川上未映子さんの「黄色い家」です。
例によって、この方の作品 初読みです。
ノンストップ•ノワール小説
と、帯に書かれていますが、確かに
スピード感溢れる作品でした。
2020年春、伊藤花は、惣菜屋で働く40歳前後の女性
彼女は、ある日
吉川黄美子という60歳の女性が、
若い女性の監禁•傷害の罪に問われていることを知る。
花の脳裏に蘇ったのは20年前の出来事。
加藤蘭 玉森桃子という同年代の女性と黄美子
4人で共同生活を送っていた時代があったのだ。
皆、各々の事情で、頼る人がいない。
最初は、「れもん」というスナックを開店し
うまくいっていたのだが、火事で全ては失われた。
花は、風水に凝っていて、黄色がラッキーカラー。
「黄美子」という名前も、それで気に入ったし
「れもん」も、同じ理由。
その「れもん」を失い、彼女たちの人生は暗転する。
花は、黄美子の弟分•映水の紹介で、偽造カードで
金品を得るようになる。
蘭 桃子も仲間に加わる。
が、破綻する日が訪れて•••
600P近い長編ですが、飽きずに面白く読めました。
花 蘭 桃子 不惑を迎えた彼女たち
どうやら、社会に迎合して生きているのは蘭だけ。
そのあたりも、物悲しいです。