巨匠 ~小杉匠の作家生活~

売れない小説家上がりの詩人気取り
さて、次は何を綴ろうか
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森羅万象に身を委ね

2017-06-25 21:40:13 | 
死亡遊戯
闇夜に戯れる亡者、猛者
都会の夜が溶け合う境界
君が視界から消える瞬間
君と僕との奇妙な関係を
世間に高らかに発表する
君の幸せも、僕の幸せも
すべて一括ひっくるめて
人類の幸せとしてみよう

正真正銘
穢れを知らぬ僕達の魂は
積年の汚泥を拭い去ろう
僕達の疑問は数知れない
君の前にひれ伏すのかい
平凡なありふれた人生を
僕達は認めざるを得ない
昨日墜落したあの飛行機
君が操舵していたのかい

そんな偶然も必然も超え
僕達はどこへでも行こう

世界を望む丘
死海に臨む町並み
今僕が一番行きたいところ
森羅万象に身を委ね

コウモリは世に憚る

2017-06-25 14:36:51 | 
コウモリは黄昏時を待たずして
空に飛び立ち、陽光に溶ける

そんなせっかちな生き物だ
あっという間に時が過ぎて
バカバカしく感じてしまう

変な刺激さえも糧にして
僕達は大人になったけど
何の根拠も自信も持たず
憂いの欠片をかき集める

何の為、誰の為でもないよ
ただプライドが邪魔してさ
自分の為に生きることすら
途端に窮屈に思ってしまう

美しさなんて刹那的なもの
一瞬だからこそ貴重なんだ
知ってか知らずか愚かにも
美に憧れる輩が後を絶たず

僕はひたすら醜さを追究し
俗世間とは逆方向を目指す
そんな不器用な生き方でも
格好いいと思う愚かな生物

僕はいよいよ世間と対局し
負けることなどあり得ない
そう鼻で笑いタカをくくる

いいか、よく聞くがいい

幸せと美醜は全く無関係
災いは潔く消えるがいい
人生の半分を費やした僕
残り半分は愚かさに使う
愚かさが幸せの象徴だと
へそ曲りの僕が証明する

コウモリは黄昏時を待たずして
飛び立ち、陽光に溶けるのだ