メザスヒカリノサキニアルモノ若しくは楽園

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蟹工船

2010年05月26日 | 映画
蟹工船 を観た。

小林多喜二原作の小説をSABU監督が現代のセンスで映画化しました、って感じです。

(お話)
過酷な労働環境の蟹工船に乗り込んで働く船員たち。
みんな生まれ持っての貧乏で生きる希望はない。
働く場所が在るだけまだましだとおもいつつも耐えきれず逃げ出すもの、過労死してしまうものもいる。
超スパルタな監督・浅川(西島秀俊)は船員たちを奴隷のように扱う。
夜は最低環境な土管を並べたような大部屋でみんな育ちの貧乏エピソードを繰り広げる。

そんな中一人の男新庄(松田龍平)が声をあげる。
みんな前向きに死のうと。
人間は死ぬと生まれ変われる、次に生まれたい家を強く想像して死ねばいい。

みんなその言葉にすがるように全員で首を吊る。
船が揺れる度にみんなが揺れる。

しかし誰も死ねずみんな新庄に文句を言うが、でも一瞬は希望を持てたと感謝するものもいる。

一人クールな感じの根本(高良健吾)、反抗的な塩田(新井浩文)も新庄にひかれていく。


(評価)
支配するものと支配されるもののお話。

これは現代の幸福では無いサラリーマンには非常に力を与える映画だと思います。

話は相当ヘビーな設定なのですが、SABU監督なりの独特なセンスでコミカルにもとれるような感じで描いています。

弾丸ランナーで僕に衝撃を与えたSABU監督もすっかり大御所監督って感じですね。

ミュージシャンのPVみたいにスローモーションでみんなが歩くシーンとかカッコ良かったです。
全般的にそういう感じです。
なんかダサイ船員たちをカッコよく描いてます。

松田龍平は相変わらず独特なオーラでカッコ良かったです。
高良健吾はほんと最近よく見かけます。
新井浩文は僕のお気に入りの役者さんです。
この人の醸し出すオーラは凄いと思ってます。
TKOの二人が結構重要な脇役で出てました。

ほぼ男だらけのハードボイルドなお話。
魁男塾を彷彿させるものがありました。

男を立ち上がらせる熱い力のあるお話でした。

そんなわけで6点。

仕事や会社に対する反骨精神みたいのが刺激されました。

蟹工船って2008年に流行ってたんですね。
全然知りませんでした。

うん、男は読んだ方がいいかもしれないですね。
僕も読んでみます。

(ネタバレ)
日々の過酷な労働、監督はさらに船員たちに負担を強いる。

そんな中ある日の漁で新庄と塩田が居なくなる。
みんなは新庄は偉そうなことを言って結局抜け駆けして逃げたと避難する。

しかし新庄と塩田は遭難して漁のライバルのロシアの漁船に助けられていた。
殺されるくらい覚悟していたが、ロシア人の通訳に説教され、船員たちは楽しそうで陽気で二人は深く影響を受ける。
新庄はやりたい事をやるとロシア人のダンスに飛び込んで一緒に踊る。
塩田も続く。

そして二人は船に戻り新庄が先導して船員たちはストライキを起こす。
監督に逆らうなど考えてもみなかったが、みな新庄に触発される。
新庄は諦めるな、何度でも挑戦しろ!と声をあげる。

そして遂にストライキは成立する。

歓喜に沸く船員たち。
皆最高の夜を迎える。

しかし蟹工船事業のバックについていた海軍を引き連れ監督が戻ってきて、新庄はあっさり撃たれてしまう。
死にゆく新庄に根本は生まれたい家を想像しろ!と叫ぶ。

みんな結局何も変えられなかったと再び絶望するが、根本達は新庄の言葉を思い出し再び立ち上がる。



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