メザスヒカリノサキニアルモノ若しくは楽園

地球は丸かった 太陽が輝いていた
「ごらん、世界は美しい」

感動の映画と美しい風景と愛おしい音の虜

モヒカン故郷に帰る

2016年04月14日 | 映画
モヒカン故郷に帰る
を観ました。


都会で売れないパンクバンドをやっている永吉、恋人の妊娠をきっかけに7年ぶりに突如広島の小さな島にある故郷に挨拶に帰る。
矢沢永吉をこよなく愛すパワフルな父と再会しいつものように喧嘩になるが倒れた父が末期がんと宣告される。
父の最期の時を一緒に過ごそうと不器用にも家族の暮らしが始まるお話。


毎度の通り、情報なしで観に行きましたが。
いやぁ名画でした。

大好きな沖田修一監督です。
ただ沖田修一監督とは知らずに観に行き、
「あ、絶対に過去にも観て、評価してる監督だろうなー」とは思いながら観てました。
エンドロール観て納得でした。

松田龍平の佇まい、演技力はもはや反則なくらい素晴らしいですが、その良さが存分に出ています。
相変わらずクールで無感情な感じですが、
だからこそ不器用にも優しさを出したり、泣いたりするだけでたまらなかったです。

前田敦子は相変わらずピンと来ないですがギリギリ成立していたようには思います。
チャラい馬鹿女の役でしたが、こういう役をやるにはちょっとビジュアルのレベルが足りないような。
北川景子あたりがやればパーフェクトな感じだっと思いますが。
でも彼氏のお母さんに対して馴れ馴れしい感じは好きでした。

柄本明は相変わらず素晴らしすぎますが、
今作は2番手の役で最近の中ではかなり大きい役でいいですね。

妻役のもたいまさこもとても素敵でした。
柄本明ともたいまさこの夫婦役というキャスティングでまあ外れるわけ無いです。
今まで観てきた夫婦像の中でもかなり上位に来る二人でした。
矢沢永吉をこよなく愛す夫と、広島カープをこよなく愛す妻。
土地感が非常に伝わりやすい良い設定でした。

最近売れっ子の千葉雄大に全然イケメン扱いされない天然な曲者キャラを演じさせていたのも素晴らしいです。
かなりいい味出していました。

なんとも不思議なホームドラマでしたが流石のかなりのハイセンス演出です。

今作を観ていて思ったのですが、
沖田修一監督は場面のはじめ方が独特で少し早いんですよね。
物語に必要な場面を紡いで映画は作られますが、そのカットがちょっと早めに始まるんですよ。

人が訪ねてくる少し前の訪ねられる側のシーンから始まる。
何かをする必要な場面に、向かうシーンから始まる。

等など、それがこのハイセンスな世界観を醸しだすんですね。

展開も見事ですし、ちょいちょいの王道に乗っからない裏切りと。

個人的には長々とありがちな感動に向かう様な作りに思ったので、かなり衝撃的なクライマックスでした。
予想外の不意のシーンで突然泣かされそうになったりします。
凄く笑えるシーンもあるし。

とにかくハイセンスを感じさせてくれる名画でした。


そんなわけで8点です。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ボーダーライン | トップ | 無伴奏 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。