メザスヒカリノサキニアルモノ若しくは楽園

地球は丸かった 太陽が輝いていた
「ごらん、世界は美しい」

感動の映画と美しい風景と愛おしい音の虜

大洗にも星はふるなり

2009年11月08日 | 映画
大洗にも星はふるなり を観た。

全く下情報無しでしたが上映劇場が少ないのに近所の映画館でやってたから観ておかねばと行ってきました。

一体どんな映画だろうか?と見始めましたが僕の大好きな映画キサラギのオマージュな作品でもう嬉しかったです。
超超超おもしろかったです。笑えました。

いきなり今年の俺アカデミー賞の有力候補です。

大勢の方に劇場で観て下さいと言いたい映画です。
(お話)
大洗の海の家江ノ島。湘南に憧れる人々。
海の家は8月31日になると終わる。
最終日に残った男達だけで簡単な打ち上げ。
マスター(佐藤二朗)は海の家のバイトはロマンスが生まれる場、この海の家からも何組もゴールインしているカップルが生まれたと言う。
そして全員に目を閉じさせ、この中に女の子バイトの二人と付き合ってた人は居ますか?と聞くと全員が手を上げる。

クリスマスイブの夜、何故か壊されないで残されていた海の家江ノ島にやってきた松山(山本裕典)、なんかそわそわしている。
するとそこに仁科(小柳友)も現れる。
二人とも何か隠し事をしている様子で何故ここに来た?の応酬。
さらにそこに正装した杉本(山田孝之)も現れる。
さらに猫田(ムロツヨシ)とマスターも現れる。
そして猫田は僕はバイトのマドンナだった江里子から手紙を貰ったから来たと言う。
するとほかの全員もポケットから同じ手紙を出す。

「クリスマスイブの夜、海の家で会いたい」と。

しかしそこに敏腕弁護士関口(安田顕)が現れ、条例違反だからこの海の家を今すぐ撤去しろと言い出す。
今取り込んでるから少しだけ待ってくれとマスターは言う。

みんな江里子をどれくらい愛してるかアピールする。

そこから我こそが江里子に相応しい男だと言う争いが始まる。

(ネタバレ)
皆が江里子への愛を語る中、猫田だけは愛していないと言う。
実は猫田は江里子ともう一人居たのブスな女の子と秘密で付き合っている。

そんな事を知らない皆はその子のブストークで盛り上がる。

気まずくなった猫田が一瞬外にでた時、マスターの携帯にその子から電話が。
イブなのに約束をすっぽかされたその子は内緒で猫田の携帯のGPSでイマドコサーチをしていた。

猫田が戻ってくるとみんな気まずくなってカクカクしている。
しかし一切隠し事の出来ないマスターはうっかり喋ってしまう。
そして彼女はこっちに向かってるぞ、と全部喋る。

そんなやりとりを黙って見ていた関口がついに痺れを切らし場を仕切りだす。
そして皆が自分が愛されていると言うので、一人一人の具体的なその要因を聞きだす。

まずは杉本。
皆で花火で遊んだ夜、寝てしまった江里子を見守り起きた江里子に飲み物を勧め、シャンプーの香りがし、イルカを見て、浜辺を追いかけっこしてカップルの様な一夜を過ごしたとアピール。

しかし関口は寝ている江里子にこっそり近付き、酒を飲ませ酔わそうとした、南風の時期にシャンプーの匂いを嗅いだのは変だ、イルカなんて居るわけ無い。
などと探偵のように的確に嘘を見抜く。
つまり杉本はただのストーカーだ!と杉本はストーカー扱いになる。

次に松山。
いきなり江里子に誘われて水族館にデートに言った、砂浜で遊んだら雨に降られ、車の中で江里子は「寒い」と抱きしめて欲しそうに言ってきた、次は江ノ島に行こうと誘われたとアピール。

しかし関口はお見通し。
大学でもサメの研究をしているサメオタクの松山、魚好きの江里子はお前の魚の知識が欲しかっただけ、どうせサメの話ししかしなかっただろう?クリスマスに半袖の君はその日雨に濡れたのに車内の冷房をガンガンにしていたに違いない、つまりホントに寒かっただけ。彼女の行動は全て水族館のある場所。つまり君はさかな君だ!となる。

開き直った猫田は一切思い出は無いが、こんなモテない僕が浮気をする最後のチャンス、浮気をしたいだけと言う。

仁科は一緒に箱根旅行に行った、一緒に温泉玉子を食べた、彼女とこんな会話をした、これが証拠写真と写メをみんなに見せる。

敗北感に浸る面々だが、関口がその嘘を見抜く。
写メが嘘の証拠になっていると。箱根に一緒に行ったのと、箱根で偶然会ったのは全然違う!と。明らかに低いアングルの写メは子供が撮ったもの、どうせ親戚の子供と旅行に行ったら、江里子も来ている情報を聞き、待ち伏せしたのだろう、さっきの会話がアホ過ぎるからそれは親戚の子供との会話だ!と。全部図星。

