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田切通信

旅行に写真に究極超人あ~るに飯田線田切駅

コミックの風景4

2005-11-18 21:46:27 | あ~るコミック
 今夜も第3巻から銃の話の最終回。部室攻防戦の終盤、勝負にけりをつけた生徒会狙撃隊、鴨池の持っていたのが、WA(ウエスタンアームズ)のAR-7のライフルバージョン。このAR-7はもう少し銃身の短いショートバージョンや、銃身がもっと短く、ストックではなくピストルグリップの着いた拳銃バージョンなど数タイプがあった。フロンガス式の単発銃で、鴨池の持っているライフルバージョンはシリーズ中で最も威力があった。同じ機関部ユニットで何故に威力に差が出るかというと、それは銃身の長さと内径に大きく関係する。BB弾の直径は6㎜、しかしただのプラスチックの球なので、多少のばらつきがある・・と言うかあった。昔のBB弾は100発で300円とか400円とかした。(今時は3000発くらい入って1000円しない)それほどの高級品なのに、パーティングライン(型の合わせ目のバリ)が残っていたり、中にはあからさまに丸くないものも入っていた。当然大きさにはかなりばらつきがあった。銃身の内径はBB弾より少し大きくないと弾が詰まる。したがってばらつきの多さに対応するため6㎜よりかなり大きいのだが、その差がが少ないほど密閉率が高まり、同じガスの吐出圧でも結果として威力が高くなる。また、銃身も長い方が密閉されている時間が長いので圧が高まる。(ただし、内径と長さと弾の材質・重量・ガスの吐出圧にはそれぞれに相関関係があり、長いほどいいとか、内径が小さいほどいいとか単純には割り切れない、やはりバランスが大事なのだ)鴨池の持つライフルバージョンは、銃身が長くしかも内径が小さめだったので、当然威力があったわけだ。
 当時エアガン射撃競技に出る人は、BB弾を専用のふるいにかけてばらつきがないように、大きすぎる弾や小さすぎる弾をより分けていた。狙撃隊の鴨池も当然これをして射撃の精度を高めてただろう。
 校舎の2階か3階から、部室長屋前のバリケードに向かい撃ったわけだが、射距離はいかほどあったのか?当時のホップアップ機能(BB弾に上向きの回転、いわゆるバックスピンをかけて射程距離を伸ばす機能)の無かった銃の有効射程はせいぜい20mが限界ではなかったろうか?気になるところである。

コミックの風景3

2005-11-17 19:31:09 | あ~るコミック
 3巻の頭で、生徒会に最後の決戦を仕掛ける鳥坂が、両手に持っていた2丁の拳銃。これはMGCのベレッタM93Rの恐らく初期型。極めて初期に出たガス式拳銃で、セミオート(発射1発ごとに引き金を引く)とはいえ、コッキングせずに連発できる点と、三十発程度のBB弾を装てんできるのが売りだった。ガスはもちろんフロンガス。最近のガスガンのように、実際の拳銃のようなブローバックアクション(発射するたびにスライドが前後する)はしない、至ってシンプルな構造だ。シンプル故に故障が少なく信頼性が高い。特に第一次規制前の初期型は、規制後のものより20%も出力が高く、無改造でも威力があった。しかも大型とはいえ拳銃なので、鳥坂のように片手に1丁ずつなんて芸当も簡単にできるだろう。カモフラージュしつつ、まりいに忍び寄るには、ベストチョイスであろう。
 この銃は大変なヒット作で、規制でパワーダウンした後も、売れに売れた。当然売れ筋のものにはカスタムパーツも多数出て、ドライバー一つで簡単に部品を交換し、そこそこパワーを上げられた。

 えー、なんかパワーアップの話題ばかり出てるけど、なにもパワーアップを奨励しているのではなく、自主規制意識の低かった(あるいは無かった)時代の思い出話をしているだけなので、「あー、そんな事もあったのか」と思って頂きたい。どうしたらパワーアップできるのか?なんて質問には一切答えないので悪しからず。

