神田の古本屋街をぶらぶら歩いていた時に見つけた
つかこうへいさんの「広島に原爆を落とす日」です。
つか作品は大好きなのですが、この種のものは苦手で
読まなかったし、舞台も行かなかった。
年取ると、色々気持ちも変わるもので、
改めて読んでみました。
物語は、タイトル通り、1人の軍人が、原爆のスイッチを
押す瞬間までを描いていきます。
その軍人の名は犬子恨一郎。
朝鮮の高貴な血を継ぐ男。
母の知淑は、その誇りを忘れたことはない。
もちろん恨一郎も。
彼が愛する女性•髪百合子。
広島の髪島に住む絶世の美女。
彼女も卑しい家の出で、「泣き女」として暮らしている。
が、実は、凄腕の間諜。
密命を帯び、ヒトラーに「アメリカに宣戦布告」させる為
単身ドイツへ向かう。
恨一郎は、戦艦大和の完成の為に心血を注ぐが
周りから蔑みの目で見られている。
この2人の崇高な愛を、日米開戦から終戦まで通して描いていく。
つかさんじゃないと書けない作品。
途中、読んでいて、苦しくもなりますが、その熱量は
凄まじいものでした。
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