巨匠 ~小杉匠の作家生活~

売れない小説家上がりの詩人気取り
さて、次は何を綴ろうか
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来たるべき日

2017-06-20 19:59:30 | 
蜃気楼のように透き通る躰
もう一度だけ託してみようか
僕のことで苦しまないで
無邪気なフリして微笑めば
大人達なんてすぐに騙せる
遠慮なんてすることない
君は君の人生を歩んでいいさ

君の幸せを願ってきたよ
待ち焦がれた晴れ姿
僕はすべて知ってたんだ
わかってはいたけれども
いざその日を迎えたら
結構キツいもんだね

君との思い出が胸いっぱい
身勝手な願望が君を困らせた
僕は呪縛から君を解放する
当然の権利だよね
僕は笑顔より涙目だね
そんなつもりじゃないのに

連れ立って歩いた街並みも遠ざかる
もう君と二人歩くこともないんだね
僕は自分自身に言い聞かせて
君との思い出をリセットする

きっといつの日か

2017-06-20 00:15:04 | 
渋谷の交差点で一人黄昏る
辺り一面に煌めいてるのは
ド派手なイルミネーション
都会の夜に黒は似合わない

生まれ育ちは田舎だけれど
いつの間にか程遠い存在に
帰るきっかけを失った故郷
待ち人達も数少なくなった

花の香りと虫の声が心を溶かす
そんな贅沢を不要と切り捨てた
恥ずかしい過去を許してほしい

間違いなく問われるよ
君のアイデンティティーはもう
大都会の熱狂に奪われたのかい
明日さえ見えない孤独な都会で
君は何を手に入れられるんだい

今だからわかるんだ
何もないこととあることは同義
自然が教えてくれた大切な真理
このメッセージを胸に刻み込む
今は無理でも君の理解がほしい

郷里の山を越え、河を跨ぎ、空を眺む
僕を産み育ててくれた母なる大地に
きっといつの日か、今日にでも必ず
帰る決心がつくはず、君を連れて