何気無く大切な一日が、かけがえ無く今日も過ぎてゆく 高橋忠史・多系統萎縮症と生きる・唄い屋。

難病の多系統萎縮症に侵されても音楽を諦めない男のライヴ報告や日々の思い・命のメッセージ

落ちるぅ~〓…ハッ、夢

2014年09月10日 12時55分10秒 | Weblog
昨夜、「七重の甍」の最終ミックスをしていたら猛烈に眠くなって来てちょっと横になったとたん眠りに落ちてしまったようだ。

防波堤のような所、足元は見えるが周りの景色が見えない不思議な空間をいつものように、転ばないようにバランスとりながら歩いていた。
夢の中にいた。次の瞬間まで夢の中だと分からなかった。突然身体のバランスが崩れた。倒れないように踏ん張ろうとしたが足に力が入らない。
今の僕は、気を張っていないと普段の生活の中で同じ事が起こり倒れそうになってしまう。
倒れるのをこらえようとして大きく足を踏み出したら、防波堤らしき所の縁(ふち)を踏み外し空中に飛び出してしまった。

周りの景色は見えない、落ちていく底は真っ暗闇、ジェットコースターの急下降の時の何倍もの恐怖が襲ってきて…!ッ・大声でウワァ~〓と叫んでいた。
その瞬間床の上で身体をくねらせて目を覚ました。

自分の叫ぶ声で目を覚ますなんて経験は何度もあるものでは無い。
僕の叫び声に驚いて、別室でテレビを見ていた典子さんが血相を変えた驚きの表情で部屋に飛び込んで来た。

脊髄小脳変性症の疑いで検査を受けている僕より、将来に対する不安は典子さんの方が途方もなくでかいはずだ。いづれ話す事も出来なくなり寝たきりになって死んでいく僕を介護しなきゃならないんだから。

普段の生活では、ごく普通に今までと変わり無い会話で、病気の事を話す時も、心配してもしなくても何も変わらない仕方の無い事だからとさらりと流してくれている。
が、きっと心の中は不安で一杯のはずだ。

「ごめん、うたた寝してしまったら、落ちる夢を見て、死ぬ~、って思ったら大声で叫んでた。」
「叫んでる自分にビックリして目が覚めた。いや~、怖かった。ごめんごめん。」

「あんまり大きな声だったから、ビックリしたけど、夢だったのね。あ~良かった。」
そう言って部屋に戻っていった。

僕の中での不安要素が、こんな夢を見させるのだろう。受け入れて行くしかない。

ミックスダウンは凄い事になっている、8年以上続けているのに、毎日発見がある。発見するもののグレードはどんどん高くなっている。
自分自身のレベルが上がってくると、低いレベルの時見えなかった事が細部まで見え始める。深く広く。
極める事を始められる階段を一歩登った。
「七重の甍」は発送出来るものになったが、まだまだ変化させる可能性は沢山ある。究極のバーチャル空間をコンピュータで作る作業に終わりはない。チャレンジし続けようと思っています。
この身体が動かなくなるまで。