マスターは何もアピールする事が無い。

結局5人同じか・・・となる面々に関口が衝撃の発言をする。
「嫌、6人だ。さっきから話を聞いていると彼女、かなり僕の理想の女性だ。僕も好きになってしまった。」と。
そして海に向かって江里子ー愛してるーとか叫ぶ。
他の皆もつられて叫ぶ。

室内に残った松山とマスター。
松山は実は、もうすぐアメリカに留学するから、でも絶対に言わないでください、いいですか?絶対に言わないで下さいよとマスターの口の軽さを利用する。

そしてみんな戻ってくる。
マスターは何度も言いそうになるが今回だけ何故か堪える。
たまらず松山は自分でアピール。
そして杉本を筆頭に江里子への挑戦権を松山に譲ろうとなる。

するとそこに一番下っ端のバイトだった林(白石隼也)が現われる。
何をやらせても駄目で、イチイチ全てを聞き間違え、頼んだものを持ってきた事が無い男。
彼は何故か最初から皆が来る事を知っていた。

そして林はもうすぐ死ぬと言い出す。
実は医者に脳腫瘍と診断されたから余命は短いと。

すると今度は江里子への挑戦権は林に譲ろうとなる。
死ぬのとかずるいなーと渋る松山。
悲しくなった松山、仁科、猫田等は猫田の彼女と江里子を迎えに出て行く。

関口は手紙を出したのは林だと見抜く。
林は今までどんなバイトも続かなかったが、このバイトがホント楽しかったから、死ぬ前にどうしてももう一度集まりたかったのだ。

そして再び海の家のメンバーが集まった。

次の夏。
杉本は再び海の家江ノ島で働いていた。
猫田、仁科、林も働いていた。
林はただの鞭打ちなのに、医者の「どうしよう?」を脳腫瘍といつものように聞き間違えていただけだった。

イブの夜、林は彼氏が居るからとあっさり江里子に振られ、江里子からは結婚したと葉書が来た。
相手は沖縄の漁師。

しかし今年も海の家には新しくかわいい女の子のバイトがやってくる。


(評価)
いやー最高に面白い映画でした。
コメディ映画としては過去最高峰に面白かったと言っても過言ではありませんでした。

相当小気味良いテンポで進むので劇場で観るには最高だと思います。

完全にキサラギと同じ手法で、キサラギほど巧妙なお話ではありませんでしたが、笑いはこっちの方が上でした。

最近僕の好きな佐藤二郎さんはやばいくらいにいい演技です。最高です。
きっとこの人今後どんどん引っ張りだこになると予言します。

山田孝之はかなり好きな方の役者ですが、こんなコメディコメディの演技は初めて観ました。
全然上手く出来ていたと思います。

その他の役者さんは正直知らない人ばかりでしたが絶妙だったと思います。
この作品に出ていた全員を今後追っていこうと思わされました。

戸田恵梨香が思い出のシーンにしか出てこないってのも良かったです。

マスター「チョイ悪オヤジの俺が・・・」
皆「マスターの何処がチョイ悪だよ!」
マスター「胃にポリープあるもん」
仁科「そのチョイ悪じゃ、ねーだろ!」って漫才みたいに突っ込むパターン。
マスターもわざわざ突っ込まれにいく、最高です。

マスターが関口に金と思いきや握らせたのはベルマーク。
あのタイミングでベルマークは面白いです。

面白いシーンを挙げるとキリが無いです。

場内かなりの笑いの量でした。
僕も声を出して笑ってしまいました。
赤の他人の前では声を発しない僕が声を出して笑うってのは相当です。
しょうも無いハリウッド映画のアメリカンジョークで笑いが起きるとイライラしますが、この映画は大いに笑って欲しかったです。

気付くと最近僕の中の高得点によく絡んでいる福田雄一関連作品。
今後絶対に見逃せないですね。

そんなわけで9点。

初日に観に行きましたがイマイチ空席が目立つ。

世の中ってアホが多いです。
しょうもないCM観て映画館行って面白くなかったとかぼやく。

面白い映画ほど中規模、小規模で上映されている。
率的にはその辺の映画の方が圧倒的に上。

最近だとこの映画とクヒオ大佐が面白かった。
ちょっと前だと罪とか罰とかは最高だった。

もう僕は映画館に行って知らない映画がやってたらそれを観ろ!と言いたい。
よっぽど面白い映画に出会う率は上がると思います。

笑いのセンスがめちゃめちゃある僕が笑った映画でした。
ナイスでした。

皆さん是非見てくださいと勧めたいです。




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