ちこんだ夏目漱石の「それから」に記されたサインの真偽を解き明かし、彼の祖母・絹子が50年前に〝秘密の恋〟をしていたと指摘する。
これが縁となり古書堂で働き始めた大輔は、日に日に栞子に惹かれていく。
だが、過去の出来事から本が読めなくなった大輔は、同業者の稲垣が本を介して栞子と心を通わせるのを複雑な想いで見守るしかなかった。
そんな中、謎の人物が栞子が大切に保管する太宰治の「晩年」を奪おうとしていた。
その正体を探り始めた二人は、「それから」に秘められた絹子の恋の行方と、「晩年」に隠された秘密がつながっていることに気付く。
しかもその先には、大輔の人生を変える〝ある真実〟が待ち受けていた──。


好みの三島有紀子監督作品です。

ビブリア古書堂の事件手帖は原作は知らないですが、ドラマは見てました。
なかなか斬新なミステリーで結構面白かった記憶があります。

キャスティングが大分違うのとそもそも登場人物が少ないのでドラマとはまた違った魅力がありました。
少ないキャスティングと狭い世界設定で作品のコアとなる純文学の雰囲気は大分増していたと思います。

本のこと以外は何も知らない栞子だけど一瞬古書を読んだだけでまさしく一を聞いて十を知るようにめちゃくちゃ推理してしまいます。
主人公が持ち込んだ本を数分読んだだけで、遠い昔に持ち主が不倫していたことをわかってしまうのは痛快でした。
そういう栞子の鋭い面を見るシーンはかなり痛快で面白いですが、サスペンスシーンの演出はベタでイマイチでした。
子供向け作品ばりの過剰な引っ張りがありました。
終盤のカーチェイスやら追いかけっ子はなかなかの茶番劇で見るに堪えないレベルでした。

文学っぽいシーンは三島有紀子らしくて良いのでしょうがエンターテイメント性を求められるシーンはイマイチでした。
依頼する監督が違ったのかも知れませんね。

犯人は誰だ?的物語ですが、登場人物が少なく容疑者は僅かなので、しかも不自然なミスリードもあるので
「こいつが犯人じゃない?」って思った人が何の裏切りもなく犯人です。
なので古畑任三郎的に最初から犯人わかってるタイプか、早めに犯人ばらしたほうが良かった気がしました。

終盤の追いかけっ子。
何故か海の方に逃げていって、その時点でとあるオチを予想しましたがそれもそのまま。
もうダチョウ倶楽部状態なクライマックスでした。

この手の物語にお約束の事件を犯す深い事情がありますが、それは納得できないくらい弱い事情でした。
この手の作品には漠然と、痛快なオチやらどんでん返しやら巧妙な展開を期待しましたがそれは無かったです。

解決後の回収も弱めでなんか消化不良のまま終わった印象でした。

主演の野村周平はクセが少なめでナチュラルで良かったです。
今売れっ子ですが、こうして色んな監督の作品に関わって音後のスタイルを上手く見つけて欲しいフェーズですね。
ルックスも良くてタブーも少なそうなのでアート性の強い渋い作品で見たいですね。

黒木華はかなりのハイレベル系女優だと思いますが世界観持っていて良いですね。
こういう昭和感求められる役どころだと間違いないですね。
かなりのはまり役だったと思います。

主人公の祖母の過去を演じた夏帆がなかなか素晴らしかったです。
思ったより昭和感醸し出していて、カツ丼が名物の食堂で働いていてめちゃくちゃカツ丼を食べたくなりました。
禁断の愛に走りそうになる昭和の女性感、純文学な世界観に良くハマっていました。

東出昌大もこういう昭和感の役だったり日本的な役はハマりますね。
昭和の売れない作家感がよく出ていました。

栞子の同業者を成田凌が演じていました。
かっこよくてナチュラル演技でとても好きです。
クライマックスの演技はイマイチでしたが作品や演出に問題があったと思います。

ドラマ同様シリーズ化して適度に見たい作品ですが、今作の出来が微妙なのでシリーズ化出来ないかもですね。


そんなわけで5点。

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