 この93Rは最近東京マルイから、電動式の連発銃として製品化されてますね。電動なのでパワーも規制値通り、ブローバックアクションはしないけど、ガス式と違ってこの寒い時期でも安定したパワーを発揮し、なかなか遊べます。

コミックの風景2

2005-11-16 20:05:48 | あ~るコミック
 昨日の続き。
 2巻の165ページで、KG-9を構える鳥坂の後ろでさんごが持っているは、マルコシのスーパー9、後のSS-9000かな。これも当初は5連発のロータリーマガジンとカートリッジを使用した単発銃だった。つまり1度マガジンを銃本体に装てんすると5発だけBB弾が出る。その5発を打ち切ると、空のマガジンを抜いて、更にカートリッジにBB弾を詰めて、それを5発マガジンに装てんして、そのマガジンを銃に再装てんするという、非常にめんどくさい手順が必要だった。そこで、ブルジョアなゲーマーは、結構高価だったロータリーマガジンを多数持ち歩いていた。KG-9と同じカートリッジ式だが、こちらは何故か装てん不良が起こりにくく。初心者にも扱いやすい銃だった。初心者であろうさんごが扱うにはちょうどいいチョイスである。しかも銃自体が大きいので、エアシリンダーも大きく、したがって威力があった。バネも交換しやすかったので簡単にパワーアップできた。
 この銃も、マニアの手により後にカートレス化されて、それがヒットしたため、メーカーによって取り入れられてカートレス銃として発売された経緯がある。後になって圧縮空気式の連発銃が隆盛を極めた頃にも、この単発式のSS-9000は生き残っていた。それは威力がある故に射程距離が長く、また多少の草むら程度なら撃ち抜いて、その向こう側の人を倒す事が出来たからだ。
 ちなみにコマから見ると、さんごの持っているのはケースレス仕様ではないようだ。

コミックの風景1

2005-11-15 21:21:02 | あ~るコミック
 OVA検証の旅の後シリーズは何にするか迷ったが、あ~る繋がりでコミックのロケーションについて書こうと思う。ところで僕の持っているのは最初に出た全9巻のいわゆる普通のコミックなので、「○巻の」と言った場合は、それに対応する巻数を指す。なお、お手元にコミックを置いて読むとわかりやすい・・と言うか無いとわかりにくいです。

 第2巻の終盤、生徒会との部室攻防戦で、鳥坂の持っている空気銃について。
 この時代、弾の出るおもちゃの銃は、現在主流の電動式と違い、スプリング利用のエアガンか、一部は出初めのガスガンだった。ガスもオゾン層を破壊しまくるフロンガスだった。環境に配慮の足りない時代だったのだ。
 鳥坂の持っているのは、そのスプリング式の単発エアガン「マルゼンKG-9」の改造版だ。オリジナルは引き金の前に縦に長い弾倉をつけて、カートリッジ式で給弾する単発銃なのだが、この方式だとBB弾をいちいちプラスチックのカートリッジ(薬莢)に装てんしなければならず、弾数も限られてしまう。また急いでコッキングするとカートリッジが正しくチャンバーに送られず詰まってしまう事が多かった。そこで、当時のマニアはカートを使わずBB弾のみを連続装てん出来るように改造した。BB弾なら直径わずか6ミリのプラスチック球だからカートリッジに比して極端に小さく、同じ容量の場所に遙かに多量に入れる事が出来る。登坂の銃の本体の上にある一見スコープのような筒が実はBB弾を入れておくタンクだ。ここから自重落下(弾自体の重さで下に落ちる)でコッキングするたびにBB弾が1発チャンバーに送り込まれる。恐らくバネも強力なものに換えるか、2本入れて強化してあるはずだ。当時はまだ、競技としての「レギュレーション」という感覚が欠落しており、この手の強化に歯止めがなかった。「弾が当たって前歯が欠けた」なんてのが当たり前のような時代だったのだ。「ロボットも痛がるこの威力!」等とうそぶいているが、誇張ではなくあの至近距離で当たったら死ぬほど痛かったに違いない。