岡山県津山市の東津山駅から鳥取県鳥取市の鳥取駅までを結ぶJR西日本:因美線(いんびせん)。津山市旧自治体のマンホール収集では、因美線の駅舎付近で目的のマンホールを見つける事が出来ました。撮り鉄ではありませんが、地域に守られてきた古い駅舎、川面にすっくと立つ、あるいは道路をはるかに高く跨ぐ鉄橋も大好き。何かと気の多い二人には格好のコースです😊
スタートは津山市堀坂にある「美作滝尾駅」。昭和3年(1928)3月15日、因美 南線として美作加茂 - 東津山 - 津山間が開業した際に設置。駅名の由来はかつての所在地「勝田郡滝尾村堀坂」からですが、既に九州大分県に「滝尾駅」が存在した為、旧国名を冠し「美作滝尾駅」と命名されました。
戦前に建築された古い木造平屋作りの駅舎には、当時のままのきっぷ売り場や改札口などが現存しており、2008年11月に、国の登録有形文化財に登録。
津山方面に向かって右側に単式ホーム1面1線を有する地上駅。ホームに立っていると電車が入ってくる気配に慌てて物陰に。
乗降者でもないのに運転手さんに錯覚させては申し訳ないという理由ですが、でもバスと違って一応停車するんですよね😅。しばらく待って、去ってゆく後姿をデジカメに収める事が出来ました。
駅舎の北側には、かつて貨物の取扱駅であった時代の建造物が現存しており、側線跡の他に貨物ホームと上屋が現存しています。
無人の駅長室に怪しい顔出し・・ 実はこの駅舎、映画『男はつらいよ 寅次郎紅の花』の冒頭のシーンで寅さんが降り立つ駅の撮影に用いられています。
駅舎の入り口横には、映画の撮影を記念した碑。駅前には1998年に建立された「鐡道七十周年記念」碑もあります。
津山市加茂町桑原(旧苫田郡東加茂村桑原)にある「美作加茂駅」。昭和3年(1928)3月15日、因美南線として美作加茂 - 東津山 - 津山間が開業した際に起点駅として設置。
現在の駅舎は2003年6月に改築されたものですが、木造瓦葺に塔屋を設けた姿は因美線の駅舎らしい矜持を保っています。
相対式ホーム2面2線を持つ行違い可能な地上駅で、因美線の岡山県側では唯一交換設備を有しています。
冒頭の画像は、美作加茂駅から知和駅までの物見峠へ続く、県道脇の谷間に架かる石造りの「太郎渕橋梁」。昭和3年~5年頃の因美南線の3期工区の工事によって架けられたものです。
津山市加茂町小渕(旧苫田郡東加茂村小渕)にある「知和(ちわ)駅」。昭和3年(1928)9月12日、因美南線(現在の因美線)美作河井 - 美作加茂間延伸時に開業。
誰のいない切符売り場、窓ガラスが多用された事務所内は春の日差しを一杯に受け入れて、木のぬくもりをより鮮明に伝えています。
津山方面に向かって右側に単式ホーム1面1線を持つ地上駅。ここは交換施設を持たない棒線駅のため、津山方面行きと智頭方面行きの双方が同一ホームから発車します。
手つかずの自然に抱かれるかのごとく背景に広がる緑の木々、赤い瓦屋根も下見板張りの壁も開業当時のまま、秘境駅として知られる木造の駅舎。この不思議なほどの優しさは何なんだろう・・
訪問日:2015年4月24日
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